見出し画像

恐怖を乗り越えた先に見える景色

今日は『恐怖』について話したいと思います。


僕が人生で最も「怖い」と感じた記憶に、

水があります。


5歳か6歳の頃に琵琶湖に遊びに行った帰り、

駐車場に向かう道中、悪ふざけをしていて目を瞑って歩いていました。

薄ら笑いをうかべながら見えなくても歩けるという高揚感に浸っていた僕は、

次の瞬間、真っ暗闇の穴に頭から落ちました。

泥水と泡がかすかに見えて、

目を開けても本当の暗闇で、

息ができません。

もがこうにも両腕が四角形の周囲の壁に囲まれた

針金で手を体に括り付けられたような状態でした。


意識、、が朦朧としてきました。



もうダメかな、こんなところで死ぬのかと妙に冷静に考えていたら

眩しい光と共に母親の驚いた顔が目に飛び込んできたんです。



ゲボゲボと水を吐き出した後、

何が起こったか頭を整理しようと

アスファルトで呆然としていました。

頭上では母親が何か叫んでいます。

たぶん僕のことを叱っていたのでしょう。



それ以来僕は水が怖くて仕方なく、

事故直後は顔を洗うのさえ怖いほどでした。

小学校の授業でプールサイドに立った時、

25メートルプールは真っ黒い巨大な恐怖の塊に見えました。



僕は夏になると学校へ行かなくなりました。

水が怖くて登校拒否を繰り返していたのです。

水泳の授業をほとんど欠席したまま中学生になってしまいました。

このままでは恥ずかしい、格好悪い、

何よりこの先どうやって生きていくんだと

風呂の中での顔つけから、体全体を沈めたりもしました。

すこし慣れてきた頃に、1人で市民プールに行って泳ぐ練習をはじめました。



プールサイドで顔を付けてバシャバシャもがいていましたから、

浮き輪を付けた幼い子供たちにも笑われた記憶があります。


でも、必死でした。

とにかく泳げるように、いや浮かべるようになろうと、

あの時の恐怖を振り払うように水の中に飛び込み、

プールの底にタッチして帰ってくる、

そんなことを繰り返していました。



ある日、水の中はとても気持ち良く、

体も浮くので楽だという当たり前の事に気づきました。

プールの底すれすれを移動するとまるでイルカになった気分でした。

気づいたら、恐怖の塊は自分の中で作り出していた妄想だったとわかりました。


中学の授業で「え、そんな泳げたん?びっくりした!」

と仲の良かった女子に言われた言葉、

今でもはっきりと覚えています。

自信がついたこと、努力を認めてもらえたこと、

嬉しかったんでしょうね。



僕のように一度何かに失敗してしまうと、

頭の中にマイナスの経験が植え付けられ、

何かをすればまた同じように失敗する、

そんな妄想が膨らみ、より恐怖が増大して動けなくなったりします。



そんなときの対処法は一つです。

『えいやっ』で飛び込む以外にありません。




たとえば「恐怖を克服する」という本をどれだけ読んでも、

頭で理屈がわかるだけで、実際にその場に立つと心と体が拒絶します。

水で死にかけたんだから、水が怖いのは当たり前です。

でも厄介なことに、

死にかけた元凶である水に飛び込む以外に

水を克服する方法はないのです。



そして、不思議なことが起こります。

飛び込むと、それほど怖くなかったんだと気づきます。


断言してもいいです。

飛び込んだ後に世界が変わります。

飛び込む前の、あれほど恐れていた恐怖は何だったんだと

頭を傾げるほど世界が変わります。


そして、恐怖の正体とは、

じつは存在しないものだったとわかります。

当時の僕も水が怖かったのではなく、

「溺れたらどうしよう」という

頭の中で作り上げていたありもしない恐怖に怯えていたんです。



恐怖は時に理想の人生をも狂わせます。

人生は選択の連続ですよね。

Aを選ぶか、Bを選ぶか、

常に選択を迫られます。



学校、就職、転職、独立、投資、

結婚、離婚、出産、子育て、老後の事、

どちらの道を選ぶかで人生は大きく変わります。



恐怖はその人が本来持つ直感力がもたらす正しい選択を狂わせます。

つまり、直感に従えということです。

直感とは、頭で考えるのではなく、心が欲するままに突き進むこと。



なぜ直感が大切か?

多くの人は金銭の恐怖を想像しすぎるため

ほんとうは自分のやりたい大胆な挑戦の道を断念して、

金銭の恐怖が少ない無難な道を選びます。



大胆だろうと無難だろうと、人生がどうなるかなんて誰にもわかりません。

そもそも恐怖なんてものは存在しないことに気づきましょう。



それでもどうしても恐怖を感じるというのなら、

恐怖を乗り越える最低限の武器を身に付けることです。

たとえば水は、泳ぐことさえできれば、浮かぶことさえできれば、

水ほど気持ちよく、体を楽にさせてくれるものはありません。

透き通った海なら、色鮮やかな魚や巨大なサンゴ礁に

イルカやウミガメといった神秘的な生物に出会う機会を与えてくれたりもします。



恐怖を乗り越えると、

これまで見たことのない、体験したことのない

素晴らしい世界が待ってます。



どうか、恐怖を乗り越えて、自分の直感に従い、

5年、10年後、悔いのない選択をしてください。



人生は長くても100年、

地球が誕生して46億年と比べれば、

人間の一生とは瞬きぐらいのわずかな一瞬です。


迷う時間なんて与えられていないことがよくわかります。


代筆屋ナカジ

⇒ご質問、ご相談、ご依頼、取材等はこちらから。


・7月度受講生募集中
文章コーチング
⇒先着10名限定で40%オフ

代筆屋養成講座
⇒先着10名限定で30%オフ

いいなと思ったら応援しよう!