見出し画像

娘達と点滴ポート

娘達は其々に所帯を持ち、普通に暮らしている。
特に援助を求められた事もないし、援助を求めた事もなかった。ごく平和な家族だったはずだった。

病気が解った時、娘達は新幹線に乗ってすぐに来てくれて私の希望と夫の希望を聞いたあと、セカンドオピニオンを聞きに行ってくれた。セカンドオピニオンも主治医と同じ意見だったそうだ。
私は、娘達がいつのまにか頼りなる大人になっているのに気づいた。

病院に連れてきた幼い孫を見て、余りに幼く涙が出た。せめて私が祖母であることがわかるくらいまで、生きていたいと強く思った。

治療方針は主治医の方針に従い、まず点滴のポートの手術を受けた。
「水着は着られなくなります」と言われたときは、べつに平気と思っていたけど、いざとなるとデコルテも気になりちょっと悲しかった。

いいなと思ったら応援しよう!