フランス南西部の街(3)Arles(アルル)
アルルはいわずとしれた世界の観光名所ですね。
ローマ時代の遺跡あり、ゴッホやゴーギャン、ドーデのゆかりあり。
街もでかすぎないですし、ほどよく生活感もなく、いいところです。
アルルも行ってみたかったのですがなかなか行けなかったところです。
南フランスには7-8回行きましたが、これくらいの規模のちゃんとした南仏の観光都市を訪れるのはこのアルルが実は初めてでした。
まあ、7-8回のうちの4回は病気の母親の看病でしたので、あんまりゆっくり観光どころじゃなかったのと、いつも南西部が拠点なので、どうも有名どころの観光名所は遠くて来れなかったんですよね。
で、訪れたアルルはやっぱりこれまでに訪れた都市とは明らかに様相が異なりました。
なんてキレイな街なんだろう。
これは、観光客が世界から集まってくるのもわかります。
遺跡のたぐいはもちろん、それと調和した町並み、建造物の全てがキレイでかわいい。
ひとつの村程度ならともかく、これほどの街がこのバランスをすべてにおいて保っているのはすごいことです。
散歩しているだけで幸せな気分になりますね。
石造りの建物もみな白っぽく明るくて、そこに陽光が降り注いでとてもまぶしい色彩にあふれています。
たとえばいわゆる街程度の規模でいうと、ベジエはちょっとアルルより大きいくらい、ペルピニャンは倍くらいですが、いわゆるたたずまいはそれはもう全く違います。ベジエにはもっと質実剛健な、ペルピニャンにはもっと荒々しい太陽の世界みたいなイメージがありますが、アルルはもっと澄んでいてどこまでも優美です。もちろん、ベジエもペルピニャンもぼくは大好きで何度も行っていますので、それはそれですばらしい良さがあるわけですけれど、ともかくアルルはそれらとはまったく別の街です。
市庁舎と広場
まずは市庁舎と広場の写真。
同じ広場に面しているサン・トロフィーム教会です。
この教会はとっても有名です。
中もとてもキレイです。
古代劇場
その裏手にある、古代劇場です。紀元前1世紀末に作られたそうです。2100年前ですか。
でも、今でも現役バリバリでコンサートやイベントのステージとして使われています。
円形闘技場
続きまして、この古代劇場のすぐ裏手にあります、円形闘技場です。
先ほどの古代劇場はいわゆる劇場ですが、こちらはコロシアムというかスタジアムです。
今でも闘牛などが催された際は実際のスタジアムとして機能しています。
確か、かつては三層の建物でもっとでかかったのだと何かで読みました。
直径が136mあって、フランスではもっとも大きなローマ時代の闘技場なんだそうです。
一応、アルルのシンボル的存在ですね。
見ての通り、大変美しい状態の建造物です。
こういった遺跡類が今も機能して、街並みの中にとけ込んでいるのがアルルのすばらしいところです。
紀元1世紀くらいの建造だそうです。2000年前ですね。
2000年前っていうと、弥生時代ですか。月並みですが、すごいものです。
でも、今も2000年前も、使ってる道具が違うだけで、人間の能力自体は大して変わらないと思いますから、車の運転やパソコンの操作を覚えたり、株式市場の動向などに気を配らなくていいぶん、石で大きな建物を造ったりはがんばったらできちゃうものかもしれませんね。そんなことないのかな。
※なんか、ここは入場料がやたら高かったか、時間がなくなってしまったかで中には入りませんでした。
Café van Gogh
あと、日本人ならみな行くであろう、カフェ・ヴァン・ゴッグ(ファン・ゴッホ)。あのゴッホの「夜のカフェテラス」の絵のカフェですね。
このカフェがある一体はフォーロム広場といって、フランス風にいうととってもサンパティックな(感じのいい)一角です。
アルルは、ゴッホが気に入って滞在して、芸術家コミュニティみたいのつくろうとして、だんだん壊れていっちゃったという大変彼にとってはトピックな場所ですので、ゴッホゆかりのなんとかがいっぱいあります。
このカフェ以外にも、「ゴッホの跳ね橋」「エスパス・ヴァン・ゴッホ」「ヴァン・ゴッホ財団」などがあります。
跳ね橋は、例の絵のモデルになった橋ですが、これは当時のものではなくて、復元したものを前と違うところに設置したというものです。ちょっと街から離れているので、今回は行きませんでした。
「エスパス・ヴァン・ゴッホ」は、これは絵の好きな人なら見たことあるかもしれませんが、ゴッホが入院していた精神病院の庭の絵がありますね、あの病院の建物を今はカルチャースペースとして利用しているというものです。庭がゴッホの絵のままに復元されています。
アリスカン
アルルの城壁の外ですが、アリスカンという場所にも行ってみました。
アリスカンはアルルの街から南東に2〜300mくらい歩いた場所にあります。
ここはなにかというと、ローマ時代の超有名な墓地です。
並木道の長ーい参道になっていて、その両脇には石棺がずらりとならんでいます。
二枚目の写真の奥に見えるのは12世紀の「サントノラ教会」ですが、かなり廃墟です。
とても静かですし、散歩するにはいいところです。
ただし、ここも入場料かかります。
行ったとき、同行したフランス人(私の母の旦那さんだった人です)が、ここはおもしろそうだしタダに違いないといってずんずん入っていったら、後からおばちゃんがおっかけてきて、金を払えと怒られました。
なお、ここもゴッホゆかりの地で、アリスカンを描いた絵があります。ゴーギャンと一緒に描きに行ったみたいですね。「夜のカフェテラス」を書いたのとほとんど同じ時です。
アリスカンの絵は紅葉の時期を描いたものですが、だんだんとイっちゃいはじめている時期で、なんだかたんたんとした中にも鬼気迫る迫力のある絵になっています。絵を描いた場所には、こんな風にパネルが残っています。
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そういえばお昼の時、街の中のレストランは皆ツーリスト向けで高いと同行のフランス人が言うので(先ほどの義父です)、街の外に出て、近くにあったごくごく普通のブラッスリーに入りましたが、そこの料理が安くて最高においしかったですね。
超ボリュームのビフテック&フリット!!(ステーキとフライドポテトです)
そんなの料理じゃないよと言われたらそれまでなんですが、でもうまかったです。
白いワンちゃんがいました。
料理だけでなく、実際おみやげもの屋などの物価も、他のフランス人向けリゾートだとかそういったところよりはやや高めです。
たしか、古代劇場の前のおみやげ屋さんではプロヴァンス柄のお皿が100ユーロくらいで売られていました。プロヴァンス柄の食器はフランス人も好きで、いろんなお店で見かけますが、100ユーロする皿はさすがに見たことなかったですね。
ただし、ここのはとりわけカワイイですし、ものはよかったと思います。
まぁ、そうそう買えるもんでもなし、多少高くたって気に入ったら別にいいと思います。
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ちなみに、アルルの女性は美しい、というのはほんとうです。
何人も大変な美人に出会いました。
なんでなんですかね・・?
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※この文章は2009年に書かれたものをリライトしたもので、現在では状況が違っている場合があります。ご了承ください。でも多分たいして変わっていないと思います。