きゃんつー集い2024-輩の旅装
今年もやりました、きゃんつー集い。
自転車キャンプツーリングに親しむ輩が、四方八方から集まり相乗効果で楽しくなるこの 集い もはや10回目。
グループでもなく、ライドイベントでもなく、自転車ツーリングをする輩が集うこの時間。
今回は日本のど真ん中、しだれ栗森林公園キャンプ場で開催ということもあり東西から15人+αが集いました。
集った輩の装備をほぼ到着順に振り返ります。
昨年の様子はこちら↓
(仮)仙狸文庫@フーテンのかえるくん氏の場合
私の山岳サイクリング研究会の先輩であるカエルくん、グラファイトデザインのドッケでの参戦です。
今はカーボンパイプの供給のみになってしまったグラファイトのフレーム、歴戦のはずなのに艶めく素性の良さ、カッコいいなぁ、、、
日本の中心グラベルがほど近いことから、久しぶりにMTBを出動させたとのことです。
にしても、カーボンの26インチMTB、何周も回って魅力的ですね。
カエルくんとも話したのですが、リジッドフォークに換装して太いスリックタイヤとかを履かせれば、かなり扱いやすい山岳寄りの自転車としてまだまだ活躍の場があるんではないでしょうか。
荷物については、初日はハンドルに荷物をマウントされていましたが、基本的にザックで背負うという、山サイ研的なスタイル。あの暑さで流石です。
山ザックは重いかもしれません。
しかし、ザック単体で完結させてしまう方法は、輪行のみならずツーリングで出会う多様な環境に対して最も柔軟に対応可能な荷物の運び方だと思います。
天幕はアライのダブルウォール。
トレックライズでしたかね。
これは長辺が出入り口になっておりツーリング向きの趣もありますね。特に夏のツーリングでは、長辺開け放って網戸で寝れるかどうかで快適性変わってきます。
張り縄キッチリ張られており素敵です。
カエルくんは、通りなに仙狸堂書店ともある通り、古本屋としての活動もされてますので、是非チェックしてみてください。
以下インスタグラムのリンクです。
醍醐漫の場合
私はフジのフェザーを650b化させた、オールロードシングルスピードバイクで参戦。
ギア比は42×18で2.3333333
いいギア比ですよ。なんでもできる。
サドル後ろには輪行袋、トップチューブバッグは自作で、フレームバッグはフェアウェザー、ハンドルにはウレタンマットでぐるぐる巻きにしたテントを括り付けています。
それ以外の荷物は、自作のトレランザックとウエストベルトに集約しました。
昨年購入した天幕です。
シングルウォールですが、フライに直接縫い合わされたメッシュインナーがあるので風通しも割とよく、快適そのものです。
重さは900g程度ですが、居住性も低くなく嫌いじゃないです。
そのうち集いの動画上げるので、よかったらチャンネル登録お願いします。
楓氏の場合
楓氏は私のかつての愛車、柳サイクル ハンターでの参戦。私が乗っていたときとはまた違う、脂が乗りつつ引き締まった風貌が良いですね。
26インチでリムブレーキ、維持がイージーじゃない規格です。苦労は多いと思います。
積載はフロントラックにでかいフロントバッグ、小さめのサドルバッグ、ハーフのフレームバッグ、機動性を損なわぬ実戦性の高い構成ですね。
そしてザック等はなく、身につけるのは小ぶりのウエストポーチのみ。
なんと天幕なし。
頭を覆うポップアップ蚊帳とキャンプシーツでのごろ寝というスタイル。
雨などには弱いですが、行動に重きを置く場合、かなり合理的で行動力の高い構成だと思います。
シュラフにポンっと入ってごろ寝する「シュラポン」なんて言葉がありますが、これは夏季のシュラポンですね。
野宿ツーリングは何も天幕にこだわること無いですし、思い切って軽くするにはこういうのも大いにありですよね?
