眠れない日のための論

 初めまして、大宝寺です。クイズをしていたことがあります。

 今日は僕が眠れないので、眠れない日にでも読んだらいいんじゃない?という程度の雑多なクイズ論を書き散らします。

エンストのスタッフをしました

 Never Ending Story 2023(https://sites.google.com/view/nes2023)という大会のスタッフをしました。全員知っていると思いますが、中高生向けの長文難問大会です。

 僕は長文難問をやったことがないので(過言。プレイヤーとして努力して向き合ったことがない、という意味です)、作問の要点を弁えているはずもなく、かつ当日都合が悪くて中座せざるを得ませんでした。当然ながらド末端のスタッフでしたし、提出問題も多くなければ採用率も多くありませんでした。ここまで読んで傾聴の価値がないと思ったら即ブラウザバックを推奨します。時間の無駄です。

エンスト固有の話

 エンストは昔は関西の大会でした。僕も高1の時に関西遠征をして参加しました(奈良県最高!)し、関西開催がゆえに高2の大会は参加できませんでした。エンストが開催されていなかった期間があったとは承知していましたが、とはいえ”現代”においては長らく関西で開催されるものだと思っていましたし、変わることもないと思っていました。

 転機はコロナでしょうか。別に当事者ではないので口をはさむ資格もないのですが、2022年の大会から突如として関東開催になり、当時高校生オープンに携わっていた僕はぶったまげてしまいました。そのままの流れで今年も関東で開催されたのは、ある種当然の流れでしょう。

 というのも、難問人口は圧倒的に東寄りです。スタッフもわざわざ遠征されていた方はかなり少数派。そのうえ関西では圧倒的短文基本の嵐が吹き荒れていると聞きます(MutiusにもOUQSにもお邪魔したことはないので、この部分に関する責任は取れませんが)。関東開催になるのは時の流れだといっていいと思います。

 が、昔のブログを読んでみると、どうやらエンストは関西に難問文化をもたらすという文脈で始まったらしいです。そう考えたとき、今こそ関西に難問大会が必要なのでは?と正直思ってしまいました。参加者数は少なくなるかもしれませんが、それこそ一昔前の中高生向け大会は大した規模ではなかったわけですし、小さめの箱でやる新たな大会があってもいいと思います。

 ただ、長文大会の負担は本当に大きいと思います(後の項とも関連)。僕はこと長文については大会開催能力が全くないといってよいので、無責任に他人に負担を押しつけるようなことはできません。なので、負担を少なくしつつ大会を継続させられる方法は責められるものではないなあとも思います。もし僕に長文に割けるリソースと能力があれば話を広げられたのですが、この項終わりです。

エンスト固有ではない話

 スタッフをやってみて初めて知ったのですが(!)、長文難問界には「1フリ目がWikipediaにあってはいけない」という鉄の掟があるらしいです。初めて見たときには腰が抜けて立てなくなってしまいました。

 非本質すぎると思います。Wikipediaが誰でも無作為にたどり着ける情報源、ゆえに長文という競技のうえで不適切、という主張自体はわかります。が、誰でも編集できるWikipediaには、編集者の多寡によってジャンル/記事単位で情報の濃淡があるでしょう。ひたすら詳述されたWikipediaページの内容を1フリ目に一切使えない、というのは、競技的な前提は保っているといえるでしょうが、知的に正しい態度なのでしょうか。

 例えば、僕の守備範囲である戦国武将を例にとってみると、多くの人の興味がある分野であり、メジャーな人物であればあるほど記述は充実しています。するとWikiから適切なフリはつけられないことになるので、恐ろしく雑多な情報から問うか、出題をあきらめるかの二択になります(長文大会をやると難問ばかり集まって下位の問題が集まりにくいというのはあるあるですが、メジャーな事柄であればあるほどWikipedia記事が充実しているからではないか、とすら思ってしまいました)。Wikipediaへの記載の多寡という内容とは関係のない要素によって出題内容が狭められるというのは、(可能かどうかは別として)メタ読みの存在のうえでも不適切ですし、詳しい人間がより前でハネるという競技早押しクイズの前提を蹴飛ばしているように思えます。

 昔のパーオブの記録集を読み返したところ、長文難問の発展のためとしてこの内容を推奨している記事を見つけました。確かに、長文問題を作る上でより良く新しいフリをつけつづけるためには深いところを掘り続ける必要があるでしょう。Wikipediaにないフリを見つけられないのは怠慢である、という意見もわかります。ただ、これを金科玉条としている現状ってどうなのだろう、という意思表示です。Wikipediaに載ってる情報って全てつまらないんですか?


 以上です。お目汚し失礼しました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?