メンタリストDaiGoの件を通じて思うこと④
前のやつはコチラ↓
すっかり更新が滞っている間に、すっかり世間の注目も薄れてしまったように感じます。
何かに対しての批評はとても大切だと思おっています。
しかし、消費的なエンターテインメント的誹謗誹謗中傷であった場合、憤りのような感情を持ちます。
釜ヶ崎で僕とメンタリストDaiGo氏を混同している街の先輩がいたと聞きました(笑)
あと、また別の先輩に街でいきなり「おい!オマエなんかいらんこと言うてたらしいやんけ!」と怒鳴られて、「え!?なに!?どの発言!?」と焦ったのですが、僕をメンタリスト扱いした冗談だったようです(笑)
氏の発言に直接的被害を受けている当事者です・・・
余談はさておき、
前回の流れが切れてしまうのですが、今回は「現場、現実に触れること」について書きます。
メンタリストDaiGoさんは謝罪動画で、北九州市にある認定NPO法人抱樸さんを訪問し、学び直すと言うようなことをおっしゃっていました。
それに対して、
・現場が迷惑
・現場にいる当事者に被害が及ぶ
・現場を禊として利用するだけである
・現場に行ったとて反省はしない
と言うような意見をたくさん目にしました。
それに対して、やっぱり複雑な心境になりました。
まず、現場が迷惑だとか当事者に被害が及ぶ等に関しては、受け入れる側の抱樸さんが確実にしっかりと設計するんだろうなと思っています。
僕も昨年9月に抱樸さんに視察にうかがわせていただいたのですが、視察の受け入れ体制は凄まじく整っていた。
こんなに、丁寧にかつスムーズにできるNPO団体はそんなにないと思う。
先駆的な施設を運営しているだけあって、視察受け入れのノウハウがめちゃくちゃに蓄積されていると思いました。
2014年、新橋の飲食店で初めて抱樸の理事長の奥田さんとお会いしました。
友人に誘われて急遽その場に呼んでいただいたのですが、突然やってきた僕に、奥田さんが持ち合わせていた「抱樸紹介セット」的な茶封筒をいただきました。
その茶封筒の中には抱樸に関する様々な資料や過去にテレビ放送された時のDVDが入っていました。
普段から抱樸を紹介する準備をしているんだなと思いました。
と、いう自分の体験から、受け入れるにあたっての体制はきっと万全なんだろうなと勝手に思っています。
そして、「現場に行ったとて反省はしない」と言う声に対して、僕は他人がそれを決めることではないと強く思っています。
どんなスケジュールでDaiGo氏が北九州に通うのかは知りませんが、全てのプログラムを終えたとて、何も変化がないかもしれません。
もしくは、逆に差別的感情が高まる可能性ももしかしたらあるかもしれません。
しかし、原体験を積み重ねることで、いつの日かコップの水が溜まり、溢れ出すことだってあるかもしれません。
かく言う僕もその一人です。
「ホームレス嫌い」な身内の影響もあり、昔はかなり差別的な考えを持っていました。今思うと、それはそれは事実に基づかない酷い偏見でした。
しかし、さまざまな出会いや体験を経て、当時の考えは間違っていたことを知りましたし、全く違う考え方になりました。
自分自身の経験より、関わることで考えが変わることはあると思っています。
だから、多くの人に知ってもらう機会があった方がいいと思い、
・釜ヶ崎のフィールドワーク
・講演、講義
・ボランティアの受け入れ
・質問の受付
を常時受け付けています。
講演も含むと、年間で数百人にこの街のことを伝えています。
しかし、その中でまた次に会える人は1%もいません。
自分の打率の低さもあるのでしょうが、結局はそんなものなんです。
だから、どんな理由であろうが、何度も会いにきてくれる人はとても嬉しい。
4,5年前にある大学生が僕の釜ヶ崎街歩きに参加しました。
その後その学生も社会人になったのですが、たまに街に遊びに来てくれます。
そして、後輩を釜ヶ崎に連れてきてくれたり、卒業した後もゼミの先生を僕に紹介してくれたり。僕の仕事を手伝ってくれたり。
そしてつい先日、その元学生の生まれ育った街を街歩きしてもらう機会がありました。初めての体験でしたが、双方向の街歩きを通じて感じるものがとてもありました。
余談になりますが、
釜ヶ崎で街歩き人をしていると、「貧困を見せ物にしている」と言う意見を度々聞きます。
確かにその通りだと思うのですが、それでも僕は街歩きを続けます。
その理由を細かく書くととても長くなるので、少しだけ説明させてもらうと、釜ヶ崎にはホームレス状態の人が多くいる地域であると共に、その状況を少しでもどうにかしようと思い活動している団体がたくさんある地域でもあります。
何かの事情があり、家も失くし、所持金が底をついた人がたどり着いて、生活を立て直すことができる、再チャレンジできる街でもあります。
その部分には、お金や人が必要です。知ってもらうことで、未来にここで共に活動する人と出会えたり、新たな制度の誕生に繋がる可能性が生まれます。
そのような思いもあって、街歩き人をしています。
単位のためにやってくる学生も、視察で訪れる福祉職の人も、
違う都道府県から職を求めて辿り着いた人も、
何かの被害にあった人も、何かに加害した人も、
虐待を受けている人も、虐待をした人も、
刑余者も、難民も、オーバーステイした外国人も、無戸籍の人も、
炎上した人も、なんのカテゴリーに入らない人も、
僕を否定する人も、僕に殺意を示す人も、
関係なく関わります。
困ったことを相談された場合は僕ができることはやりたいと思っています。
そしてこれからも関わりたいと今時点では思っています。
個人的な思いですが、この街でこういった活動をする身として、意地やこだわりがそこにはあります。
今の職場の同僚の中に、もともと「当事者」として出会った人がいます。
その人は西成生まれの人です。
その同僚がメンタリストDaiGo氏が炎上したことを知った後、僕との何気ない雑談の中で、
「メンタリストも釜ヶ崎に来たらええのに」
「釜ヶ崎に来て小林さんに連れ回してもらったらいいねん」
「あの人(DaiGo氏)すごい賢い人やから、この街に来て理解深めてもらったら、絶対この街の力になると思うねんなー」
と、僕に話してくれました。
実は、少し前に釜ヶ崎がきっかけで炎上した人がいます。その人は炎上を経て、この街にさらに深く関わろうと決意されました。
その思いに少しでも応えられるようにと思い、今も毎週のようにその人と関わっています。
そして、今一緒に新しい活動に取り組んでいます(どこかで紹介できたらいいなー)。
他の地域のことはわからないことが多いですが、少なくとも大阪西成釜ヶ崎は多くの人にとって「再チャレンジできるまち」として存在していますし、自分もその一助になればと思い日々活動しています。
メンタリストDaiGoさんも、抱樸に行って、いい出会いと学びがあれば、この業界にいる身としては嬉しいなと思っています。