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ベイブレードバーストガチ、最終回応援企画の第3回
ベイブレードバーストガチ、最終回応援企画の第3回です。
前回は、主人公をどう作ったかというお話をしました。
今回は、シリーズ構成の脚本家が次に何をするのかという話をにします。
○主人公の次はライバルだ!
ホビー物とか、アニメとか、そういうジャンル的なしばりが何も無いときには、『語りたいこと』を中心において、作家は物語を作って行きます。
しかしベイブレードシリーズは、ボーイズホビー物というジャンルに位置づけされています。
当然、毎回出していかなければならないホビーアイテムというものが存在します。
これはけっこうしっかりスケジューリングされていて、コロコロとの連携も取らなければならないようになっています。
自由度はかなり制限されているのですが、プロの脚本家は『しばり』があればあるほど燃えるものなのです。(笑い)
「よーし、やってやろうじゃないかッ!」
というふうに、まるで強敵を前にしたブレーダーのように闘志をメラメラと燃やすのです。
今回は、まずヴァルキリー、ドラゴン、アシュラの三種類が最初に登場することになっていました。
ということは、バルトと主人公と、もう一人のブレーダーは必ず出さなければならないわけです。
となるともう三人目は、どういうキャラクターになるのか自然と決まってきます。
ライバルです。
○ライバルとはなんでしょう?
主人公の前に立ちふさがる敵であり、切磋琢磨して一緒に大きく成長していく仲間でもあるもの。
それがライバルだと僕は思っています。
そんな存在として、アシュラを持つブレーダーである、アマネが出来上がっていきました。
主人公が日本に到着して、最初に戦う相手をどんなキャラクターにするのか、それはとても大事です。
主人公と一緒に物語を最後まで引っ張っていってくれる存在でなければなりません。
そしてそれは前のシリーズと同じじゃだめなんです。
キャラクターたちの造形というのは、いろんな仮題をクリアして行かねばならないんだと理解していただければ嬉しいです。
そしてこのガチシリーズでは、もう一人重要なライバルを登場させなければならないことになっていました。
それは主人公にとって、最大のライバルであり、親友となっていくキャラクターです。
みなさんもうお分かりですね。
デルタです。
これは原作の森多さんからのオーダーでもありました。
バルトにおけるシュウ的な存在となるようなキャラクターのデルタを出してくれと。
しかし、このデルタが持つベイは、一話から出すわけにはいきません。
(それはベイの発売日があからじめ決まっていたからです。)
そこで考えた苦肉の策が、彼の持ちベイを登場させずにキャラクターだけ一話から登場させておくというものでした。
主人公にとっては、大好きな存在であり、目標とすべきライバルだと思っているのに、当の相手は自分のことをなんとも思ってくれていない。
そんな片思いの相手のような存在として、このデルタを設定することにしました。
このアイディアはなかなかいい感じにストーリーにからんでくれたと思います。(自画自賛です。ww)
○脚本家の仕事は『直し』だと前回に書きました。
なんと、ベイブレードバーストガチの一話は、九回も書き直してるんです。(ぷはーーーッ!)
びっくりしました?
びっくりしたでしょ?
(だって秋山総監督が、めちゃくちゃシナリオにこだわって粘る人なんですもの。脚本家にとっては、とてもありがたいことですけど)