読後感想『琥珀のまたたき』
幼い頃の記憶。誰しも幼い頃のことを思い出すと、ほとんどのことが朧げながらも、どこか断片的に思い出す記憶があると思う。そしてなぜか楽しい思い出よりも、どこか苦い思い出の方が、脳裏に強く焼き付いていて思い出すたびに少しシュンとなる。
わたしがちょうど小学校に上がる前に、隣に兄と妹の兄妹が住んでいた。よく一緒に遊んでいたのだが、妹は非常に犬が苦手であるときそのことを面白がった兄がわたしも巻き込んで、妹に犬をけしかけたことがあった。
その途端、妹は恐怖で泣き叫び、その事実を知った