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仕事納めの日

仕事納めの日は毎年恒例の大掃除だ。

 
いつもなら保護者を呼んで大がかりな掃除をするが
今年は陽性者が出たこともあり
利用者と職員で大掃除をすることになった。

 
元々月末は毎月大掃除をしているので
保護者が来ないならいつもと変わらない。

気を使わなくてすむのでありがたい。

 
 
その日、私は送迎車の洗車担当だった。

利用者と共にスタンドに行き、洗車をする。
年末ということもあり、なかなかに混んでいた。

 
利用者は手慣れた様子で車の水滴を拭いていく。

「ありがとうね。今年もありがとうね。」

利用者はそう何度も言いながら拭いていく。

 
優しいなぁ……

と思ったのも束の間。

 
送迎車二台目の洗車時は無言だった。

………何故だ。

 
洗車後、施設に戻ると
周りも掃除が終わっていた。

 
 
仕事納めのその日
保護者に言いにくい話をしなければいけなかった。

それが怖くて不安で 
前日から緊張していたけれど
なんとか悪い方向にはいかずにホッとした。よかった。

まだ書類仕事は残っているし
うっかり某利用者に返し忘れたものもあるが
それでも終わった。

 
年内の仕事が無事終わったのだ。

 
 
同僚と駐車場まで歩く。
 
話しながら
笑いながら
歩く。

 
解放感があった。
この穏やかな時にホッとした。

 
日中仕事で某場所に行ったら
店員さんがずっと強い口調で店員さんを責めていたのが気になった。

 
そんな光景を見ていたから尚更
こうして穏やかな気持ちで
同僚の隣を歩いて帰れる今が嬉しい。

これは当たり前ではない。

 
今年も色々あったけど
そのどれもが私の糧になっていると思いたい。

 
自分へ。
一年間、お疲れ様。

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