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黒単リアニメイト調整備忘録~番外編~

黒単リアニメイトは素晴らしいぞっ!

モダンホライゾン3が発売され、早くもレガシー環境にも変化が生じているとか。
もっとも私はと言えば、【黒単】とはいえリアニメイトデッキを使用している立場。来る禁止制限告知を乗り越えなければ、デッキの指針も決まらないという有様です。
昨今の【UBリアニメイト】の支配率を見れば流石に何らかの規制は入るのではないか……と戦々恐々の毎日を過ごしております。

そこで今回は禁止制限に引っかかりそうなカードと、それが禁止された場合に【黒単リアニメイト】はどう対応するべきかを整理したいと思います。


禁止制限告知に引っかかりそうなカード

①《カザド=ドゥームのトロール》

UBリアニにおけるThe便利カード

個人的な大本命。
『土地を安定して供給してくれる』『自ら墓地へ行ける』『実質ブロック不可の6/5』と全てがおかしいコモンカード。マナ基盤の安定、《納墓》が引けなくても墓地にフィニッシャーを落とせる点からUBリアニ隆盛の最大の原因だと思っています。
実際【UBリアニメイト】や【スキャム】がレガシーで増え始めたのはMH2で《悲嘆》が登場してからでは無く、指輪物語でこ奴らが現れてからです。

さて、こいつが禁止になった場合。【黒単リアニ】はさほど深刻な影響は受けません。こいつに割いている枠を土地と《墓所のタイタン》にでも変えれば今まで通りの黒単になります。
懸念はこいつ1枚規制するだけで【UBリアニ】が止まるのか……。

②《悲嘆》

再利用したり殴ったりできる《暴露》

「とばっちりで禁止になっても仕方ないのかなぁ」という一枚。
MH2で登場して以降、リアニメイトデッキではずっと使われ続けているカードです。
が、以前はサイクルの中でも日陰者。パッとしない扱いで価格も割とお手頃でした。モダンでは想起デッキで使われてるイメージがありますが、少なくともレガシー環境では『殴れる《暴露》』としてそこそこ使われていただけのカードであり、【UBリアニメイト】の支配的環境を作った直接の要因とは言えないと思っています。

しかしながら、【UBリアニメイト】を最強たらしめている要因である『サイドボード後のデッキタイプの変容』を支えている一枚であることは否めません。
実際【黒単リアニメイト】でもサイド後に《虚空の力線》を尻目に《悲嘆》と《ダウスィーの虚空歩き》によるビートプランで勝つことはままあるのです。
【UBリアニメイト】を環境トップに押し上げた要因では無いものの、【UBリアニメイト】の弱体化という観点から考えれば一番的確なのかもしれません。

さて、このカードが禁止されると【黒単リアニメイト】にも影響は大きいです。
基本的には《暴露》に差し戻されMH2発売前の構築に戻るのでしょう。メインボードではさほど困りませんが、やはりサイド後ですね。ビートプランを取るうえで威迫3/2の存在は大きい。
これが4枚抜けるとなるとサイド後の戦術は大きく見直す必要に迫られます。

③《納墓》

「元々禁止カードだったんだから再収監すれば良い」と言われる一枚。
ですが、個人的には《納墓》が次回の禁止制限を受けることは無いと思っています。
《納墓》→《再活性》は非常に凶悪です。凶悪ではありますが、結局はリアニメイト戦術。『墓地対策』という分かりやすい回答が存在します。だからこそ【BRリアニメイト】は一定数が根強く残るものの支配的と呼べるほど環境を席捲しませんでした。
【UBリアニメイト】を咎めるのであればメインボード戦術ではなく、『墓地対策だけで容易に対処できないサイドボードプラン』であるべきだと考えます。

禁止にならないと踏んでいますが、もし仮に禁止になったとすれば非伝説生物を主に採用して《無名の墓》を使うか、生物自体の数を増やして《集団的蛮行》などで手札から落とす方法を考えることになりそうです。
一時期【BGリアニ】が使っていた《俗世の教示者》でトップに積んで諜報ランドで墓地へ送るというのも有りかもしれません。

④《再活性》

リアニメイトデッキに親を殺された過激派たちが「牢にぶち込め!」と名を挙げるカード。
もちろん禁止になるとは思っていません。理由は《納墓》と同じですね。
【UBリアニメイト】に限らず全てのリアニメイトデッキを滅ぼしたいとWotCが考えない限りは大丈夫だと思っています。

もし禁止された時は諦めてリアニメイトデッキを捨てましょう。

⑤《オークの弓使い》

カードを引くことを何よりも愛する人たちから蛇蝎の如く嫌われるオーク。
しかしドローを咎めるカードの多くは今も現役ですし、今規制すると《豆の木を登れ》や《ネクロドミナンス》が大暴れするのが目に見えています。このタイミングで規制する必要性というのは感じられないと思います。
また環境に青いデッキが多いので重宝されていますが、対戦するデッキによっては1/1が2体と1点ダメージにしかならないことも多々あり意外と万能性に欠けるカードだったりします。
【UBリアニメイト】や【黒単】でもメイン優先度は《ダウスィーの虚空歩き》や《敵対工作員》に劣ることも多々あるんですよね。
いつまで許されるかは不明ですが、現時点では規制対象よりも環境の安全弁として生き残るのではないでしょうか。

仮に規制されたとしても自分の【黒単リアニメイト】ではさほど影響はありません。ドローを多用するデッキに対抗するためにサイドボードに取るか否か、という具合なので……。


最後に……

黒単リアニメイトは素晴らしいぞっ!

毎回冒頭に載せている言葉ですが、正直なところを言うと今現在の環境で【黒単リアニメイト】をお勧めすることは出来ません。
楽しいデッキですし個人的には大好きですが、他人に勧めるならば間違いなく【UBリアニメイト】を勧めます。例え《Underground Sea》を持っていないプレイヤーでも、《湿った墓》で代用して青黒にすることを推奨します。

それだけ現在の【UBリアニメイト】は完成度が高いんです。だからこそこれほどまでに支配的な環境になってしまいました。
自分が【黒単リアニメイト】で目指していた『墓地に依存せず、相手にサイドボードを悩ませ最適化出来ないようにする』という戦術を高い次元で達成しているのが現在の【UBリアニメイト】です。
流石にここまで支配的になれば何らかの措置は取られるでしょうし、それによって他のリアニメイトデッキもとばっちりを受けるに違いありません。
目指していた方向性が他のデッキで達成されてしまい、規制されるであろうまでに至ったのは実に悔しい限りです。