脚本と即興で一時間のストーリーを作るための考察(その1)
フルレングスインプロをやるためのメモ
僕は、脚本家であると同時に、演出家であり、インプロヴァイザー(即興演技者)でもあります。
このノートでは、脚本家としての物語作りの技術を、一時間ノンストップの即興演技(フルレングスインプロ)をやるプレーヤーたちのために伝えていきたいと思います。
1「フルレングスインプロに向かう心構え」
今回フルレングスインプロと言うものをやるにあたって、10回の稽古ではそれほど多くのことができないのではないかと思っています。
その中でも今のベストをやれるようなチームになりたいです。
これから稽古に臨むにあたって、出来る限りの共通理解を深めるために、今回確認しておきたいことと、僕が考える1時間のストーリードラマを作るための基礎知識を、稽古をはじめる前にみなさんにお伝えしていきたいと思います。
インプロの捉え方はプレイヤーそれぞれのものがあると思います。
インプロを学んできた過程も違うだろうし、経験値も違うからです。
そんなバラバラのメンバーが集まって1本の作品を作ろうと言うのですから、きっと障害は大きいでしょう。
しかしインプロを愛する者たち同士なのだから、そんなものは軽々と乗り越えてくれるものだと信じています。
愛で、行きましょう。
これから僕が書くのは、あくまでも一つの作り方についてです。
インプロは自由で無限の広がりを持っているものです。
ですから、一つの作り方などにこだわらずに、奔放に自由にやっていってもいいものだということを前提にして、僕の話は聴いてください。
今回の企画では、ショーでお客さんたちに、一本のストーリー性の豊かな芝居を見せたいと思っています。
それを可能にする方法を、みなさんと一緒に作り出していきたいのです。
日本のインプロシーンの中で、このような試みをやっている人たちはまだ少ないです。
つまり経験値は、みんな少ないです。
その経験値を、みんなで共有しながら積み上げていきましょう。
○一時間の芝居とはどんなものか?
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