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01 マリナとリュウ

プロローグ

ある小さな街に、特別な才能を持つ一人の女性が住んでいました。
彼女の名前はマリナ。

彼女は依頼者に代わって文章を考案するプロの代筆屋として、数々の依頼人の願いを叶え、人生をも変えてきました。
つまり、マリナの仕事はただ文章を書くことではありません。彼女は、依頼人の心の奥底にある潜在意識にアクセスし、潜在意識を書き換え人生を変える特別な力を持っていました。

マリナはアファメーションワークブックを使い依頼者の人生を変えていたのです。マリナによる願望を引き出すアファメーションとなる言葉や、特別なワークを実践すると、人の悩みは消え去り、挑戦する勇気が湧いてきて、彼女に依頼すれば、夢を叶え理想の人生が実現できると世間でも評判の代筆屋でした。

マリナの生み出す潜在意識を書き換えて人生が変わるアファメーションワークブックが生まれたきっかけは、マリナに届いた一通の手紙からでした。

1.はじまり

マリナのもとに特別な才能を持つリュウという青年から゛人生を変えたい゛という手紙が届きました。リュウはずっと自信を持てず、自分の夢を叶える勇気が出せないでいました。彼はマリナに助けを求め、自分の心の中の迷いを取り除いて欲しいと願っていました。

リュウが自信を持てずにいた原因は、彼の過去にありました。幼い頃から、彼は周囲の期待に応えられないと感じていました。学校では成績が振るわず、スポーツも苦手で、友人関係もぎくしゃくしていました。特に彼の父親は厳格で、リュウの失敗を許さない人でした。そのため、リュウは常にプレッシャーを感じ、自分の価値を疑うようになっていきました。

「失敗は許されない」という言葉を父親が口にするたび、リュウの心には新たな傷が刻まれました。この言葉はリュウの潜在意識に深く根付き、自分の力を信じることができなくなっていました。どんなに努力しても、彼はいつも最後に「自分にはできない」と思い込み、最後までやり遂げることができずにいました。

リュウの子供の頃の夢はマリナのような人の心を動かす文章を書く物書きになることでした。リュウの父親は彼の夢をあざ笑い、「失敗は許されない人生において、物書きなんて不安定な職業につくな」と彼の夢を潰そうとしました。
教師や友人たちも父親と同じようにリュウの夢に否定的な言葉を投げつけました。
やがてリュウは自分が間違ってる、おかしいのは自分だと思い込むようになり、「夢なんて叶うはずがない」という言葉を潜在意識に書き込み、夢を諦め安定が手に入る人生を選ぶようになっていました。

彼が抱えている深い心の傷を感じ取ったマリナは、彼が過去のトラウマを乗り越えるためには、まずその傷を癒すことが必要だと考えました。彼女はリュウの過去に寄り添いながら、彼の心を癒し心を鼓舞するためのアファメーションとしての言葉を紡ぎました。そして潜在意識を書き換えて人生を変えるための特別なワークを作ることにしました。心を癒し心を鼓舞するアファメーションと実践的なワークを作成していくうちに、マリナ自身も、このアファメーションワークブックには、人の潜在意識を書き換え、内なる力を引き出し人生を変える魔法の力があると確信していくようになりました。

「私は過去の失敗から学び、成長している。」
「私の価値は他人の評価ではなく、自分自身が決めるものだ。」
「私は愛され、尊重される存在である。」

これらのアファメーションは、リュウの心に新たな希望の種を植え付けました。

2.アファメーションワークブックの効果

リュウは毎日、アファメーションワークブックに書かれたアファメーションを声に出して読み、ワークを実践しました。最初は半信半疑でしたが、次第に彼の心に変化が現れ始めました。過去のトラウマから解放され、彼は自分の可能性を信じ、自分の力を感じ取り、自分の夢に向かって前進する勇気を持つようになりました。

