米雇用統計の衝撃、ゴールドの今後の行く末は?

前回のライブ配信ではゴールドの今後の見解が欲しいと多くの方からの要望を頂きましたので、今回noteで公開しています。

今回の雇用統計発表は予想を大きく上回る大幅な上昇となりました。

つまり、大幅な上昇ということは、為替や株など、投資全体に対して広範な影響を見せていきます。

正直多少の結果のずれであれば、そこまで警戒する必要はないですが
大幅な上昇の結果だったため、今回の雇用統計の結果を理解しないと、今後のトレードで利益を出すことは非常に難しくなってしまいます。

だからこそ今回noteで皆さんに公開しているので、10月大きくプラス収支で終えたい人は最後までチェックしてください。

ちなみに前回の雇用統計の予想についてのnoteも配布しているので
そちらもご覧ください。

では解説していきます。

雇用統計の結果

まずは結果を振り返りましょう。

雇用統計の結果は、予想を大幅に上回りました。
総計で25.4万人の新規雇用が追加され、失業率は4.1%に低下しました。
特に、飲食業で6.9万人の雇用が増加し、ヘルスケア業界も引き続き好調でしたが、製造業では7千人の雇用と減少しました。

そして今回の結果だけではなく、過去直近3か月の結果も振り返ってみましょう。

過去3か月の雇用者増加数

7月からは前回値よりも上回る結果が2か月連続で続いており
失業率も改善しつつあります。

実際のところ今回や過去3か月の結果だけを見るとアメリカの経済は堅調と言えるくらいの結果になっていますが、実はそうではありません。

ピックアップすると2つ理由があります。

①コロナ不況回復直後よりも雇用者数は減少

左軸:失業率 右軸:非農業部門雇用者数

コロナのパンデミックは2020年3月となっており、その後1年にわたり、大不況が襲いました。
ですが、不況回復後の2021年6月には非農業部門雇用者数は90万人を超えていました。
ですが、上の表を見てもわかる通り、現在の雇用者数はコロナ不況回復直後と比べると、それよりも少ないことがわかります。

そのためアメリカの経済は右肩下がりになっています。
一部分だけ切り取ってみると、どうしても良いように見えてしまいますが、数年単位で見ると経済は緩やかに縮小していると言えます。

②一時的な雇用の増加

ここ直近の3か月の雇用者数は前回値をすべて上回っていますが、今回のみ大幅な雇用者の増加になっています。
つまり、0.5%の利下げをしたにも関わらず雇用者数が増加しています。
これは利下げをしたことにより企業のお金が一時的に回るようになったことによる影響です。

利下げをしたら雇用者が減少すると思っている方が多いでしょう。

ですが、今は利下げをしたことによって、一時的に企業の金のめぐりがよくなっているということもあり、一時的に雇用者が増加していると見れます。

そのため、今後経済が縮小していく過程での一時的な雇用者の拡大になっているだけなので、米経済は全体的に縮小に向かっていると言えます。


FRBとしての雇用統計の結果


今回雇用統計の結果は大きく上昇を見せましたため
市場の予想としては
「FRBの政策金利は間違っていたのか?」
こう考える人も多いと思います。

ですがソフトランディングを目指しているパウエル氏の考えは違います。

※ソフトランディングとは・・経済が過熱しインフレが進む中で、中央銀行が金利を引き上げ、景気後退を避けつつインフレを抑制する政策を指します。
このプロセスでは、経済成長を緩やかに減速させ、深刻な不況を回避することが目指されます。

パルエル氏は緩やかな経済の拡大、縮小を求めています。
反対に急激な拡大や縮小は求めていません。

今回の雇用統計でもし予想値を下回ることがあれば、雇用の縮小があまりにも加速していることになってしまい、パウエル氏としては、予想外の結果になってしまっていました。

ですが、予想値通りかそれ以上の結果であれば、パウエル氏としては想定通りの結果になっていると言えます。

9月の雇用統計をはじめ、先週の雇用関連指標が総じて労働市場の堅調さを示したことは、アメリカ経済のソフトランディング期待をさらに高める要因となりました。

雇用統計を受けた利下げ観測

そして今回の雇用統計の結果を受けて利下げ観測は後退しています。

9月末時点の次回の利下げ観測に関しては、11月の利下げ幅は0.5%が過半数を占めていましたが、今回の雇用統計を受けて、利下げ観測は後退しており、0.25%の利下げが94%、据え置きが5.9%となっています。

そのため、ゴールドは先月のような急激な上昇、というよりは、緩やかに上昇していくことが予想されます。


今後のゴールドのシナリオ


現在のXAUUSD 1時間足

現在のゴールドのチャートはほとんどレンジのような動きをしています。
今回の雇用統計を受けてもオレンジのレンジ相場の底の2632を抜けることはなく、レンジの範囲内で推移しています。
そのため、ゴールドは底堅い相場となっています。

また三角持ち合いにもなっており、チャートが少しずつ収縮していっており、しばらくはレンジ相場の範囲内で推移していき、ファンダの要因で上に抜けていきます。

テクニカルで見たとしても、今はロング一択の動きをしています。

またファンダメンタルの要因としても今回取り上げた雇用統計などの米経済の縮小以外でも、中東情勢も悪化しつつあります。
そのため中東を支援しているアメリカが不安定になる要因になります。

他のマクロ経済要因を見てもゴールドが下がる要因は全くなく、上がる要因しかありません。
そのためゴールドはファンダメンタルで見ても、テクニカルで見ても『ロング一択』です。

ゴールドの上昇トレンドは引き続き続きていきます。
この上昇の波に乗って10月は大きく利益を出していきましょう。

※ゴールドに影響を与える中東情勢についてまとめたnoteも配布しているので是非ご覧ください。



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