新空港線(蒲蒲線)は必要なのか？─大田区の思惑とは─
こんにちは、だいふくです。
前回からだいぶ期間が空いてしまいましたが、完全に気分で書いてるのであまり期待しないでくださいね。
今日は新空港線がどのような人に利用されるのかを勝手に考察してみましたのでぜひお読みください。
東急新空港線(蒲蒲線)とは
新空港線とは、矢口渡〜蒲田〜京急蒲田〜大鳥居間を地下に新設し、東急多摩川線と京急空港線を接続することで渋谷・池袋方面への直通運転によるアクセス向上や、蒲田〜京急蒲田の800mの距離を結ぶことによってミッシングリンクを解消し、バイパス効果等を持つ新線です。
新空港線の目的とは
現在の羽田空港のアクセスは、京急空港線と東京モノレールで結ばれていますが、どちらも品川、浜松町と山手線の東側の駅を結ぶものとなっています。現在JR羽田アクセス線の建設が進められていますが、東京やりんかい線へ直通する見込みで、副都心である渋谷、新宿、池袋は直接結ばれてはいません。（JRの西山手ルートは副都心を結ぶ計画ですが、現時点では設計に課題ありという見解です。）東横線と副都心線への直通が実現すれば、副都心へのアクセスはもちろん、東武東上線や西武池袋線沿線の空港アクセスを向上させることにつながります。
実際のところは誰が使いそうか
果たして副都心アクセスへ本当に効果があるのか、既存の山手線・京急線ルートと、JR羽田アクセス線ルートと、新空港線ルートを比較してみました。(あくまでも概算です。参考までにとどめてください。)
副都心線・東急線ルートでは最速種別を新設すると仮定して所要時間の計算を行いました。(池袋、新宿三丁目、明治神宮前、渋谷、中目黒、自由が丘、蒲田、新蒲田(仮))
しかしご覧の通り、所要時間ではあまり優位に立てないということがお分かりいただけたでしょうか。更に本数面で言うと、品川からの京急線が毎時6本あり、JR羽田アクセス線は毎時8本となる予定です。現状既に毎時18本走っている東横線に競り合えるだけの本数を走らせるのは困難に思えます。
また、運賃面でも苦戦が強いられる可能性が高いです。他社との乗り換えや直通が増えれば増えるほど運賃は高くなってしまいます。羽田アクセス線が完成していない以上どうなるかは分かりませんが、遠回りとなる東急線は苦戦を強いられるでしょう。
一方で、都心で何回も乗り換えを強いられる東上線や池袋線沿線からはプラスに受け止められる可能性もあります。(山手線で池袋から品川までずっと移動するのって意外としんどいものがあります)
鍵は急行電車
東急沿線からの利用も忘れてはなりません。東横線沿線はもちろん、自由が丘・多摩川で接続を取れば目黒線や大井町線、更には田園都市線からの利用が見込めます。副都心での輸送に優位が立てないなら、東横線内急行として走らせることで沿線輸送に注力するというのが基本方針となるのではないでしょうか？現在は田都・大井系統(20分ベース)と東横・目黒系統(15分ベース)ではダイヤパターンが異なるので、これを揃えることも空港方面への利便性向上につながります。
大田区に旨みはあるのか
さて、今までの話を振り返るといかがだったでしょうか。多摩川線内は通過されることがほぼ確実なうえ、空港までのアクセスなら素通りされる大田区への利益は少ないのではないでしょうか。
表面上だけを捉えればそうかもしれませんが、大田区の思惑として、大田区の東急沿線と大田区の空港方面が分断されている現状を解消したい狙い、さらには蒲田付近の再開発を行い、目的地としての蒲田の魅力を高めたいと考えられます。(田園調布もまた大田区ですからね) また、蒲田が副都心へ直通すれば町としての魅力は数段あがりますし、経済効果もあると言えます。また、羽田方面の再開発が進んでいるなか、大田区を横断する鉄道を新設することで新たな人の流れを生むことにつながり、他地域からの移住も期待できます。
私の推測ですが、元々ただの蒲蒲線だった名称を新空港線に変えて羽田アクセスのアピールをしだしたのは都や国からの協力を得るためではないかと思っています。実際にそれは実を結び、東急、東京都、国土交通省の協力を得ることに成功しています。やはり羽田空港の影響力は大きいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。新空港線は未だに懐疑的な人も多く支持を得られるのかが課題となっていますが、東急、区、都、国等の機関はもう既に事業を前進させる方向に動いています。2030年代後半の開業を目指しているとのことで、とても楽しみですね！次回は新空港線のダイヤを予想していきます。ぜひお楽しみに！
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