きゃんつー集い2021 輩の旅装
2021年の12月初旬、富士山麓のキャンプ場に11人のきゃんつー人間が集いました。(うち1名デイキャンプ)
去年と同様にコロ禍が渦巻く渦中、いつやるどこでやるとあたふたするうちに時間は過ぎ、かの禍も多少の収まりを見せ、気づけば12月、えいやと踏切り、実施と相成りました。
各々が勝手にキャンプ場を予約するという独立義勇スタイルであり、冬キャンプ、集まっていただいた人には感謝の言葉もありません。
それでは、各々の旅装を独断と偏見で振り返って行きたいと思います。(写真ブレブレのが多いため、参加者の方、いい写真あれば提供願います。)
楓氏の場合
初参加の楓氏は、前カゴ付きのリムブレーキのツーリング車にフェアウェザーのフレームバッグをフル装備。加えて、自身が働くアウトドアショップで企画してるという25リットルクラスのザックを背負う分散スタイル。
これらのカバンに、テント、シュラフ、マット、キャンピングチェア、コンパクトな焚き火台を積載してきました。この独特なカラフルゲリラスタイルで集い前日からキャンプ場に天幕を張り、リラックスして待ち構えていました。
天幕はモンベルの山岳テント ステラリッジ。界隈でも採用率が高いですね。価格、重量のパフォーマンスが高いのではないでしょうか。山歩きにも活用できるし。なお、楓氏のは二人用だそうで、しっかり居住性を確保してます。
はじめてのキャンプツーリングだそうですが、定住型キャンプの経験は豊富な楓氏、独特の装備の匂いと風格漂う感じが既に強くあり、今後に期待です。
楓氏のレポートはこちらで読めます。
SK氏の場合
グラベルキャンプロングライド的な乗り方をするSK氏。自らがアンバサダーを務めるBOMBTRACKのバイクにアピデュラのバッグを装備して、3日間で800km程走って自走での参戦。恐るべき走力です。
バキバキに決まってますね。写真には写ってませんが、グラベルロードにダウンヒルバーついてます。ちなみに、ボトルケージは私が制作したものを使用して頂いています。
バイクの積載の他には、アピデュラのハイドレーションベストを装備されてました。フル装備でロングライドを走り切る装備らしく、洗練されています。
ハイドレーションベストについてはこちらから。
天幕は、モンベルの軽量なシェルター。軽い自立式を選ぶ際に必ず選択肢に入りますよね。
行動力をぶち上げるうえで、軽量な自立式シェルターはとにかく合理的ですよね。タープやツェルトと違い、設営の場所を選ばず手間もかかりません。
高レベルで純度が高められた、特殊部隊的な構成のキャンプツーリングスタイル、バリバリしてます。
きゃんつー集いのものに限定したものではありませんが、SK氏がバイクパッキングで使用されている道具のことについて詳細にまとめられています。高強度の走行+野営という稀有な組み合わせを実現する道具たち、必見かと。
宮田氏の場合
まいどお馴染み宮田さんは、クロモリMTBで参戦。
パズル的に構成したバッグに、モンベルのザックを背負う装い。おニューのサドルバッグはハーネス式のものだそうです。
ちなみにフロントバッグとしてザックのトップリッドを活用されていました。また、フロントに括り付けたマットの中にはキャンプの時に引っ掛けるためのアルコールが忍び込んでました。イカしますね。
天幕はフロアレスなモノポールシェルター。
以前は天然ポール(長い枝)を探していた宮田さんですが、今回はポールを持参しての運用。真夏の虫問題等もないので、底冷え対策さえしっかりしていれば、冬は結構良さげな選択肢に思えます。しっかし、このティピー調の天幕、いつ見てもカッコいいっす。
宮田さんのレポートはこちらから。道中のトラブル含め、すごくたのしげです。
マクロス氏の場合
割り切りきった何も積んでないアラヤのオールドMTBをフロントダブル✕リアシングルというイカした構成。90年代初頭のミドルグレードな素体を9kg代に仕上げてるツーリング車です。ちなみに前輪に載っているのはマックのチーズバーガー、補給食。
荷物は全て、20リットルのバックパックに集約。夏ならわかりますが、冬にこの絞り方を出来るのはカッコいいです。ずば抜けてコンパクトな荷物でした。
ヘリテイジのシングルウォールシェルター、これもまた自立式軽量シェルターの定番ですね。輪行袋をグラウンドシートに。寝具はエアマット、モンベルの単体使用も出来る薄手のダウンシュラフインナー+シュラフカバーという構成。
こざっぱりした寝床ながら、「ふつーに暖かかったと」とのこと。
ちなみに、火器はSK氏と同じチタン製の軽量モデルでした。行き着くところに行き着いた人たちの選択肢という感じがします。
PON氏の場合
PON氏は、クロモリのグラベルロードに各種バッグをアセンブリしての参戦。スッキリした積載で、ザックなども背負わずコンパクト。フォーク横の積載ケージは、カーボンフォークにクッション挟んでビニテでぐるぐる巻という世紀末風ワイルドDIY。輝くフレームとのマッチングがなかなかにカッコいいすね。
