令和2年12月22日、「徒労」
丈夫な鉄パイプなんかを叩いた時の反響音。
それらが聞こえないのは、柔すぎるからか。
反響音は内部からか、いや外装か、なんて議論するつもりはないんだが。
いやというほど徒労に感じられる日々が続くのは、わかりやすく言えば、コロナによって手足を縛られているような、そんな感覚なのだろう。
今年4月、ライブハウスへ給料の半分を支払ってはや8ヶ月経とうというのに、未だに進歩がない。
不甲斐なさを気づくには、打ちのめされる必要があるなんて、思ったりもするけれど、まぁそれはあながち間違いじゃない気がするな。
自分のやれる限界を突き詰めて、それ以上を見たいが為のお休み期間だったのに、曲を書いて、PCまわりを整えたぐらいで止まってしまっている。
あげく、そっちの編曲作業なんかはとてつもなくおっくう(いや、苦痛、とかでもないんだけど分からないことが多いという意味で)
なかなかどうして、自分の不甲斐なさを実感するには十分過ぎる要件だったね。
「大丈夫だよ、」という言葉は、言われもない悪口の次に欲しくない言葉だ。
他人からの安易な大丈夫だよ、よりも。よっぽど激励の方が心に届く。
まぁ、世の中ではそいつを甘えって呼ぶのかもしれないけども。
いろいろ思ってうーうー唸りながらの日々はちょうど何もかもが終わっていた2年前と似ている。
夜は眠れず、朝になり、着たくもないスーツに身を包み、ヨイショヨイショと通い出す。
一人暮らしが悪かったのか。それとも、ハードワークのせいだろうか。
よくわかっていないのだが、まぁ概ね仕事のせいだろうな。
上司に対して嫌悪した。
成長したいけれど、権力闘争みたいな薄汚れた温床を感じて寒気がした。
何より、身動きのとれなくなる自分に、ちょっとだけ納得してしまう自分に吐き気がした。
みんな、何者かになりたいんだろう。
そんな事考える必要もなく、言葉に、顔に、行動に溶け出していた。
それが社会だ。
それが僕のみていた当時の世界観だった。
わかりやすく言えば、成り上がり思考の自称ハイスペと、納得はしないが働くのが常識だと思い込むことに必死な会社員。
んー、ー、どっちも嫌いだ。
また、どちらかにならなくてはならないのか、と思う選択肢の取れない自分にも同時に嫌悪した。
世の中の明るい部分をしっかり見つめて生きていける人は、なんて素晴らしいんだろうと思う反面、まぁ、運がいいんだね。と思わないわけではない。
所詮、あらゆることが暇つぶしで、あらゆることが運なのだ。
なんでアイツがなんて思う必要なんてない。
まぁ。当時の僕はそんなことを思う必要もないくらい外界とは謝絶されていたと思う。
なぁ〜んて難しい人間だろう、なんて、まぁ、今更気づいたわけでもないんだけど。
話を戻すが、そんなどうしようもない事にひーこら言っていたメンタルに少し染まっているのが今現在だというわけだ。
それは繰り返すが、コロナのせいなのだろう。
昨晩、一緒に住むイタリア人と自分の中で大切なものの話をしたら「健康」「精神の安定」という話がでた。
いろんな場面で話しているのだが、現代病の代表は「精神的病」だと僕は確信している。
物が増えた分、多様な価値観に溢れ、それらを決めかねる人々が遅れているかのような錯覚に陥る。
現代のこう在らねば!は常に形を変えて、何が1番正しいんだがよくわからない。
選択肢の豊富な自由よりも、選択肢が限られた不自由の方が実は幸せなのか?🤔と思わされるがそこは専門家にお任せするので僕はあくまで想像から抜けない。
ただ間違いなく言えるのは、心が病む事が目に見えて多くなった。
先天性と割り切れれば良いが、後天的な出来事が大きく左右してくることもなんとなく周りを見ていると思う。
結局、心の迷いは消えないし、焦燥感は絶えず訪れるのだ。
苦しいからどうにかしたい。
と、諦めて受け入れてしまえば、僕ほど怠惰な人間はいつ過去を見つめて言い訳してしまうか、
それはちょっとだけ、怖い。
ジジイになっても輝いていたい。
自分の生き方に嘘ついて生きていたくない。
そこはある意味カッコ良さなんかよりも重要で、
心の迷いにすらも正直でありたいと思う。
嫌なのは、とにかく決まった価値観での理論武装。
ジャンルも歩幅も違う人間が、世の中のサクセスストーリーままに語らう事。
やはり、そこからは抜けないといけないのだと思う。
きついが、
わかりやすく泣きたくなるが、
今の自分という枠の中で考えられることなんて大してないんだとそこは割り切って、大きく踏み出してしまえばいい。
昨日、曲を書いた。
これまでにない曲。
ただただ遊び。
ただただ好奇心で。
バカ楽しい。
きゃっきゃきゃっきゃとガキのように喜べる。
ギターがありえなく楽しく思えてくる。
きっと今重ねるべき時間はそーゆー時間なんだろう。
努力という努力はもっともっとシンプルに。
努力っつーか、とりあえずやる。みたいなこと。
それは多分習慣になるやつだから。
シンプルで良い。
そんでそのシンプルさである日急に成長するんだ。
ゲームで経験値積んでレベルアップするみたいに。
徒労だと思えたなら、とにかく暴れる。あがく。
これは僕の成長で欠かせないムーブメントだ。