支援級 たしざん練習帖
今回は、発達特性のある息子が足し算をマスターするまでの過程と、息子の特性によるつまづき(課題)についての記録です。
① 視空間認知・集中力向上
(迷路/点つなぎ/点描写/間違い探し)
小学校入学当初の息子は、目の使い方、目からの情報を脳で処理する力に乏しかったので、同じものを同時に見て共有することが難しく、集中力も続きませんでした。
そのため、当時息子の興味関心のあった迷路や点つなぎなどからまずは目を使う練習を始めました。
② 数字に触れる・数える
点つなぎにより数字に触れ、数字に慣れました。
その後の数のカウントは非常に難航しましたが、最終的に上記のおはじきプリントが息子に合い、カウントの見本を見せたのち、一緒にカウントすることで理解が進みました。
《 カウント練習の失敗例 》
手 :手先の動きがぎこちなく拒否 ✕
絵 :情報量が多く理解が難しい ✕
モノ :説明が理解できず手遊びに繋がる ✕
日常 :聞いていない ✕
動画 :集中して見ているが……??? △
アプリ:ルールが理解できずに気が散る ✕
③ 足し算のルール理解
計算式の上に赤のドットが描かれた、とてもシンプルなこのプリントが一番気が散らず進みが良かったです。
④繰り上がりなしの足し算
⑤繰り上がりありの足し算
足し算に慣れるまでは少量(息子が許容できる数問)を毎日行い、少しずつ問題量を増やし、足し算に触れる機会を増やして定着をはかりました。
●集中力
課題や課題量を息子の特性と性格に合わせ、少量でも毎日取り組んだ結果、少しずつ集中が続くようになりました。
●言語の発達遅滞/聞く力
足し算は、ひらがなとはまた異なり<説明を聞いて・理解して・考える力>が必要となるため、息子にとっては非常に難易度の高いものでした。
小学校入学後、1年半ほどかけて学校や放デイで先生方や同世代の子と触れ合ううちに徐々に外界に興味を持ち始め、発語と言葉の理解が進み、それが足し算の理解に繋がりました。
「息子の分からないことが分からない」という
ところからのスタートでした。
数がいくつだろうと「1、2、3こ!!!」。
どう聞いても、どう聞き返してもこれ。
あれから約一年半。
就学前の運筆練習期も含めると、数年。
掛け算もおおよそできるようになりました。
息子とのやり取りに
理解に苦しんだあの日が嘘のよう。
こうした息子との取り組みのなかで、息子が抱えるこの困難さを『障がい』の括りとして大きく捉えず、息子の性格や好み、特性による息子独自のものとして捉えられるようになってきました。
放デイの先生から「どんな小さなものでも、つまづきをメモしてみてください。共通項が見えてくるはずです。」と、基本的で具体的なスクリーニング方法を教えていただいたことも、息子を理解するにあたり大きく影響し、より息子に合う方法を探り出し、課題として取り組めているようにも思います。
つぎの目標は、実地でお小遣いのなかでお買い物ができるようになることです。
現在の息子は、お金と数に繋がりを見い出せないようで、いまのところお小遣いに対して欲しいものの値段が釣り合わずに苦しんでいますが。
つぎはどうやって教えようかな。
読んでくださり、ありがとうございました。