比較的安価なパッキングギアを組み合わせてきれいにまとめられていて参考になります。
すみません、撤収後しか撮ってません。
こちらも、ヘリテイジ。今回は一番多い天幕でした。このシェルター、軽量に振り切っているため穴あきなどが怖いですが、写真のようにグラウンドシートがあればより積極運用できそうです。
醍醐漫の場合
はい、私は柳サイクルのツーリング車で参戦。担ぎを組み入れたコースを組んでアプローチしたので、ある程度自転車を軽く、ザックに多めに荷物を積みました。山では、フォークレッグの荷物はザックに括り付けてしまいます。
フロントバッグ、フォークレッグの積載ギア、ザック、全て自作したものなんです実は。
私もヘリテイジ。アイスランドツーリング等では暴風の中でも安眠を支えてくれた頼れる相棒です。
寝具は化繊の薄いキルトにシュラフカバーでした。
マットは長年使用してきたモンベルのものだったんですが、パンクしてしまい底冷えする夜となりました。
たけひー氏の場合
たけひー氏は、アルミのシクロクロスで参戦。パニアバッグ+フレームバッグ+トップチューブバッグという扱いやすい構成ですね。
近年はその身軽さからラックレス積載が注目されがちですが、パニアバッグもいいものです。大容量で安定したラックレス積載のために、ラックよりも重いバイクバッグなどもある昨今、意外とキャリア+パニアの包容力の高さ、捨てたもんじゃないと思います。
たけひー氏も、原点回帰のつもりでこの装備で来たそうです。
たけひー氏は、楓氏と同様のモンベルのステラリッジ。
たけひー氏のも二人用。彼は、オーストラリア横断を2014年にやってるのですが、その時から選ぶのは二人用テントです。居住性に対するこだわりを感じます。
てらこ氏の場合
てらこ氏は、テスタッチのシクロクロスにディスクフォークをぶっこんだ自転車で参戦。非正規の取り付け方をしたモンベルのフレームバッグがイカします。ビンドルラックもステキ。これに加えて、ブラックダイヤモンドの小型ザックを背負っていました。
てらこ氏のいかすところは、わざとらしくなくカッコよくまとめるところだと思います。自然とセンスいい。
てらこ氏の走行の様子、こなれてます。
寝床は天幕無しの、ビビィサックでゴロ寝スタイル。
言わば強い版シュラフカバーのビビィサック。欧米では使わてるようですが、あまり日本で見ることは無いように思います。居住性はさておき、いかなる場所でも迅速に寝床を展開できる機動性は、シングルウォールシェルターのそれを大きく凌ぐものがあると思います。ぜひ試してみたいカテゴリーの寝具の一つです。
しゅがー氏の場合
しゅがー氏は、オーストラリア横断の相棒と参戦。パニアにドラムバッグ、防水フロントバッグを装備。往年の海外長期ツーリング装備を思わせる構成で雰囲気があります。
センタースタンドがナイス。逆さに突き刺したお茶も❲ツーリング❳を感じさせます。
天幕はモンベルのルナドームという二人用テントです。他のテントと違いサイドが垂直に近く、かなりの居住性の高さを実現しています。使っている人をあまり見ませんが、それが不思議に感じられる位に良いテントでした。普通に欲しい。
モルモット氏の場合
新婚旅行先から飛んできて、出走直後に落車し、ラスト数十キロでディレイラーハンガーがもげてシングルスピードカーボンロードバイクとなったハイエンド車で参戦。ふんだりけったりになりながら百数十キロを走ってくるバイタリティは流石です。
バイクにつけたギアの他には、ジャックウルフスキンの20リットルクラスのザックを背負っていました。何気に、かなりコンパクトにまとめてしまう天然さがいいです。
いつもはバカスカ食糧をもちこむ彼ですが、今回はトラブルもあり食糧調達がままならず、他者の支援にあやかることに。自己完結をよしとするきゃんつー集いですが、これはこれでなんかほっこりします。
はい、モルモ氏もヘリテイジ。今回は10人中4名がヘリテイジ。何年か前は、モンベルのステラリッジやアライのエアライズが多数派でしたが、軽量化志向が高くなってるでしょうか。
むぎの氏の場合
デイキャンプ参加のむぎの氏。ロードで参戦。
各自で予約というスタイルだったので、こいういのもアリですね。ブラックバーンのサドルバッグに、バックパック。
総括
2021年もなんだかんだで出来て良かったきゃんつー集い。一つの場所に、思い思いのルートと装備でやってきて、そしてまた霧散する。そのこざっぱりした感じが良いし、ルートや行程を共有しないからこそ多様なスタイルが集結して、いい刺激が得られる空間は醸成されてたんじゃないかと思います。
きゃんつー集いは、もともと日本一周やら大陸横断ツーリングをしていた連中が、そういうものに挑む冒険心を忘れないように集まって語らおうというものでした。
今は、そういった長期のツーリングに限らず、多様な冒険心を持った人がゆるーく集まっています。
さぁて、2022年もまたどこかで集いましょう。