年度行事レクレーション担当
去年の春
一年間誕生会のレクレーション企画・準備・司会進行を新施設長にやらないか尋ねられ
私は先輩にあたる同僚がまだそれをやったことがなかったから不服で
「あと一年学びたいです。」と係を逃れた。
だから令和5年度はもう逃れられないと分かっていたし
やるしかないと思った。
ここで働く以上やるしかない。
誕生会のレクレーションの場所は野外か室内で
持ち時間は1時間30分~2時間。
【毎回内容を変えなければいけない】という制約つきだ。
また、レクレーションにはお金をかけずにあるものを使うこと。
その月の誕生者が好きなことや得意なことをレクレーションに活かし、勝敗を決めるレクレーションならその方が勝つような内容でなければいけない。
リーダーはそういうことが得意だが
私含め女性正職員は得意ではなく
担当になるごとにため息を吐いた。
誕生会担当は正職員の誰かである。
「高齢者デイはレクレーションたくさんしたからネタはたくさんありますよ。」
と、元デイ職員だった新人職員は頼もしいことを言った。
いざという時は頼ろうと思った。
私はネットで調べたり、施設に何の道具があるか調べ、夜な夜な唸っていた。
なかなかに、重度の方と軽度の利用者が一緒
にやるとなると制約がキツかった。
また、移転先での誕生会レクは私担当が初となり
それも私を悩ませた。
空間をどう使うか。
それを考えると、なかなか難しかった。
これにしよう!と思いついても
よくよく考えるとデメリットがあり、私の中でボツになるということが何回もあった。
「誕生会レクの内容は前日に教えてくれればいいよ。」と新施設長が言う。
誕生会一週間前には内容を決めたかった私は
あと一歩のことが考えつかなくて悩んだ。
私はこういうことがつくづく得意ではない。
前の職場は利用者の人数がいたし
軽度と重度でレクレーションを分けていたから
単純なレクレーションで十分時間は経った。
だが
転職先の施設は軽度と重度の方混合でゲームを楽しむのだから
難易度を変えた何かを用意する必要もあった。
誕生会まで一週間切ったところで私の中で内容が決まり
その準備に取りかかった。
誕生会の二日前、試しにやってみたら
同僚から「いいんじゃない?」と言ってもらえた。
誕生会の前日の夕方
レクレーションにとあることを追加することをふと思いつき、追加で準備をし
夕方、新施設長や正職員の前で内容を発表した。
後は野となれ山となれだと思った。
失敗したら来年度から任されないし
成功したらそれが一番いい。
と、言い聞かせた。
当日、緊張しながら誕生会の準備をし、司会・進行をした。
普段は私が行事の写真撮影をするが(SNS担当だから)
今回は写真撮影が得意な同僚にお願いした。
レクレーションはまさかの全員参加で私は泣きそうになった。
いつも数名は気分が乗らず、レクレーションに参加しなかった。
私の記憶では
全員参加は一年以上ぶりだった。
全員がほどよいゲーム結果で
それでいて誕生会の主役の方が1位の記録という結果だった。
レクレーションの時間は1時間40分で
時間もちょうどよかった。
最後に撮る集合写真もみんな笑顔だった。
いつも誰かしらは表情がいまいちだったり、行儀が悪かったりするが
今回は写真も上手くいった(集合写真は私がいつも撮る担当)。
個人的には上手くいったと思う。
利用者や同僚からも褒められたし、ホッとした。
最後に
リーダーから褒められつつも
〇〇をこうした方がよかった等言われ
それが残念だった。
否定されたわけではないけれど
自分なりに考えがあってやったことについて何かしら言われるのは辛い。
まして相手がリーダーなら尚更だ。
まぁリーダーは私に対してだけでなく、いつもこうだから気にする私がよくないのだ。
そう言い聞かせる。
その日は同僚も休みで
新施設長もいない中で
なんとか無事終わった。
前施設長も少しだけ来て
様子を見て微笑んでいた。
それでよしとしよう。
誰が何を言おうと
とりあえず一回目が終わった。
なんとか終わったのだ。
今日は自分を自分で褒める。
よく頑張った。
今日はよくやった。
生理が強い中、よくやった。
誕生会の後はSNS更新の仕事を残業して行い
その日が終わった。
利用者が笑っている。
それが一番じゃないか。