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十九の朝 震える時間
鯨が唄う 湖の底
十時前 森の梟
透明な 深い平原
ねえ 莫迦みたいに温い
曖昧に持って産まれたから
気取るそばから剥がれてゆくんだ
ひかりがきょうは憎い
白夜のような貌をするから
呼吸のないくらい
静謐な日々だ
それでも生き急ぐ
平凡な日々だ
三時半 黄昏を待つ
燃えてゆくフィヨルドの小屋
ねえ 死んだような昼
曖昧に持って産まれたから
気取るそばから剥がれてゆくんだ
ひかりがきょうは憎い
白夜のような貌をするから
呼吸のないくらい
静謐な日々だ
それでも生き急ぐ
平凡な日々だ