やくも氏の場合
やくも氏、ダボスの通称:ネオスポルティーフで参戦。組むのに苦労したらしいすね。
最新鋭機に徒手拳法感あるゴムチューブ積載。この独特の熱量が、やくも氏の持つ情熱の根源を感じさせます。バキバキ。
この積載で、信州の峠を越えてこられました。
集いの装備は、やくも氏のブログが詳しいです。
気軽に立つ、この手の寝床、今回もやはり多いですね。
このオクトスの製品、自立式シングルウォールで重量が1kg近いですが、透湿性もある生地で、性能のバランスが良いです。
今回のように標高が1000を越える場所にはベストマッチだと思います。
海外ツーリングのような未知数の環境と向き合う場合にも積極検討すべき選択肢ではないでしょうか。
やくも氏の参戦記はこちら↓
神楽坂つむり氏の場合
神楽坂つむり氏、ブロンプトンでの参戦です。
特定の車種カテゴリに限定されない集いになりたい、、、そう思い続けてきたので、こういった車種で参戦、めちゃくちゃ嬉しい。
サスガのブロンプトン。Carradiceのパッキングシステム(サドルバッグ+フロントバッグ)ですべてをまかなうクールな出で立ち、たまりませんね。
私もブロンプトンを持っていますが、ホイール径からは想像できないその走行安定性から、ツーリングやれるよなーと思ってましたが、ここまで馴染むとは。
でた!最軽量クラスの自立シェルター。
モンベルのウルトラライトに振り切った製品で、ポールは室内に設置するというスパルタンぶりが素晴らしいです。
余談ですが、知らぬ間に自転車を夜露を避ける場所に移していたつむり氏。
自転車が見当たらないので、私はてっきり自転車は畳んでシェルターの中に入れたのでは?と思ってしまいました。
つむり氏の参戦記はこちら↓
むぎの氏の場合
むぎの氏は激渋なパナソニックのデモンターブルで参戦。ちなみに、分割機能は固着して使えなくなってるそう。
フォークレッグのバッグはモンベルの山岳ザック用の増槽(製品名:サイドポケット)ですね。デイジーチェーンも豊富に縫われてて良さげでした。モンベルさん、これベースにフォークバッグ作らねぇかな。
フロントバッグはオーストリッチ、サドルバッグはオルトリーブ。このキメラ感がツーリングリアルを醸成します。燃料ボトルもカッコいい。
つむり氏と同じシェルターですが、年式が違うのかカラーリングが異なります。
このシェルター、デカい網戸が入口にあるのを知りませんでしたが、こりゃ良いですね。
ちなみに、モンベルのページを確認したところ、最新の型は出入り口が長辺になっていました。
ワタナベ氏の場合
最近購入したトレックのグラベルロードで参戦のワタナベ氏。最初に紹介したカエルくんの山スキーの先輩であります。
カーボンフレームに突き刺さるお茶と魔法瓶のコントラストもさることながら、ハンドルにマウントされたモンベルのカメラポーチから覗くGPSらしきデバイスからは、静かながらベテランの気迫を感じます。
積載はサドルバッグ+ザックで背負うスタイルでした。
完成車で飛び出した という感はなく、いつでも飛び出せる人が自転車を手に入れたという自然さがある出で立ち。
天幕はアライテントの山岳用でしたが、インナーのみの運用をされていました。
軽量シェルターでなくとも、運用し方式の転換で軽量化が図れる好例ではないでしょうか。
雨除けとしての適性はそこそこも、プライバシー空間を確保し、虫を避け、涼しく眠れる。意外と日本の夏にマッチするかもしれません。
エリグチ氏の場合
エリグチ氏はアスペロで参戦。
前回はザックでほぼ完結させる積載でしたが、今回はフォークレッグも使用し、大型のサドルバッグも活用、身につけるのはトレランザックという分散スタイルでした。
ハンドルへのポール+バッグのスマートなまとめ方も良いですが、フォークレッグ積載はなんとアシンメトリー。これでも走るのかなーなんて疑いようは無いです。
なんでってそりゃ、ここまで登ってきてるんだもの。
手慣れた手つきで、ツェルトをフロアレスシェルターとして建てるエリグチ氏。
モンベルのツェルトは、軽量性もさることながら、この運用の冗長性も魅力だなーとつくづく思います。
エリグチ氏の参戦記はサイクルスポーツ内の彼の連載記事で読むことができます。
ファナティック遠藤氏の場合
ファナティック氏、なんと北海道から来てくれました。ビビる。
自転車はキャニオンのやつ。走り出してすぐにタイヤトラブルあったらしいですが、無事到着。
パッキングはやはり見事な分散型。
トレランザックにはビール満載で颯爽と登場。
カッコいいぜ。
超絶軽いDCF(ダイニーマ)のシェルター。
テロテロでレジ袋ののような外観ながら、大変な強度を持つ生地を使用したフロアレスシェルターに、モンベルのポップアップ蚊帳を被ってごろ寝。
この攻撃的に見えて防御力を確実に高めた寝床には、軽量な旅行装備を夢想したときに一度は夢見た理想形に近いものがある気がします。
どべば氏の場合
どべば氏はエンペラーのツーリングコンダクターで参戦。乗り継いではや何代目かになるエンペラーらしいです。
到着するなり人だかり。そりゃそうです。
なんとなくツーリング自転車=エンペラーなイメージが、一部の年代+文化を共有した人間には根付いてるんです。
随所のパーツは意外性がありつつ、筋道の通った選定がされていて説得力があります。
やっぱし、ツーリング装備は前からみるとカッコいい。非対称なフロント積載がリアル。そして、ダブルレッグセンタースタンドも熱い。
スウィフトのフロントバッグやアピデュラのサドルバッグもブランドの色を失って、すっかりどべば色を醸し出しています。
