9月5日、イージーゲーム。
朝目覚めて、同じ景色を見るのにももうだいぶ慣れてきた。
相変わらずベッドはギーギー音を立てるし、マットレスは壊れたまま、かけ布団はファスナーが壊れて中身がむき出しだ。
ボロっちいホステルだが、生きていくのに支障はない。
ただ、今思っているのは、お金のことだ。
不思議なのだが、お金を稼がないといけない状況において、音楽のスキルとか上達とかって置き去りになると思っていた。
しかし、これが意外とつながっているのが現状である。
歌が上手くないと、お金が入らないようになっているのだ。
今僕は『日本語で、既存の曲をカバーして歌う』という条件で路上LIVEを行っている。
そもそも自分の曲とかマトモに持っていないし、曲を作る目的で来たわけじゃないからそこはいいとして、
一見すると無謀な挑戦にも思える。
そもそも、チェコや他のヨーロッパの国々の人に日本語が分かるわけがないのだ。
異国の、自分たちが普段耳にすることはない言語の歌。
反応しようにも、反応しにくいという状況。
しかし、なぜかお金は入っている。
その具体的な要素は、後々しっかりまとめるとして
要因をあげるとするなら、
外国人がお金を入れやすいように歌う。
といったところか。
先程もあげたように、日本語で歌ってるから、ほとんど意味とか、ステキな歌詞や〜!
とかなるわけがないのだ。
もちろん日本人がたくさんいるわけでもないから、旅行や現地の日本人のみが入れてくれる。ってわけでもない。
としたら、外国人にウケる歌い方を模索する以外ないと思ったのだ。
それが、入れてくれるような歌い方。
具体的には、曲の抑揚や、フロウを意識して歌うようにした。
メロディが一辺倒なら、上手いか下手かの判断はつけにくい。
例えばそこに、メロディの揺れ動きがあるとしたら、聴いている側も分かりやすい。
それは言語が通じる通じないかは関係ない。
洋楽を我々が聴いて、『あ!このメロディ良いやん!』と思うのと同じ。
長くなってしまったが、つまりは
メロディを意識して歌うと入れてもらいやすい。
と気がついた。
メロディならば、工夫しようがある。
時に裏声や太い声で、山や谷を曲の中で演出する。
それはまさしく表現力が鍛えられた。
と感じた。
他にも、堂々と(自信を持って)歌ったり、ブレス(あえて長く歌の語尾を伸ばす)を用いてみるのも良い手段だと感じた。
これら全ては、人のLIVEを見たり、試行錯誤している間に得た気づきだ。
なんとも良い時間を過ごせている。
さて、肝心の本日の路上LIVEだが、、、
物乞いだと思われてんのか、それともフザケてんのか、、、
おそらく日本の(少なくともアジアの)野郎3人組からコレをもらった。
はー!?!?(怒)
と最初は思ったが、コレはむしろおいしいのでは??とツイッターに投稿しておいた。
(フハハ!転んでもタダでは起きん!!)
そして、またやってきて、隣で物乞いを始め、そこで得たお金をコチラに投げ入れてきた。
よくわからんが、悪いやつではなさそうだ。(ということにしてやる!)
金額的にも、かなり多く稼ぐことが出来て満足だ。
あと、変な路上パフォーマーがやってきたので、それを眺めていた。写真の彼は、いつも路上LIVEしているフレンドである。
(なぜか参加してた…)
こわいなー。
あと、フレンドはモテまくるので、その近くにいた女の子がヨーロッパ来て初めてか!?っつーぐらい美少女だったことをここに報告しておきたい。
(何の報告…)
うわー、フレンド、こういう子にもモテとんのかー!!!!
うわー!!!!
と1人でのたうち回ってその日の路上LIVEは終了した。
夜は先日登場したツアーの仕事をしてる響さん達と飲んだ。
響さんとは、音楽の話をしたり、生い立ちとか話す。
でもほとんど周りはスペイン語(響さんも普段からスペイン語)なのでなんとも新鮮な気持ちになる。
パトリシアというスペイン人の彼女と一緒に暮らし、一緒の仕事をしている。
他にも、ウクライナ人や、スペイン、チリ、イタリア人など様々な人種が集まる集団でツアーの仕事をしている。
(青い髪の子がパトリシア)
すごく気さくでいい人たちだった。
お金は稼げるし、人は温かいし、食い物は美味いし、物価は安いしで、
こんだけ恵まれた環境にいると、とてもイージーゲームな気がしてくる。
ハッキリ言って、もうチェコでお金を稼いで生活することはラクショーだ。
簡単だ。
もちろん、それは人の協力あってのことだし、お金をくれる人あってことだとは理解していても
やはり、イージーゲームで旅を終えるわけにはいかない。
なんのためにわざわざ身をヨーロッパへ投げ込んだのかを忘れちゃいかんと思う。
それに、チェコを去って、違う場所に行けばこそ、チェコの良さを再認識出来ると思う。
本当にステキな街だ。
良さは上げてもキリがないぐらいある。
だからこそ、幕引きは大切だろう。
この旅は、フランスのパリで終了する。
予定ではあと3週間を切ったところ。
ドイツに行けば、フランスに行けば、
ゴールに近づけば、近づくほど、物価は高くなり、イージーゲームではなくなる。
(フランスではおそらく路上LIVE自体が出来なそう)
さて、またこっから身を引き締めていかんと、あと1日。しっかり路上LIVEし終えて、再びドイツへ降り立つ。
目指すはミュンヘン。
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