アファメーションワークブックを手にして8日後のことです。リュウは自分の夢に向かって一歩を踏み出しました。作家になるために物語を書くようになったのです。しかし当然最初から上手くは書けません。書いては書いては原稿用紙を破り捨てる日々が続きました。もうやめようかと、やる気を失ったこともありました。そんなときもマリナのアファメーションワークブックが彼の支えとなりました。゛私は一歩を踏み出し挑戦を続けている゛というアファメーションを繰り返していると、挑戦した自分の勇気と挑戦し続けている自分に自信を持つようになりました。彼の勇気と自信は日に日に増していき、これまでの自分は挑戦していなかったからいつも不安を感じていたことに気づきました。挑戦は勇気と自信と共に心に安心をもたらしてくれたからです。やがてリュウは゛自分にはできる゛という言葉を自ら導き出しました。
上手く書くことができなかったリュウでしたが、アファメーションワークブックに従い、とにかく毎日書くことを続けていました。そして、何度も何度も出版社へ原稿を送り続け、作品募集のチラシを見ては応募していたのです。書き続けて数年が経った頃、リュウの元へある出版社から電話が入りました。
「あなたの作品をぜひ本にしたいと思ってます」
リュウの作品は編集者の目に留まり、リュウは作家としての一歩を踏み出すことができました。幾度もの困難を乗り越え、ついに彼は作家になる夢を叶えることができたのです。

リュウの変化は彼の周囲にも影響を与えました。家族や友人たちは、彼の成長に驚きと喜びを感じました。彼の父親は、「失敗は許されない」のではなく、『失敗は成長の始まりである』ことを学びました。リュウを苦しめていたことへの謝罪と、リュウの努力と成果を認め、心から彼を応援するようになりました。リュウは夢に向かい自分の力で未来を切り開くことによって、自分と周囲を変化させ、ついに過去の呪縛から解放されたのです。


3.マリナの過去

マリナもまた、過去の困難を乗り越えた一人でした。彼女の特別な才能と深い共感力は、彼女自身の経験から生まれたものでした。
マリナは寂れた港にある小さな村で育ちました。父親は漁に出てほとんど家にいません。母親は少し離れた町の工場へ働きに出ていました。彼女の両親は忙しく、仕事に追われてマリナとの時間を持てませんでした。マリナはいつも一人ぼっちで、友達も少なかったため、寂しさと孤独を感じていました。そのため、彼女は自然と本や物語の世界に逃避するようになりました。彼女は本を読み漁り、いつしか自分自身でも物語を書くようになりました。

ある日、マリナが書いた小さな物語が学校で発表されました。物語は、彼女が感じていた孤独や悲しみを自由と喜びの言葉に書き換えたものでした。その物語は多くの人々の心に響き、彼女の才能が認められるきっかけとなりました。彼女は初めて、自分の言葉が人の心を動かし、人の人生に影響を与える力を持っていることに気付きました。

しかし、マリナの人生は平坦ではありませんでした。彼女は次第に、自分の言葉が人に与える影響力の大きさを感じ取り、言葉が人を癒しもすれば傷つけることもあることに気づきました。言葉の魔力に恐怖を感じそれをどう使うべきか悩むようになりました。思春期には、自分の感情や他人の期待に押しつぶされそうになったこともありました。彼女は自身のアイデンティティを見失い、自分の存在意義を模索する日々が続きました。

大学生になったマリナは隣町にある小さな本屋さんに参考書を買いに行きました。
本屋に入るなり目に留まったのは参考書ではなく白い表紙の見慣れない本でした。タイトルに『代筆屋』と書かれた本をマリナは手に取りました。゛今すぐこの本を読まなくてはいけない゛と頭の中に誰かが訴えかけてくるようでした。気づいたらマリナは泣いていました。本に書かれた物語に心を動かされ泣いていたのです。私もこの本みたいに誰かの心を動かす文章をもっと書きたい、その想いは日増しに強くなり、大学では文学や心理学を学びました。そこで彼女は言葉と心の関係について深く理解するようになりました。精神科医であり心理学者であるジークムント・フロイトが提唱した、見えない無意識が行動にもたらす魔法のような力の存在を知りました。マリナは人の心を動かす言葉や文章の正しい使い方がわかってきました。言葉が人々の心を癒し、人生を変える素晴らしい力を持つことを確信しました。マリナの言葉や文章に心を動かされた人たちの感情に触れた瞬間でもありました。そして、彼女は心を動かす文章を作るプロの代筆屋としての道を歩む決意ができたのです。

マリナは、代筆屋として依頼者と向き合う中で、自分と同じように自身のアイデンティティを見失い自分の存在意義を模索して苦しんでいる人々を助けられないかと思うようになりました。そこで心を動かす文章を使ったアファメーションやワークを通じて彼らの潜在意識を書き換え、眠っている潜在能力を引き出し、人生を変えることはできないかと考えていました。言葉の力で一人でも多くの人を悩みや苦しみから解放させたかったのです。マリナの想いに共鳴するように届いたのがリュウの手紙でした。゛人生を変えたい゛想いの力が二人を引き寄せました。リュウの叫びがマリナに届き、マリナの過去の経験と痛みがリュウの心に触れ、互いの心が寄り添い、共感し、人生を変える力を生み出したのです。リュウとの出会いによってマリナの言葉は、単なる文章ではなく、人々の心を癒し、未来を切り開く力を持つようになっていました。

