山野ビッグバンドジャスコンテスト(表彰式)
学生時代、ビッグバンドジャズのサークルに入っていた。どこの世界にもあるものだが、ビッグバンドジャズにも大学対抗の甲子園的なイベントがある。
それが山野楽器主催の「山野ビッグバンドジャズコンテスト」だ。毎年8月に行われるこのコンテストの入賞目指して、全国のビッグバンド青年たちが練習に明け暮れるわけである。
昨日YouTubeを見ていたら、急におすすめに20年くらい前のそのコンテストの映像が出てきた。それがたまたま自分の知り合いが出ている映像で、うぉーと思いながらつい見入ってしまった。
そうなると気になるのが、自分の演奏ってこんなふうに残っているのかな?ということである。なんとなく検索してみたが、どうもさすがに自分の年の演奏は残っていないようだった。
しかし、演奏はなかったが、最後の「表彰式」の映像が残っていた。この映像の6:15くらいからの「特別賞」で、真っ先に壇上に駆け上がっているのが自分である。
やっぱり、表彰式っていうのは、結果がわかっていても、なんかどきどきしてしまう。
映像を見ると、他のバンドの表彰者よりも明らかに爆裂に喜んでいる。いや、だって本当にうれしかったもん。いやぁ、青春である。
このコンテストで「入賞」というのは、上位10校くらいだったと思う。出場がどれくらいだろう、4−50バンドくらいなので、こうしてみると大したことないような気もするが、それでもこの上位10校に入るというのは相当に名誉なことだった。
自分たちのバンドは入賞常連というわけではなかったので、「特別賞(=6位)」というのは本当にうれしい結果だった。
この表彰式の時、予感していたわけでもないのだが、なんとなく一番前の一番真ん中の席に座っていた。だから名前を呼ばれた次の瞬間ステージに上がることができたわけである。
正直、これまでの自分たちの実績や、いわゆる他校の入賞常連バンドの出来からして、入賞するとしても7位以下かな、と淡い期待をしていたので、10位から発表していって、7位の発表が終わった時点で、ちょっともう無理かな、と思いはじめていた。
それでも祈るように体を前に折り、手を組んで額の前に置き、うつむきながら発表を聞く。
「慶應義塾大学 ケイエムピー・・」
この瞬間、破裂するように視界が白くなった。
顔を上げると同時に全身のバネが連動してじゃきんと立ち上がり、衝動的に吠える。
次の瞬間、一気に壇上に駆け上がる。一刻も早く上がりたい。早く上がらないと入賞取り消しになるかもしれない。上がった。見ろ。見たか。客席。吠える。もう大丈夫。これで取り消されない。早く来いみんな。何をやってるんだ。
メンバーがやっと壇上にやってきた。なんの理屈もない。来た瞬間ばちんと全力でぶつかって抱き合う。どうだ。あんなに馬鹿にされていた俺たちはやってやったのだ。吠える。今現実のものとなったのが、俺たちのこの姿だ。目に焼き付けろ。
いやぁ、青春だなぁ。。
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