Twitchでのカラオケ配信はOKなのか
Twitchの「音楽に関するガイドライン」
https://www.twitch.tv/p/ja-jp/legal/community-guidelines/music/
にて、Twitch配信に含めてはならないものの例として「カラオケの実演」が挙げられていることから、Twitchではカラオケ配信(歌枠)がNGなのかと Twitter (現X) で話題になっていました。(2024/8/20)※元ポストは現在削除されています。
しかし、ここで例示されている「カラオケの実演」には“ただし、あなたが該当の音楽を所有している場合、または関連する著作権者からTwitchでの配信を許可されている場合を除く”という但し書きがついていることに注目してください。つまり、必要な条件をクリアしていれば配信を行ってもよいわけです。
カラオケ配信をするにあたって考えなければならない権利は二つあります。
(1)楽曲の権利
(2)音源の権利
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(1)楽曲の権利
楽曲の権利は(多くの場合において)JASRACが管理している権利です。その音楽を演奏してもいいか、歌詞がある場合はその歌詞を歌ってもいいかという演奏権が含まれます。従って、JASRACの許諾が得られているなら、歌い手は少なくとも「自身の演奏で歌う」ことや「アカペラで歌う」ことはできるわけです。
JASRACは「利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧」を公開しています。
https://www.jasrac.or.jp/information/topics/20/ugc.html
この一覧に Twitch が含まれています(2024年8月20日現在)。従って、Twitch配信でJASRACの管理楽曲を「自身の演奏で歌う」ことや「アカペラで歌う」ことは許諾されています。
とはいえ、アカペラオンリーで歌ったり、自分でピアノやギターを弾き語りする人だけが歌ってみた配信をするわけではありません。カラオケ音源を利用した「カラオケ配信」をやりたい場合、音源の権利についても考えなければなりません。
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(2)音源の権利
これは、いわゆる「カラオケ音源」を使ってもいいかということです。昔のシングルCDにはタイトル曲の「カラオケバージョン」や「Instrumental Ver.」が収録されていましたが、こういった音源を配信で流してもよいのでしょうか。
音源は音源で権利者が存在するので、その音源の権利者が使っていいよと言っている場合に限り使ってもいいことになります。例えば、カラオケ音源を耳コピで自作してYouTubeにUPしている作者さんが「歌枠にご利用ください」と概要に書いてくれている場合はありがたく使わせてもらいましょう(その曲の(1)楽曲の権利 の許諾が得られている場合に限ります)。ピアプロにはボカロ楽曲の "off vocal" 音源が数多く投稿されていますが、ピアプロの規約に従って、投稿者の設定したライセンス条件に同意すれば使えるようになっています。
J-POPのカラオケ音源といえば YouTube「カラオケ 歌っちゃ王」が有名です。歌っちゃ王は音源利用に関するガイドラインを公開しています。
https://tomomusic.co.jp/utachaoh/aboutuse.html
このガイドラインでは、「一般個人が動画投稿・ライブ配信をする限りにおいては手続き不要・無償」と明記されています。よって、
(1)楽曲の権利をクリアしている楽曲の、
(2)歌っちゃ王のカラオケ音源を利用しての
Twitchカラオケ配信は可能です。
利用にあたっては、チャンネルの概要欄をよく読み、注意事項を守りましょう。
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JASRAC以外の事業者が管理する楽曲について
(1)楽曲の権利 の項で、JASRAC管理楽曲はTwitchでの利用が許諾されていることが分かりました。しかし、全てのアーティストがJASRACに音楽著作権の管理を委託している訳ではありません。音楽著作権管理事業者はJASRACだけではないのです。
利用したい楽曲がJASRACの管理楽曲であるかどうかは作品データベース検索サービス J-WID で調べることができますので、検索してみましょう。
https://secure.okbiz.jp/faq-jasrac/faq/show/231?category_id=115&site_domain=jp
JASRAC以外の事業者が管理している楽曲についてはどうでしょうか? エイベックスの楽曲は傘下企業である「NexTone」が管理しているケースが多いようです。
NexToneは「利用契約を締結している動画配信サービス一覧」を公開しています。
https://www.nex-tone.co.jp/copyright/users/int.html
この一覧には Twitch が含まれていません(2024年8月20日現在)。従って、Twitch配信でNexToneの管理楽曲を使うのは現時点では控えたほうが無難であるように思われます。
YouTubeやニコニコ動画は一覧に記載がありますので、NexToneの管理楽曲のカラオケ配信をしたい場合はそれらの配信サイトで公開しましょう。YouTube等を利用する場合も、念のため個々の楽曲の著作権管理状況を作品検索データベースで確認すると万全です。
免責事項
全ての記述は 2024年8月20日現在 の情報です。
本記事の内容は、法律の専門家ではない一般ユーザーが調査した結果ですので、もし情報に誤りがありましたらご容赦願います。重大な誤りについてはご指摘をいただけたら修正しますのでお気づきの方はご一報ください。
実際にカラオケ配信を行うにあたっては、必ず各サイトの規約・公式ガイドラインをご一読ください。