4.リュウからマリナへ感謝の手紙

リュウはマリナへお礼の手紙を書いて、ある本と共に手紙を送りました。

親愛なるマリナへ

心からの感謝の気持ちを伝えたくてなりません。あなたのおかげで、私の人生は大きく変わったのですから。

あなたが贈ってくれたアファメーションワークブックは、私にとって単なる言葉ではありませんでした。私の心に深く響き、潜在意識を書き換え人生を変える力を持っていました。毎日、あなたの言葉を声に出して読むたびに、私の中に小さな光が射し込んできました。ワークに取り組むたびに、゛私にもできる゛という小さな自信の種が植えられたようでした。

あなたのアファメーションワークブックを通じて、私は自分を信じる力を取り戻すことができました。「失敗は許されない」という父親からの言葉を『失敗は成長の糧になる』と書き換えてくれたあなたの言葉が私に自信を与えてくれました。自分の力を信じられなかった私は『自分の力を信じている』という言葉を何度も繰り返すことで、本当に自分を信じることができるようになり「私にはできる」という言葉が自然と沸いてきました。

また、あなたのアファメーションワークブックのおかげで、私は行動する勇気を持つことができました。小さな一歩を積み重ねることで、大きな目標に近づくことができると教えてくれました。毎日のワークを続けることで、私の中には確固たる自信と決意が生まれ、目標に向かって進む力が湧いてきました。

そして、感謝の気持ちを持つことの大切さも教えてくれました。日常の中に感謝できることを見つけることで、私の心はポジティブなエネルギーで満たされました。そのエネルギーが私の行動を支え、前向きな気持ちで毎日を過ごすことができました。

マリナ、あなたの存在は私にとって光そのものでした。あなたが私にくれた心を動かす言葉の魔法は、私の人生を変える力を持っていました。あなたのおかげで、私は自分の夢を実現するための力を得ることができたのです。「夢なんて叶うはずがない」という私の潜在意識にあった言葉を『夢は叶えるもの』と書き換えることができました。

あなたもまた困難を乗り越えてきた人なのでしょう。これほどの言葉を紡ぐためにどれほど自分と向き合い、傷つき悩んだ過去があるのか。人に寄り添い想いを形にするという困難から逃げずに立ち向かっているあなたに心から敬意を表します。
これからも、あなたが多くの人々に希望と勇気を与え続けることを願っています。あなたの特別な才能と心の優しさは、多くの人々の人生を変える力を持っています。私も、あなたから学んだことを大切にしながら、自分の道を進んでいきたいと思います。

本当にありがとう、マリナ。
あなたに出会えたことに感謝し、これからもあなたの幸せを祈っています。

愛と感謝を込めて。

リュウ
追伸 僕の処女作となった本をマリナに読んで欲しくて一緒に送ります。
タイトルは『マリナ~人生を変えてくれた人~』

エピローグ

リュウの手紙を受け取ったマリナは時折肩を震わせながら手紙を読んでいました。
『マリナ』を読み終えたマリナの頬を一筋の涙が伝い地面に落ちていきました。
マリナもまたリュウの言葉に救われたのです。リュウとの出会いによって多くの人の人生を変えるアファメーションワークブックを完成させることができました。人々に希望と勇気を与えるきっかけになったのです。彼女の代筆屋としての仕事は、文章の代筆の仕事ではなく、人々の心に触れ、その人の本当の願いを引き出し、夢を叶え、理想の人生を実現する手助けをする使命へと変わっていました。

そして今日も、マリナのもとには新たな依頼が届きます。彼女はその手紙を読みながら、また一つ、誰かの人生を変えるための物語を紡ぎ始めました。

マリナのアファメーションワークブックを手に取ることで、あなたもリュウのように潜在意識を書き換えて人生を変える一歩を踏み出すことができます。彼女が生み出したアファメーションワークブックは、あなたの潜在意識を書き換え、人生を変える力を持っています。

※具体的なアファメーションワークブックの内容や実践的なデイリーアファメーションとデイリーワークについては有料記事にて公開しています。

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人生の主役があなたになるマリナのアファメーションワークブック(マガジン)https://note.com/daihituya/m/mdd213af339de

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