ドラゴンタトゥー女との出会い
ある日のバンコクの喧騒が響き渡るスクンビット交差点で、蒸し暑い夕暮れ時のこと。
スマホを片手に信号待ちをしていた私は、ふと見上げた先に一際目を引く女性が日本人観光客であろう40代中年男性3人組と流暢な日本語で話しているのを隣で聞き耳を立てて聞いていた。
全身に鮮やかなタトゥーを纏った華奢な彼女は、その場の空気を一瞬にして変えてしまうような圧倒的な存在感放っていた。
彼女のタトゥーはただの装飾ではなく、一つ一つがまるで物語を語るかのようだった。ドラゴンや花、神秘的なシンボルが彼女の肌に刻まれており、その中には不思議と引き寄せられるものがあった。
私の目が彼女の腕に描かれた美しい蓮の花にとどまった瞬間、彼女の視線と交わった。
私は一瞬、時が止まったように感じた。
すると彼女は...
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