Webマーケターを育てる立場になったので、改めて「施策のシミュレーションは必要かどうか」について考えてみる
はじめに
最近こんな記事が私のTwitterタイムラインに流れてきました。
この記事の内容と似たようなことを最近トレーニーに喋ったので、タイムリーだったこともあり非常に共感しました。
また、この記事の筆者さんはデータ分析側の方のようで、私はどちらかというと施策を起案する側の人間なので、全く違う方向から同じことについて考えを述べたら面白い記事が書けるのでは?と思い記事を書きます。
この記事では、施策の効果測定は施策を実施する前から始まっているということが述べられています。
私も同じ認識を持っており、この問題は施策のシミュレーションを施策実施前に作成することで避けられる問題であると考えていますので、この記事ではシミュレーションを作成することについて述べていこうと思います。
ところでシミュレーションについて、よくこういう会話がありませんか?
「シミュレーションをしても、やってみないとわからないことが多いから意味がない。」
「下手にシミュレーションしたら、それがコミットメントになり、全く違う結果になったとき、上に説明するのが面倒臭い。」
非常によくわかります。
私も同じようなことを考えていた時期がありましたし、私が受け持ってるトレーニーくんも同じようなことを考えていました。
おそらく過去にそういう経験をしたのでしょう。
シミュレーションを提出して、結果大外しをしてしまい、上司からキツい詰めを喰らったりしたのでしょう。
ですが、私の意見は
「施策を実施する前にシミュレーションはやった方が良い」
です。
しかも「頭の中でやる」はNGです。
頭の中でシミュレーションすると曖昧さが残ったり、施策実施後に詳細を覚えておらず、振り返りが十分にできなかったりします。
なので、必ずエクセルやスプレッドシートに、記録として残すことを推奨します。
スプレッドシート(エクセル)上では、なるべく関数(四則演算)を使って表現しましょう。
関数を使うことで、数字の因果関係も記録として残ることになるので、振り返りのレベルを担保することができるでしょう。
シミュレーションをするとわかること
シミュレーションを作ると、以下のことに気が付くと思います。
こんなところでしょうか?
シミュレーションとは別の話になりますが、仮にシミュレーション通りの結果が出たとして、その結果をもってして次にどうするか?までイメージできれば合格点であると私はトレーニーに伝えています。
上記のことに気が付くことで、担当者には次のようなメリットが生じます。
シミュレーションをするメリット
実際に私が考えるメリットは以下です。
1.施策の理解度/成功確率アップ
施策のKPIに対する理解が深まるので、以下のような状況を避けることができます。
このような状況を避けることができます。
実際に手を動かしてシミュレーションをすると、無理のある改善幅を期待していたことや、自分のロジックに矛盾があったなどのことに気が付くことができます。
また、施策を実施する前にわかってもどうしようもないものあれば、施策を実施する前に対策を立てられるものもあります。施策実行の進捗中に起こりうる問題があらかじめ想定されており、対策が立てられていれば、施策の失敗確率を押し下げることが可能です。
また一方で「施策を実施する前にわかってもどうしようもないもの」がわかってもどうしようもないと感じる方もいるかと思いますが
シミュレーションの結果「実施する意味がないとわかった」も十分なシミュレーションの成果です。
「初速時点で失敗するとわかり、早々に施策を中止して次の施策にとりかかった」も成果です。
「施策をやること自体に意味がある」もしくは「最後まで粘ることに意味がある」ような世界線で仕事をしているのであれば、これらは成果にならないかもしれません。
ですが、数字を改善(KGI/KPIを達成)することに意味がある世界線で仕事をしているのであれば、これらは十分な成果と言っていいでしょう。
2.施策の優先順位の再確認
シミュレーションの結果、KGIがどのくらい改善できそうか?の期待値が算出できます。
とすれば、この施策が他の施策と比較して、どのくらいの重要性を持っているかの比較が可能になります。
比較の結果、「今やるべきでない」と判断することもあると思いますし
「思ったより改善幅が高く、なるべく早く実施することで目標到達に近づくことができる」場合もあると思います。
施策がうまくいくうまくいかない、という話ではなく、あなたのミッション達成にどのくらい貢献するか?という視点で考えることで、あなたの仕事を楽にすることができるでしょう。
3.担当者自身の成長のため
シミュレーションを作成するには以下のことを予想しなければなりません。
そして、振り返りでは否が応にも、この予想の答え合わせをするハメになります。
答え合わせをすることで、以下のような学びが得られます。
「この施策では、このくらいの指標変化を起こせるんだな」
「この施策では、この指標が変化するんだな」
これらの学びを積み重ねることで、シミュレーションの精度やスピードが向上していき、結果的に施策の成功確率とスピードが上がっていきます。
また得た学びから新たな施策を策定できる場合もあるでしょう。
振り返りができないと施策から得られる学びが少ないので、施策のネタ切れがしばしば発生しますし、成功確率を上げられなければ、ただただ"くじ引き"を引き続ける担当者となります。
シミュレーションをするデメリット
デメリットも、もちろんあります!
こんなところでしょうか?
1.施策の実施スピードが遅くなる
シミュレーションをするよりも、しない方が施策の実施スピードは上がります。
作業が一つ増えるので当然ですね。
スピードを取るのか?成功確率を取るのか?のトレードオフなので、ケースバイケースで判断すべきかと思います。
2.シミュレーションがコミットメント化して諸々の制約を受ける
例えば、シミュレーションを上長に提出してしまうことで、コミットメントとして捉えられて、結果に乖離が発生すると説明責任を果たす必要がでてくる場合などがこれに当たります。
これの対応は簡単です。
上長を説得しましょう。
シミュレーションはコミットメントのためではなく
にやっているとちゃんと説明しましょう。
これが理解されないならば、シミュレーションを提出しなければいいです。
シミュレーションを提出しないといけないルールがなければ、提出しなくていいと思います。
ですが、シミュレーションの意図が理解されたとしても、説明責任を求める上長もいらっしゃるでしょう。
それは説明責任を果たせてないあなたが悪いです。
施策を実施して想定と違う数字がでた場合はシミュレーションをしているしていないに関わらず、説明責任があります。
ちゃんとシミュレーションしたのであれば、結果を大きく外す可能性は少ないと思いますし、説明できないKPIの変化をシミュレーションに入れていたりしない限りは基本的に説明できるはずです。
なので、このデメリットは基本回避できるはずです。
3.誤ったシミュレーションにより機会損失を喰らう
算出したシミュレーションが大きく誤っていて、施策の優先順位を間違えてしまうパターンです。
これはシミュレーションをするしないに関わらず発生しますので、気にする意味がないです。
無視しましょう。
まとめ
この記事に書いてあることは私個人の見解です。
webマーケターのひよこさんたちはこの記事を鵜呑みにせずにトレーナーの指示に従ったほうがよいと思います。
ですが、この記事に納得したのであれば、自分の成長のために業務外でシミュレーションを算出するのは個人の自由なので、自分のキャリアプランやプライベートも加味して考えて動きましょう。
ということで、シミュレーションを作成すべきかしないべきかのお話でした。
筆者であるdaichiは稀にこういったことを発信しています。
また、個人で企業のwebマーケティング支援などを行っております。
webマーケティングの戦略策定や、広告運用、webアクセス解析、トレーニーの教育など幅広く請け負っておりますので、興味のある方はTwitterのDMでご連絡お待ちしております。
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おしまい。
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