「ホームレス支援」について思うこと①
思うことがあって、「ホームレス支援」について思うことを書いていくことにしました。
普段、大阪市西成の「釜ヶ崎」「あいりん」と呼ばれる地域で活動している中でホームレス状態の方への関わりもあります。
詳しくは↓こちらの記事を見ていただければある程度わかると思います。
学生時代からこの地域のいろいろな団体でいろいろな活動をしてきたことや、「サービスハブ事業」や「新型コロナ住まいとくらし緊急サポートプロジェクトOSAKA」の活動などもあり、さまざまな人と関わり出会う機会が多い状況です。
そんなこともあって、「ボランティアをしたい」という人を紹介されることがとても多いです。
中学生、高校生、社会人、さまざまな人を繋いでいただきます。
繋がれた際には、「なにがしたい」かを確認してから、そのニーズにあったボランティア活動に繋ぎます。
事実なので語弊を恐れずに書くと、
「ホームレスの多い、釜ヶ崎で困っている人のためになにかやりたい」というモチベーションで来る人がほとんどです。
具体的に何がしたいかを聞くと、ほとんどの人が「炊き出し」と答えます。
「ホームレス支援」と言えば、炊き出しをまず思い浮かべる人がとても多いのです。
その次は夜まわり活動が多い印象ですが、圧倒的に「炊き出し」をしたいという人が多数です。
そんな中で僕自身はさまざまな活動をしていると言いましたが、炊き出しのお手伝いは突発的な場合を除き基本的にはしていません。
理由としては、主たる業務(上記のサービスハブ等)と炊き出しの活動時間が重なっている場合が多いことや、意外と人が足りているところも多かったりすることなども挙げられます。(他にもあるけど)
炊き出し
ここで言う炊き出しとは、主にホームレス状態であったり、生活が困窮して満足に食事が摂れない人を主たる対象として、無償で調理した食料を公園などで配布する活動のことです。
今まで多くのホームレス状態の人と出会い関わる機会がありました。その中で、所持金が底をつき、食事ができなくなった時に炊き出しがあったことで救われたと言っている声を何度も聞いてきました。
生きていくために食料は必ず必要なものです。食事ができなければ命を維持することができません。また、それだけでなく、満足に食事ができない状態に陥ると、精神状態が不安定になる可能性がとても高いです。
精神状態が不安定になると、判断力が低下し自身が置かれた過酷な状況を変えることがさらに難しくなるとともに、抑うつ状態などになり苦しい状況がさらに苦しくなってしまいかねません。
また、冬場は気温が下がります。炊き出しでは温かい食事が出されることも多く、栄養接種だけではなく冷えた体を温めることもできます。
そう言った点で、炊き出しは一つのセーフティーネットとして重要であり必要な活動だと思っています。
「炊き出し」に必要なモノゴト
そんな炊き出しですが誰でも簡単にできるというわけではありません。
炊き出しを実施し、開催し、維持することはとても難しいことです。
①開催場所
炊き出しを開催すると、長蛇の列ができたり、食べ終わった後の食器がポイ捨てされたりする場合があり、近隣から苦情が出ることもあります。
そう言ったこともあり、多くの炊き出しは公園や私有地などで実施しています。
②調理場
炊き出しは団体にもよりますが、100人分以上の食事を準備します。調理をするスペースも一般家庭の台所ではなかなか現実的ではありません。
使用する鍋もとても大きなものだったりするため、家庭用コンロでは乗らなかったりします。
釜ヶ崎では公園内で小屋を建てて薪を焚べて調理しその場で配布する炊き出しもありますが、多くの団体は調理場を別途確保して実施しています。
③コスト
・食材費
・調理に必要な燃料費
・容器代
が主に発生する費用になります。この他にも調理場を借りてる場合のレンタル費や運搬費などがかかります。
④人手
調理、配布、後片付けなどで多数の人が必要となります。
他にも色々あると思いますが、炊き出しを実施するにはいくつものハードルをクリアする必要があります。
継続の重要性
今まで炊き出しを利用してきた人たちの声を聞いてきた中で「継続性」がとても重要であると感じています。
「毎週●曜日●時にあそこに行けば炊き出しがある」と言うような情報を当事者同士で口コミが広がります。
また、既存の利用者が街で困窮して日が浅い人に声をかけ「困ってるんやったら、あそこでいついつ炊き出しやってるから行ってみたらいい」と言うようなこともよくあります。
「いつどこに行けば」が明確になることで、必要としている人に届きやすくなります。
いわゆる支援団体にいる我々も生活保護やその他の支援を提案し、全て拒否された場合に炊き出しの情報を伝えることがあるのですが、継続して定期開催している炊き出しを案内します。
その辺りはビッグイシューさんが発行している『路上脱出・生活SOSガイド』大阪編をお渡ししたりしています。
頻度
命を守ることを目的とした場合、頻度も重要になります。
大阪市内ではさまざまな場所でさまざまな団体が炊き出しや食料配布を実施しており、毎日2〜3食を手にすることができます。
炊き出しは必要、だけど他にも必要なことはいっぱいある!
炊き出しについて書かせていただきましたが、今回の記事で言いたいこととしては、「炊き出しは必要な活動である」けど、他にも大切で必要な活動はたくさんあるんです!!と言うことです。
どうしても、人的リソースや寄付、世間の認知が炊き出しに偏ってしまっていると感じており、さまざまな領域の「ホームレス支援」活動に必要なリソースが集まるようになることで、厚い支援ができると思っています。
その辺りについて、次回また書かせていただきます!
続く。
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