8月31日、幻想はマボロシのままにあらず。

幻想を打ち立てよう。

と、UVERworldのTAKUYA∞は言った。

マボロシを美化して見てる。

これはOZROSAURUSの言葉。

 

 

幻想やマボロシは、打ち立てられて、そこにある。

しかし、誰かの言葉や、ほんのささいな瞬間にその幻想は揺らいでシャボン玉みたいに弾けて消える。

ちょうど、そんなマボロシを見ていた日のことを思い出した。

何もかも、手を伸ばせば伸ばすだけ、その距離は明らかに遠さを感じた。

 

 

つかもうとするから、夢は逃げていくのだ。

と思っていた。

夢なんてのは、叶ってしまえばなんてことはない。

それが現実に落ちてきてしまったことを嘆く人だっているんじゃないだろうか?

 

 

だが、それでも人は夢を追う。

 

 

本当の価値とか、意味とか、そんなもん忘れて、ただ夢中になってその夢を追いかける。

 

 

一瞬のきらめきとか、熱量とか、後悔とか、成功とか。

そんなもんは成し得てからの話でいいんだ。

今はただ、前だけ見て走ってる。

その実感だけで、今を生きるに値する。

 

 

 

 

 

 

そんな思いを痛感させてくれる出来事が起こった。

 

 

 

前日の野宿を経て、全然寝れなかった俺は、ホステルを予約することを決めた。

そうじゃないと、体がおかしくなるし、何よりホームレスたちが怖くて嫌だった。

 

 

野宿は2晩体感したが、身体にいいもんじゃないってのは十分すぎるぐらいわかった。

全くやらなくていいってわけじゃないが、手段の1つとして知っておくぐらいでいいだろう。

野宿でギターとおさらばしたら、それこそ元も子もない。

 

 

 

そうして、ホステルを目指して、重たい荷物と身体を引きずって丘を登った。

 

 
街が一望できるこの丘は、決して嫌いになるもんじゃなかった。

 

むしろ、気持ちよさすら感じていたからね。

 

 

ホステルにつくと、日本人がいた。

俳優やってるとか、スペイン語話せる。とかいろいろ聞いたけど、中身が薄すぎて伝わってこなかった。

 

これは偏見だが、この人は表舞台には出てこないなと思った。

吸ったタバコの煙が、空に舞うのを見て

俳優にとって喉は資本なんじゃねーの??なんて思ってた。どーでもいいけど。

 

 

で、チェックインする時に、事件は起こったんだよね。

 

カードじゃなくて、現金で必要だよ!って受付のオバちゃんに言われて、うわー、キャッシングわざわざしたくないなぁ。カネかかるし。。。

とか思いながら、しぶしぶ銀行に行ったら

『エラーです』って。

 

どうやら、カードの支払い遅れてて、カード自体使えなくなってたみたい。

 

 

唖然とした。

 

 

 

その日にお金が必要なのに、手持ちはわずか200CK。

それでも飯は食えると思って節約してきたほうだ。

ともあれ、眠くてこれから路上LIVEとかそんな体力がない。。。。

現金用意できねぇじゃん。

 

 

ワンチャンさっきの日本人が貸してくれると思ったけど、話してみて、『がんばれー』とか、そんな感じだった。

そりゃ、俺が悪いけど、ひでー話だよな。

貸してくれたってバチは当たらんぞと思うけど。

 

ともあれ、なんとか話をして、翌日まで待ってくれることになった。

 

また野宿だったら身体が耐えられないからね。

 

 

そうして、一旦寝ることにした。

身体は疲れ切ってたから、どっちにしても休息が必要だった。

現地時間の4時。目を覚ました。

腕や、足の感触を経て、動ける程度には回復した。

 

先日オルモウツで別れたウイスキー藤村から、プラハにいる人を紹介するよ!と言われた。

 

それが源さん。

プロ奢ラレヤーとベロニカさんを引き合わせた人らしいんだけど、、、

俺は正直それどころじゃなくて、

もちろん、会いましょう!って言ったんだけど、泊まるお金の事で頭がいっぱいだったしさ。

 

 

もうこの際だから、お金源さんに借りようかなー?とか思ってたぐらい。

 

そうして、一旦、気が休まらないので外に出ることにした。

源さんに会うには、まだ2時間ちょっとあるなー。。。。。

まて、、、、

今若干の曇り空だ。

もし仮に、

明日大雨だった場合。

 

どうなる?

俺は稼げないんじゃないのか?

今少しでも稼いでおかないと、死ぬんじゃないのか???

そう思うと、急いでホステルに戻り、ギターとダンボール片手にダッシュして広場へと向かった。

 

しかし、運命は襲いかかるように、夕立になった。

 

耐えきれず、途中辞めて、ギターをしまったりした。

 

一円も入らない。

 

これはマズイ。マズすぎる。と思い必死なってギターを弾いた。

 

とにかくいい音を、とにかく、人を振り向かせるように必死に!

そう思って弾くと、なぜだか音に集中することができた。

もはや、ホステルのお金なんて頭からは消えていた。

 

 

気がつくと、目の前に人だかりができていた。

 

学生の集団っぽいぞ。

その内の1人が、紙幣を取り出し、

オレの帽子の中へと放り込んだ。

『どぇえええ!!!』

思わず叫んでいた。

200CK、今までで、1番高いお金が入ったのだ。

 

Thank you!ナイスボーイ!!!などと、知ってる英語で片っ端から、ほめまくった。

おかげで、笑顔で弾くことができた。

 

 

 

彼の行動を見ていた周りも、それにつられるようにお金を入れだした。

 

 

どう見ても、高校生15、6歳ぐらいの少年、少女達だ。

 

もちろん、強制したわけではないし、入れてくれる人ごとに、感謝の意を伝えた。

 

気がつくと、人はさらに増えていた。

 

次々に、人が帽子の中へとお金を入れてくれる。

 

 

こんなに幸せな気持ちで歌ったのは、はじめてなんじゃないかってぐらいに、心から笑えた。

 

掃除のおばちゃんも、ずーっと近くで見ており

『よく、集めたねぇ!』と笑顔でほめてくれた。

 

 

感謝はするもんじゃない、自然と湧き上がるもんだね。ってな感じ。

 

 

 

 

あとで数えたら、1500CKも入ってた。

 

もちろん、今までで1番稼いだ金額だ。

 

 

このカネを持って、ホクホク顔で源さんとの待ち合わせに向かった。

 

源さんとは、お酒を何杯か飲み明かした。

 

梅酒とおんなじだよぉ〜、
というショット(フルシュコヴィチェと、シェリボビチェって名前)を3杯もあおった。

お酒弱いんですよぉ〜。という話をガン無視し、お酒を飲ませまくる源さん

ひたすら、こえー!こえーわ!!!と叫んでいた。

まぁ、勝利の美酒ってヤツなのだから、良しとしとこうかな。

 

もちろんベロベロに酔ったオレは、路面電車に揺られて、ホステルへと帰った。

 

源さんとは、また飲んでみたいなぁ〜、なんて思った。

 

 

とにかく、思いついて、行動すれば奇跡は起きるんだなぁ〜。

 

発想。

思いついたらすぐにやれるか?どうか?

はやはり大切な気がする。

 

  

ともあれ、ゆっくり眠るとしようか。

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