エンペラーもそうですが、こいつもツーリングテントの定番でしたね。
月光を頼りに建てられるからムーンライトと名付けられたという名品です。
たけひー氏の場合
初回から参加してるたけひー氏は新し相棒のアスペロで。
わざわざ機械式ディスクに組み替えたこだわりのカーボングラベルロードです。
たけひー氏の自転車もですが、このご時世では珍しくフロントギアが多段の参加者が多かったですね。前後多段の方がチェンに無理もかけず、幅広いギアを使えますしね。実戦性の高いツーリング人間には人気が根強い感があります。
ビンドルラックを据付け、フレームバッグとハンドル括り付け、慣れたもんです。
トップチューブのポールとか、ダウンチューブボトルへのバンド固定とか、細かいところもキチッとして、山岳もガンガンやれる積載になってます。
ヘリテイジのシングルウォールシェルター クロスオーバードームです。
これめちゃくちゃ軽いくせに、防水透湿生地なんですよね。個人的には最も推奨できるシングルウォール シェルターです。
たけひーのは、短辺が出入り口になっている最軽量モデルですね。
ミヤタ氏の場合
ミヤタ氏は柳サイクルのCozmoで参戦。温め続けた理想を顕現させた渾身の一台。
ダウンチューブにマウントしたフレームバッグ。この配置は担ぎやすさを殺さずに積載力を高める+重心が下方に寄り操舵性も良好なことを伺わせます。
フロントバッグはヴィンテージものを改造した独自のもの。
随所に染み渡る工夫がうつくしいです。
変速はダブルレバー、ホイールはスルーアクスル、最新規格と旧規格の同居も秀逸です。
自転車を構造材として用いた寝床。
この張り方だと、非常にシェルター内部が広く、居住性が高そうですね。床面積で言えば2人用のテントを越えるのではないでしょうか。
ひろい床と屋根、良いですね。
ミヤタ氏の参戦記はこちら↓
てらこ氏の場合
てらこ氏は激アツな190kmの自走をカマして参戦。
素敵なカーボングラベルロードのフォークレッグにはクラフトビール満タンのグロウラーがマウントされていました。
ボトルはフォークに委託し、フレームにはバッグに加えてタープその他を括り付け、サドル後ろにはビンドルラック。身につけるのはOMMのウエストポーチ。
てらこ氏は車体を活用し、モンベルのタープを貼ります。
きゃんつー集いは、設営性の高さからか自立式の採用率が高いですが、てらこ氏はビビィサックやタープなど非自立で限りなくワイルドな天幕を好んでる気がします。
先述のミヤタ氏は天井高めですが、てらこ氏は低めの設営です。家よりも、寝床という感じが、彼の原野への親しみの深さを匂わせます。
クリッター氏の場合
楓氏の紹介で来てくれたクリッター氏は、自らディーラーをしているというシルクテンションで参戦。
なんと、この自転車、ダウンチューブが紐でできたフルサイズのフォールディングバイクなんです。
設計しているのは、かつてジャイアントの名作フォールディングバイクMR-4なども手掛けた荒井さん。
くわしくは、シルクテンションでググってください。痺れます。
積載はシルクテンションの紐部分を有効活用した大胆なものでした。
天幕は非自立のダブルウォール。
私のテントと似通った形状ですが、これはインナーとフライに分割されたタイプでした。
天幕の前には、豊富な食材が。
朝はコーヒーなんかも淹れてくれて、ご馳走になったりしました。
西園寺かっく氏の場合
昨年は急遽来られなくなってしまった西園寺氏。
今年はハードなルートを痛み止めぶち込みながら執念の最終到着。
サルサのバヤ、ギシっと詰まった積載、ビビッドなカラー、まさしく何度もタイムラインで見た自転車でした。
やっぱし、均等分散いいですよね。
そして、目を引くのがシートステイのオリジナルキャリア。輪行への影響も小さく、効果的に積載スペースを増やせる。みんなの注目を集めていました。
やりようによっては、ディレイラーガードにもなりそう。
メーカー未確認なんですが、吹き流しから山岳用のダブルウォールテントですね。
たぶん、アライテントとかじゃないですかね。。
疲れ切った西園寺しでしたが、チャッと設営。さすがですわ。
ひの氏の場合(リモート参戦)
既にヨーロッパを4000km走り、自転車を担いでピレネー山脈を山岳ツーリングしているひの氏は、リモート参戦。
車座にライン通話で交じるという異例のスタイルでした。
自転車は柳サイクルのツーリング車。リアシングルでフロントダブルという弩級変則仕様です。
積載はステムにつけたボトルのみで、他の荷物はすべてザックに集約するという形式でした。
ザックは彼のオーダーで私が作ったものですが、限界性能を越えた活用をされており、素晴らしいフィールドテストの場に晒せれています。
ひの氏のサイクリングの様子はインスタグラムでアップされてます↓
犯苦魔氏の場合
テン泊無しで2日目から参戦した犯苦魔氏はおニューのエクタープロトン。
一緒に日本の中心グラベルを下りました。
犯苦魔氏に初めて会ったのは、ハンドメイドバイシクル展の柳サイクルブース。独特の温かみが心地良い人です。
来年はぜひテン泊しませい!
総括のようなもの
きゃんつー集いは、自分で完結できるキャンプツーリング人間が、敢えて特定の場所に集うところに面白みがあります。
大陸横断ツーリングを同じ時期にやっていた仲間と、冒険心を失わないために始めたきゃんつー集いが、続くうちに独特の引力を持ち始めてすげー面白くなっているのを感じた10回目でしたね。
これからも面白いサイクリングして、また集おう。
以下、過去の記事一覧