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基礎のきそ:金融リテレシークイズ(9)投資の基礎を学ぼう

こんにちは。日米の証券アナリスト資格を持つだいだいです。前回の(8)ではリターンのばらつき(=リスクの高い投資)を克服する投資の大原則「長期投資」について学びました。投資期間が5-6年と短い場合には、株式への投資は全くおすすめしません。しかし、個人投資家には週単位や日単位などの短期売買が投資の極意と信じる人もいます。彼らはなぜそのような行動をとるのでしょうか?これから学ぶことを下敷きに考えてみましょう。

問11 生命保険会社や年金基金などが資金を「運用」する際に重視していることはなんだと思いますか?

複数回答もOKです。
ヒント:生命保険は契約者の平均推定寿命、年金基金は加入者が年金の支払いを受けるまでの平均の年数を「投資期間」とみなして運用を行っています。多くの場合、投資期間は10年以上の長期となっています。

A.  投資元本を絶対に減らさないこと
B.  投資対象資産と負債(将来の出費)までの年数を合わせること
C.  株式、債券、不動産、その他資産など、異なる資産を各々何%ずつ持つかの組み合わせ
D. 他の生保や年金の運用成績に勝つこと

問12 個人の資産運用にとって重要なのはなんだと思いますか?複数選んで、重要と思う順に並べてください。

ヒント:前回の「その(8)」で学んだことを思い出してください。

A. いつでも現金化できる資産を一定金額持つこと
B. できるだけ高いリターン(利回り、値上益)を目指すこと
C. (投資期間の途中でも)投資元本を絶対に減らさないこと
D. 将来の出費までの年数に合った投資対象を選ぶこと
E. 性格の違う資産を組み合わせること
F. 成長性の高い株式や投資対象国に配分すること
G. 景気や金利の変化に応じてタイミングよく売買すること

問13 サラリーマンが投資を始める時にいちばん参考にすべきなのは?

A. 書店でよく売れている投資指南本、マネー雑誌
B. 銀行や証券会社の営業員のお薦め商品一覧
C. 信頼できる友人や知人のアドバイス
D.  ツイッターなどSNSの情報(個人投資家のツイート)
E.  日経新聞などの経済紙
D. 勤務先が主催する「確定拠出年金セミナー」

問14 「リターン(投資収益率)」と「リスク(リターンのばらつき)について、正しいものを選んでください。

(複数回答もOKです)
ヒント:必要条件イコール十分条件ではありません。中学の数学の問題を思い出したかな?

A.  期待(予想)リスクが大きい資産ほど期待できるリターンも大きい
B.  複数の株式に等金額投資をすれば、株式という資産への投資のリスクはある程度低減できる
C. 同じリターンが期待できる資産の組み合わせなら、期待リスクが小さい方が誰にも適切なポートフォリオである
D. 株式より商品投資の方がリスクが大きいので、20年投資ができるなら余裕資金をすべて商品に振り向けるべきだ
E. 同じ期待リスクで期待リターンのより高い資産・商品が存在すれば、価格で調整されて期待リターンは同程度になる

問15 ある資産A、B、Cの過去のリターンを分析したところ、以下のような相関があることがわかりました。あなたは期待リターンの高いAを中心にポートフォリオを作るつもりですが、BとCのどちらを選んで組み合わせますか?

(BかCのいずれかしか選べない場合とします。相関係数はプラスで相関が強い、マイナスで逆相関とします。)

資産Bの資産Aとの相関係数は+0.7
資産Cの資産Aとの相関係数は-0.1

今回は計算問題がありませんでしたが、証券アナリストの勉強などでは、異なる資産間の相関係数の求め方も学びます。実際に手を動かした方が頭に入ると思いますので、余裕があれば適当なリターンの時系列を使って自分で相関係数を算出してみてください。

回答は2-3週間以内にNOTEで公表します。それではまた~(続き)

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