
【BEYOOOOONDS】#1「Do-Did-Done」を英語講師が解説してみた。
きっかけは、とあるポスト
BEYOOOOONDSの新曲「Do-Did-Done」が英語にまつわる曲だとして、英語講師の私も薄々興味を持っていました。
ですが、どうせ英会話に毛が生えたくらいの楽曲だろう…と、当初はそのくらいのレベルだと思っていました。
BEYOOOOONDSには、例えば算数にまつわる楽曲、理科にまつわる楽曲というふうに、科目に関する楽曲が存在します。
しかしながら、そんな際に知り合いのフォロワーさんが、以下のように投稿しているのを見つけてしまうのです。
ええと、そこは仮定法過去じゃなくて仮定法過去完了じゃないかな。反省会終了。
— グルーナ (@viscountgruner) November 18, 2024
「仮定法過去」、「仮定法過去完了」となると、高校生の内容です。
しかも結構、難しい。
旅人算(小学生)やフックの法則(名称自体は中1理科で登場)とは、レベルの違いを感じました。
アッシも本気出さんとな。
これが、重い腰を上げて、今回久々にnoteを更新したきっかけです。

レベル0(小学生) そもそも「Do-Did-Done」って何?
このレベルの人は私のnoteにはいないと思いますが、一応。
※高校生以上の方は、別記事のレベル2からお読み下さい。
まず、英語に限らず、言語には動詞と呼ばれる、「うごき」を表す種類の単語が存在します。
例えば、「走る」、「食べる」、「見る」といった単語。「〇〇が〜〜する」の「〜〜する」側に相当します。
これらを動詞と呼びます。
そして、動詞は形を変えることで、現在のことや、過去のことを表現することができるのです。
例えば、「食べる」という行動が昨日の出来事であれば、昨日=過去ですから、「食べました」となるわけです。
さて、話を英語に戻しましょう。
英語では、動詞の中に、「原形」、「過去形」、「過去分詞」という形を含みます。
それぞれがどんなものかは、中学校の内容を学び直してもらうとして、これらを覚える際には、3つをまとめて覚えるのが有効的なのです。
例)食べる「eat」
eat-ate-eaten
「食べる」という意味の英単語は「eat」ですが、これは原形となります。
おおよその場合、現在で用いられる形ですので、文章内で「eat」という単語を見つけたなら、「(今)食べます」と訳しておけばいいのです。
では、「(過去に)食べました」だとどうなるのかというと、「eat」の過去形である「ate」を使います。
これまた同じく、文章内で「ate」という単語を見つけたなら、「(過去に)食べました」という訳にしておけばいいのです。
ここに過去分詞の「eaten」を加えて、
eat-ate-eaten と覚えるのです。
do-did-done 「do」の意味
勘の良い方はお分かりでしょうが、これは「do」の「原形」、「過去形」、「過去分詞」をそれぞれ言っているだけなのです。
「do」の意味は「(今)する」なので、「did」は「(過去に)した」と訳します。
過去分詞は、使い方によって様々な訳出となりますが、ひとまず「する」系なのだと思っていて下さい。
例えば、「do」、「did」、「done」の後ろに「homework(宿題)」という単語があれば、宿題をする、した的な意味になると思っていればいいです。

レベル1(中1) 規則動詞と不規則変化
不規則変化するよ 毎日 (Do-Did-Done)
どんどん行くぞ 過去・過去完了 (Do-Did-Do-Did-Done)
あと何度 立ち止まんの?
思い出話は またいつの日か
1番の歌詞で不規則変化という言葉が出てきます。
これは、英文法を考える上での専門用語です。
英語の動詞には、原形から過去形に書き換える際に、「ed」を付けるだけで過去形になる「規則変化する動詞」があります。
※規則的に変化するので「規則変化」といいます。
例えば、以下のようなものが規則変化する動詞となります。
・play → played (遊ぶ → 遊んだ)
・study → studied (勉強する → 勉強した)
・stop → stopped (やめる → やめた)
しかしながら、「ed」を付けるという分かりやすい変化ではなく、全く別の単語になるというパターンもあり、それを不規則変化と呼ぶのです。
例えば、以下のようなものが不規則変化する動詞となります。
・go → went (行く → 行った)
・see → saw (見る → 見た)
・teach → taught (教える → 教えた)
「Do-Did-Done」タイトルに込められた願い
では、do-did-doneはというと、これは不規則変化となります。
BEYOOOOONDSの楽曲「Do-Did-Done」には、生きていく中で、単純に分かりやすく変化するということを「刺激のないつまらない日々」という意味で規則変化と表現しており、対する不規則変化のように、予想もつかないように生きていきたいという趣旨のことを歌っているのだと読み取れます。
少し余談ですが、「原形」、「過去形」、「過去分詞」が変化しない動詞も存在します。
代表的なところでいうと、切るを意味する「cut」でしょうか。
cut-cut-cutとなり、動詞部分だけでは、現在のことなのか、過去のことなのか判別できない動詞となります。
このような動詞は、規則変化なのか、不規則変化なのか…。
答えは不規則変化です。
なぜなら、ここでいう規則=約束は、「過去形にする際は『ed』を付ける」だからです。
変化しないという不規則な変化であるがゆえ、これは不規則変化の部類となります。
重箱の隅を突くようですが、代わり映えのない日々、つまり語形を変えない(「活用しない」といいます)という変化はむしろ不規則変化なので、一部そのような単語の場合だと、本曲の「不規則変化=次に待っている未来は分からない」には沿えないのかな、いやそれもそれでアリかななどと、英語マンとしては考えてみたりするところです。
レベル2(高1) 高校文法のイロハが歌詞に詰まっているんだぞい!
さて見出しは打ち込んでみたものの、長くなりそうなので、ここから先は別記事にしたいと思います。

ここまで、ありがとうございました。