売れる営業マンと売れない営業マンの違い パート2
こんにちは、営業コンサルタントのダイキです。
今回は「売れる営業マンと売れない営業マンの違い」について、私が長年の経験から最も重要だと考えるポイントをお伝えします。
結論から言うと、それは「傾聴力」です。
売れる営業マンは、お客様の言葉を真剣に聞き、その奥にある真のニーズを掴める人。一方で、売れない営業マンは自分の話したいことばかり話す人。この違いが成績を大きく分けるのです。
なぜ「傾聴力」が重要なのか。そして、どうすれば身につけられるのか。具体例を交えながら解説していきましょう。
お客様は答えを持っている
多くの営業マンは「いかに自社製品の良さを伝えるか」に注力します。しかし、本当に大切なのは「お客様が何を求めているか」を知ることです。
お客様自身、明確に自分のニーズを言語化できていないことも多いのです。だからこそ、言葉の奥にある本当の欲求を聞き取る力が必要になります。
売れない営業マンの特徴
ここで、売れない営業マンの典型的な行動パターンを見てみましょう。
お客様の話を遮って自分の話を始める
質問されても的確に答えず、自分の言いたいことを話す
お客様の表情や態度の変化に気づかない
商談の大半を自分が話している
こういった営業マンは、お客様のニーズを正確に把握できません。結果、的外れな提案をして成約に至らないのです。
売れる営業マンの行動
対照的に、売れる営業マンはこんな行動を取ります:
お客様の話を最後まで聞く
適切なタイミングで的確な質問をする
お客様の言葉だけでなく、表情や口調の変化も観察する
聞いた内容を要約して確認する
つまり、常にお客様中心の姿勢を保ち、真のニーズを掴もうとしているのです。
ある時私が同行した、ベテラン営業マンBさんの例を紹介しましょう。
大手企業の購買担当者との商談で、Bさんはほとんど自社製品の説明をしませんでした。代わりに、こんな質問を投げかけました。
B「御社の業務で、最も時間がかかっている作業は何ですか?」
担当者「そうですね...データ入力に膨大な時間を取られています」
B「具体的にはどんな点が課題でしょうか?」
担当者「入力ミスが多いんです。それを修正するのに...」
...と、30分ほどお客様の課題についてじっくり聞き取りました。
その後Bさんは「弊社の製品は、まさにそのデータ入力の自動化に特化したものです」と説明。見事に商談をまとめました。
後でBさんに聞くと「お客様の言葉を借りて提案すれば、説得力が違います」とのこと。まさに「本気の傾聴力」の威力を実感した瞬間でした。
「本気の傾聴力」を身につけるには
では、どうすれば「傾聴力」を身につけられるでしょうか。
a) 「聞く」から「聴く」へ
相手の話を遮らない
相手の言葉をそのまま繰り返す
言葉の背景にある感情も読み取る
b) 質問力を磨く
オープンクエスチョンを多用する
「なぜ」を5回繰り返す
相手の言葉を深掘りする質問をする
c) 非言語コミュニケーションに注目
相手の表情、姿勢、声のトーンの変化を観察する
自分の態度にも気を配る(うなずき、アイコンタクトなど)
d) メモを取る習慣をつける
キーワードを書き留める
後で見返して分析する
e) 「待つ」ことを恐れない
沈黙を恐れず、相手の言葉を待つ
急かさず、相手のペースに合わせる
まとめ
「話す力」ではなく「聴く力」こそが、優秀な営業マンの武器なのです。
お客様の言葉に真剣に耳を傾け、その奥にあるニーズを掴む。そして、そのニーズに的確に応える提案をする。
この一連のプロセスを実践できる営業マンは、必ず結果を出します。
「傾聴力」は一朝一夕には身につきません。しかし、意識して努力を続ければ、必ず成長できます。
皆さんも、ぜひ明日からの商談で意識してみてください。きっと新しい発見があるはずです。
最後に、こんな言葉を贈ります。
「二つの耳と一つの口を持つ理由を忘れるな。聞くことを話すことの2倍行え」
エピクテトス(古代ギリシャの哲学者)
「傾聴力」こそが、お客様との信頼関係を築き、ビジネスを成功に導く鍵なのです。
今回のメルマガはいかがでしたか? 少しでもお役に立てたなら幸いです。
次回もお楽しみに!
営業コンサルタント ダイキ