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麻雀の「負のイメージ」って、ギャンブルから切り離すだけじゃいけないのかもしれない

一連の話からちょっと思い出したことがありまして。しばらくはMリーグの話から離れると思うので、安心して(?)お読みください。

麻雀は「くじ引き」!?

編集時代、警視庁に行ったことがあります。

ちょっと高レート麻雀でお縄に……なんてわけじゃまったくなくて(笑)、当時担当していた麻雀最強戦の概要説明みたいなもんだったんですが。

その際、「射幸心」という法律用語について、警視庁の係の人からこんな話をされました。

「例えば、ゴルフやボーリングなんかは、そのまま実力が反映されるから、大会をやることが『射幸心をあおる』ということにはならないんですよ。でも麻雀は違うじゃないですか。要は『くじ引き』みたいなもんですから

聞いた瞬間、「そんなことないです!」と声を荒げそうになったのですが…。

しかし、麻雀を知らない人にこの説明をするのは非常に難しい。どんなにグダグダの配牌を手牌の構成力や山読みをフルに発揮して、捨牌をビシッと推理して放銃を回避し、最後見事にマンガン手を仕上げたとしても、次局に天和をアガられたら木っ端みじんになって負けるのが麻雀です。

でも、ほかの頭脳競技よりも「運」がいいか悪いかが勝負の決め手? うーん、その「運」を超越して勝利をつかむことこそが麻雀の醍醐味なんですが……。

結局、情けないことに、その場では「はあ」なんて軽く相槌を打って、愛想笑いを浮かべるだけ。我々のような麻雀どっぷりの人間と「世間様」では、麻雀のイメージにかなりのギャップがあることを思い知らされた一日でした。

世間が「ギャンブル」以外で抱く麻雀のイメージ

よく我々は、麻雀には「負のイメージがある」という話をします。基本的には、「不健全なギャンブル」「雀荘に蔓延するタバコの煙」「徹マン」「イカサマ」……などなど。

でも、「負のイメージ」ってそれだけじゃないような気がするんですよね。まったく知らない人は、結局はサイコロの目やトランプのゲームのように、運否天賦だけで麻雀は勝負が決まると思っているのかもしれない。所詮「運ゲーでしょ?」と。

しかしですよ。たとえば、プロ野球だってほぼ戦力が互角なチーム同士で試合をすれば、イレギュラーなバウンドが引き起こしたエラー一発で試合が決まることもありますよね。なんだったら、そもそも新人選手をドラフトにかけている時点で、チームの戦力が揃うか揃わないかも「運」です。

結局のところ、スポーツの勝負すべてにおいて、「運」が大きく左右していると思うわけですよ。ゴルフやボウリングだってそう。言うまでもなく、「勝負は時の運」ってヤツです。麻雀だけが特別「運ゲー」なわけじゃない。

麻雀の面白さをもっと世間の人に知ってもらおうと思った時、我々は「負のイメージ」を払しょくするため、“脱ギャンブル”という話になります。でももしかしたら、それだけでは不十分なのかもしれない――。

しかし、麻雀のどの部分を面白いと言えば、その魅力が伝わるんだろう? あれから15年以上経ちますが、いまだに自分にはそれを端的に説明できる言葉が見つかりません。スマホ全盛で娯楽も花盛りなこの時代、これから麻雀を普及していこうと思ったら、そんなことまで本気で考えていかないといけないよなぁ……なんて、ぼんやりと思うのですが。

「麻雀はくじ引きではありません! 嘘だと思うのなら、これから実際に麻雀を打ちにいきましょう!」

……あの時、こう言えたら楽だったのになぁ。

(了)

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