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第87号 「デジタル脳」によるうつ病治療の可能性、マインドアップローディング実現の条件と必要なテクノロジーは何ですか?
// 2023年7月30日 第87号
// 1. 今週の注目ニュース:「デジタル脳」によるうつ病治療の可能性
// 2. 質問コーナー:マインドアップローディング実現の条件と必要なテクノロジーは何ですか?
こんにちは、東京大学で医師かつ脳や人工知能の研究をしている紺野大地です。
Brain Machine Interfaceの父Miguel Nicolelis先生が研究所を設立する、とのニュースがありました。
なかでも、非侵襲BMIに注力するという点が興味深いです。
詳細は近日発表のようですが、いずれは全大陸にブランチを作りたいとのことでスケールが大きく、Nicolelis先生の1ファンとしてとても楽しみです。
Brain Machine Interfaceの父Miguel Nicolelis先生が研究所を設立する、とのニュース。
— Daichi Konno / 紺野 大地 (@_daichikonno) July 13, 2023
非侵襲BMIに注力する点が興味深いです。
詳細は近日発表のようですが、いずれは全大陸にブランチを作りたいとのことでスケールが大きい!
1ファンとして、とても楽しみです。 https://t.co/yDWuYuOfkD
では、今回も始めていきましょう!
1. 今週の注目ニュース:「デジタル脳」によるうつ病治療の可能性
今回取り上げるのは、
「脳のデジタルツイン(Neurotwin)を用いることで、うつ病を治療できる可能性がある」ということを提唱した論文です(2022年7月)。
「脳のデジタルツイン(Neurotwin)」を用いることで、うつ病を治療できる可能性があることを提唱した論文(2022年7月)。
— Daichi Konno / 紺野 大地 (@_daichikonno) July 19, 2023
うつ病患者のどの脳領域をどう刺激すれば、脳状態を健常者に近づけられるかをシミュレートしている。
Neurotwinは、非常に有望な方向性だと思います。https://t.co/uBHghwbX8i pic.twitter.com/B2Wx5ga0Wr
「Neurotwinの医療応用」は、とても楽しみな分野であり、個人的にも非常に注目しています。
まず背景から見ていきましょう。
背景
この研究は、脳のデジタルツインに関連する研究・プロジェクトである「Neurotwin」プロジェクトの流れを汲んでいます。
Neurotwinプロジェクトは、「脳のデジタルツイン」を作成することで、アルツハイマー病などに対する最適な脳刺激方法を導き出すことを目標としています。
"Neurotwin"という非常に興味深いプロジェクトを見つけました。
— Daichi Konno / 紺野 大地 (@_daichikonno) April 12, 2022
「脳のデジタルツイン」の作成により、アルツハイマー病などに対する最適な脳刺激方法を導き出すという。
来年から臨床試験を始めるとのことであり、これは目が離せません。https://t.co/2h0yWru0Bn pic.twitter.com/l13rQ3qHIT
Neurotwinプロジェクトの成果の1つとして、
「全脳モデルを利用して覚醒状態と睡眠状態をスイッチさせる脳の刺激方法を予測できた」という論文が2019年に発表されました。
全脳モデルを利用して「覚醒状態と睡眠状態をスイッチさせる脳の刺激方法」を予測できた、という論文。
— Daichi Konno / 紺野 大地 (@_daichikonno) May 9, 2022
「覚醒と睡眠のスイッチ」だけでなく、
・精神疾患の脳状態→健康な脳状態
・高齢者の脳状態→若者の脳状態
などに応用しうる、大きな可能性を秘めた研究だと思います。https://t.co/6OfvqAX0n3 pic.twitter.com/bFAQIWV6OG
上記の論文では、「覚醒状態と睡眠状態をスイッチさせる脳の刺激方法」をシミュレーションしていますが、今回の研究はこれを「健常者とうつ病患者の脳状態をスイッチさせる刺激方法」の探索に応用した、という内容となっています。
なお、Neurotwinプロジェクトは以前BrainTech Reviewで2号にわたって詳しく取り上げたので、興味がある人はぜひご覧ください😊
以下で、今回の研究の方法と結果を見ていきましょう。
方法・結果
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