「ホームレス支援」について思うこと②
いろいろ思うことがあり、書いてみようと思い、今回が第二話となります。
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「ホームレス支援」とは?
「こういうものである」と言い切ることはしません。任意団体や個人でしている活動等もあるはずなので、僕が知らないことも多々あることを前提に、自分が知っている範囲で活動を列挙すると、
夜まわり活動、炊き出し、居場所の設置運営、生活相談、居宅生活に移行するための住まい探し、生活保護申請同行、医療相談、就労支援、労働相談、居住支援、法律相談などが挙げられます。
ここでお伝えしたいことは、
①当事者となる方の状況や段階に応じて支援の内容が変わる
と、いうことと、
②その状態を維持するもの、別の状況につなげていくもの
と、いうことです。
前回の投稿にて、「ホームレス支援=炊き出し」という印象が強いというお話しをしましたが、炊き出しだけでは、ホームレス状態から居宅生活への移行につなぐことは非常に難しいというのが現状です。
具体的にどんな活動があって、それがどの状態にどのような意味合いがあるのかを、語弊があるのを恐れながら図示したのがコチラの図になります。
こちらは、僕の今までの経験と知識の中で知っているものの中から思い出したものを、各フェーズに割り振ったものになります。もっともっと細かくいろんな活動がありますが、大枠でこれだけを列挙しています。
全てが全てここに当てはまることはないことを前提としてください。
例えば、東京では炊き出し等の食料配布と相談会をセットで開催している活動もあったりします。
また、「ホームレス状態」と言っても一人一人状況が違うため、必ずしもこの通りにはなりません。
こちらの図を見て知って欲しいことは、それぞれの活動にそれぞれの役割、目的、意図があるということです。
どれが大切、何が大切、ということではなく、生活・人生に寄り添いながらの活動であり、さまざまな領域での活動を展開することが大切です。
それぞれに専門性が必要となります。医療や法律や福祉などに関しては、資格が必要な場合もあるため、誰でも思い立ってすぐにできるわけではないこともあります。
ただ、ボランティア活動の受け入れや紹介をやっている中で、「感じるやりがいの差」があるのが現実です。
その結果、本来全ての活動において、基本的に優劣は存在しないものの、リソースを募集した際の集まり方に偏りが発生します。
経験の中で、具体的な実例を一つ挙げると、
とあるボランティアさんが「なにかすることはありますか?」と職員である僕に聞いてきました。
僕は居場所の目的、重要性を説明した上で「居場所で当事者の人たちと会話を楽しんでください」とお願いをしました。
しかし、どうやら「求めていた活動」ではなかったようで、帰り際に「炊き出しのボランティアを紹介して欲しい」とリクエストして来られました。
このパターンは何回も経験しています。
その日行って、自分が関わることで大きなわかりやすい好転的影響が生じたりであったり、物資や食べ物を直接渡すのではなく、継続性の中でじっくりと 緩やかにおこなう活動はどうしても、理解してもらい辛いことが現状です。
その重要性、必要性を上手に伝えられたらなと、ずっと考えているのですがなかなかどうにもならない状況が続きます。
どの活動が良い、悪いはありません。
しかし、リソースの偏りをなくすことによって、
ホームレス状態から居宅に移行し、その後安定した生活を送りたいと思う人にとって、より自身の状況に応じた段階的な支援を受けられる体制が整うと考えています。
次回は時代の変化に伴う「ホームレス支援」の変化と現状について、書きたいなーと思っています。
続く。
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