オンライン投資読書会 第2回 レポート「アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書」(前半)
梅雨明けも近づく2020年7月19日(日)朝8時から、第2回のオンライン投資読書会を開催しました。ホストの私は、前日川崎フロンターレが横浜FCに勝った試合の興奮で睡眠不足。やや眠い目で定刻にZoomをOnしました。
今回参加してくださった方々
Aさん:第1回も参加。投資初心者。第1回の後で、ネット証券に口座を開設。こんなに手続きがいろいろあるなんて、と驚きがあったそう。
Cさん:第1回も参加。投資経験が長くて本もすでに色々読んだ上での参加。ご実家が自営業でお母さまから経営や投資について学ぶ機会があったことがCさんにアドバンテージを与えているようです。
Dさん:第1回も参加。投信などへの投資経験はすでにあり。3人のお子さんを持つ母親目線でも今回の課題本を語ってくれました。
Eさん:今回初めて参加。早期リタイヤをしたいという希望があるそうで「リタイヤしたら投資・預貯金で生きていくんやで」と、ホストの私が無理やり(?)読書会に誘いました。さて、彼の投資経験は?
課題本の感想:若い頃に読んでいれば・・・
今回の課題本は「教科書」というだけあって内容が多岐に渡り、一部しか読めなかった方も。投資だけでなく、個人のキャリア形成や借金の仕方、税金や社会保障まで広く浅くカバーしているので、一気読みはできませんね。
Aさん「第1回の課題本はノウハウ本だったのでさらっと読めたけど、これはきつかったです。特に、この本は若いころからお金に困らないようにキャリア形成や計画的にお金を貯める、使うというライフプラインニングが必要、という趣旨なので、それを若い頃から意識してこなかった自分を猛省してしまいました。その意味でも、きつかった」
Dさん「自分も、若い頃に読んでいればよかった本だと思いました。自分の子供にはこういうことを知っていてほしいと思うけど、今の若い人は意外にこの本に書かれているようなこと、例えば副業などを一部実践していたりするのでしっかりしていると思う」
私「新卒の時に副業をするのは、あまりお勧めできないですね。この本で言っているのは、自分の専門スキルを磨いて、本業の延長でする副業です。その方が効率よく、まともな方法で稼げます。若いうちは副業よりも、ポータブルスキル(勤務先が代わっても通用する技術)を磨く方がよさそうです」
ホストの私も、若い頃に読んでいれば!と痛感。その勢いで読んだ後に20代の姪にプレゼントしましたが、果たして読んでいるんですかねえ。
人生って「自分会社を運営している」ってこと。
読書メーターの感想文の中には「アメリカの話だから、一部は使えない」という意見もありました。参加者の皆さんはどうだったでしょうか。
Cさん「全体をさらっと読みましたが、なんとなく知っていることがきちんと整理されていた感じがします。自分で儲けて自分で生活していくことはつまり『自分会社』を運営している、という考え方です。親が自営業者で、バランスシートの考え方が自分の家計にも通用する話だというのは理解していたし、借金についても、ローンを組むことがどういうことなのか、とかは親が教えてくれました」
「第1章で『お金を社会に還元する』という部分があって、アメリカらしい考え方だなと。日本人はお金について語るのを嫌がるような風潮があるけど、アメリカではオープンにお金について語る文化がある。チャリティでもそうですが、お金があれば解決できる問題は社会にはたくさんあるので、オープンにお金について語ることが社会をよくするのかなと思います」
Aさん「日本では、お金について教えてくれる人がいない、学ぶ機会が少ないと感じます。Cさんの場合は親御さんが教えてくれたからいいですが、私の親はサラリーマンで、一生同じ会社に勤めれば老後も保障されるような昭和の人でしたから、転職なんてもってのほかという価値観でした。私は転職した時に、いままで自分が会社の制度にかなり依存していたということを実感し、もう少しお金のことを学んでおけばよかったと思いました」
私(ホスト)「この本を課題本にした理由は、日本の社会が一部はアメリカ的になりつつあるからなんです。この本に書いてある通り、アメリカでは平均の転職回数が10社程度と多い。レイオフだけでなく、給料を上げるために転職が普通になっているからなんです。それに、アメリカでは所得税の源泉徴収という制度がなく、勤め人も確定申告をするので、若いうちからお金の管理が重要になります。
日本でも、企業が競争力を維持するためにリストラが行われるようになっているし、確定給付年金は企業にとって固定負債になるので、確定給付型に切り替える動きが増えています。ゆりかごから墓場まで、一つの職場が担ってくれる時代は終わりつつあります。全部が全部アメリカ風になるとは思いませんが、これからは日本でもお金の自助努力がより大事になると思います」
Dさん「子供の世代は、すでにそれをわかっているようです。就職する時から同じ会社に一生勤めると思っている若い人はほとんどいないですし・・・」
課題本の内容は、本来なら高校生が一年かけて学ぶものなので、1時間半ですべてを語るのは無理があったようです。それでも、皆さんそれぞれの視点で語ってくださり、不慣れなホストとしては、大変助かりました。(レポートは後編に続きます。さて、そろそろEさんのお話も聞きたいな。)