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なぜ旅は人を育てるのか


海外を旅できる環境が戻ってきた

ここ3年間、シェアハウスで暮らし、東京からでることも少なくなっていた最近。旅をする感覚から遠ざかっていました。

なにをするでもなく、ふらふらと一緒に海外を旅した友達との関わりも薄れて、年に1度会うかどうか。

「しばらく旅はもういいかなー」なんて思っていた矢先に旅人育成企画タビイク復活のニュースが。

コロナ襲来当初、高校生だった人は海外を冒険しないまま大学生活も後半にさしかかり、当時の大学生は行きたかった海外にいく機会を奪われて社会人になりました。

そんな人達にとっては2023年の夏は、海外にいくにはもってこいのタイミングになったんじゃないでしょうか。
いい時期にタビイク復活のニュースを聞いて、嬉しくなりました。

20歳でタビイクに出会って6年間。20代前半の多くをタビイクとともに過ごしてきました。タビイクの代表(たくと)が住む愛媛の島にひょいと居候させてもらったり、ヒッチハイクで国内を転々とした生活を振り返ると、我ながら人生の歩み方のフットワークの軽さはピカイチだと思います。

はぐくむのメンバーはデンマークのスタディツアーにいくということで、タビイクの引率として久しぶりに関わらせてもらえることになったこの夏。

ドキドキ・ワクワクのタイ約8回目(渡航回数は忘れた)。

タビイクとは


は人をてる
人をてる
行く

とい3つの意味をあわせてタビイク。
今でこそ通信環境は良くなり、情報も手に入り、安全・快適・便利に旅ができる時代になりましたが、タビイクのスタイルは、従来のバックパッカー。(もはや最近バックパッカーってあんまり聞かない…)

キャリーケースは家において、スマホを投げ捨て、ゲストハウスは予約せず!とにかく現地をその目でみて、足をつかって一次情報を集めながら旅をします。

初めまして同士、中には初海外の人も一緒に、最大12人で5日間をともに過ごします。

一人旅ができるようになることを目的とした企画なので、【脱】安全・快適・便利で、めちゃくちゃ非効率に思えます。引率は便利な情報を何も教えてくれません。(大丈夫です、ちゃんと観てるしサポートします。)

タビイクでは
与える知識は極力最小限に。でも、考える機会を最大限作ります。
失敗しない方法を教えるわけじゃない。でも、ピンチを脱出する力を身につけます。

旅を通じて、スマホの画面とにらめっこする時間が減り、現地の人とたくさんコミュニケーションをとる。時刻表をみなくても乗れる日本の電車はさておき、どうにかこうにか行き先をタクシーの運転手に伝える。

非効率だけど、温度感のある人とのやりとりを経て、その国の何かが自分にとって大切なものに感じられる。
大切ななにかがあると感じられるその心が広がっていくさきに、世界がちょっと平和になるんじゃないか。そんな願いをもって続けてきた旅企画です。

この夏は参加できなかった人も、興味があれば年末年始、来春にぜひ。

旅の魅力

「あなたにとって旅の魅力ってなんですか」

何度も受けた質問です。

今のぼくなりの答えは、いつも通りがひとつもないこと。

言語、文化、マナー、食べるもの、空気や匂い、寝るところや1日の過ごし方。なにもかもが、いつもと違う。
当たり前の日常になると、思考することを放棄してルーティンをこなし、1日が終わる。今日はどんな日だったか振り返る中身もなく日常が過ぎていく。

そして、無思考になっていることにすら無自覚になっていく。

旅はそんなルーティンの日常から開放してくれる、そんな機会だと思っています。

特に海外に来ると、待っていても事が進まないことがたくさんあります。
泊まるところも、何を食べるかも、どこに行くかも、すべて能動的なはたらきかけによって旅が進みます。

せっかく海外にきたんだから。を言い訳にして、いつもの自分だったらやらないチャレンジをさせてくれるのも旅の醍醐味です。

なぜぼくがタビイクの引率をするのか

by LIFE DESIGN SCHOOL

突然小難しい話になりますが、経験学習サイクルというモデルがあります。
人が学ぶプロセスを体系化したものです。

経験学習サイクルには「経験」→「内省」→「概念化」→「実験」と4つの観点があります。

経験:行動して体験したこと
内省:思ったことや感じたこと(うれしい,悲しい,楽しい,ドキドキする)/気づいたこと
概念化:自分なりの〇〇説を作って、他の出来事にも応用できる理論にする。
実験:概念化した〇〇説を活かして次の行動を試してみる。

例えばこんな感じ
【経験】トゥクトゥクの客引きに断れず割高価格で乗ってしまった。
【内省】本当はバスで目的地を目指したかったからちょっと残念。ソワソワして自分の意見を言わなかったから客引きの人も強気だったのかもしれない。
【概念化】やりたいことがあるならまずは自分から意志を表明したほうがいい説。
【実験】次は、道行く人に「〇〇へ行くバスはどれですか?」って聞いてみる。

旅をすると、経験と実験の機会がめちゃくちゃたくさんあります。
それはもう意図しなくても向こうからたくさんやってきます。

タビイクはこの経験と実験をたくさんしてもらう機会あり、そこから人生に活かせる学びになるように内省と概念化のサポートをするのが引率の役割だと思っています。

①ルーティンの日常だけを送っていると、経験の機会が少ない。
②たくさん経験してるのに学びが少ない場合は、学び方の観点が分かっていない。

①と②のどちらもを補完できるのがタビイクという企画と、引率という存在の価値です。

経験学習サイクルを回せるチャンスがたくさんあることが、旅が人を育てると考える理由です。

この5年間、ぼくははぐくむを通じてコーチングや場作りをひとつの仕事として磨いてきました。
タビイクの引率をはじめて8年。やっと引率として自分が出せる価値を見出しつつあります。

今回のタイも、素敵な物語がうまれる味わい深い旅になりました。

旅を通じて、自分の生き方を見つめ、願いとともに生きられる人の力になることが、ぼくにとってのよろこびです。

タビイクに参加してくれて、一緒にタイを旅してくれた人、ありがとう。
そして、タビイクに関わらせてもらってありがとうございます。

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