見出し画像

大塚裕史先生による刑法講座

基本刑法Ⅰ」「基本刑法Ⅱ」の著者である大塚裕史先生は、現在LECで予備試験・司法試験の対策講義を展開しております。

複数の受験仲間が「基本刑法読み込み講座」を受講して、とてつもなく良い講座だとオススメしていたことから、私も購入しました。
その結果、あまりの神講座っぷりに、最終的には、①基本刑法読み込み講座②予備試験過去問解説講座③口述対策スピードチェック講座、④司法試験過去問解説講座の合計4講座を購入しました。
合計で16万円以上課金しました。1年で1科目に16万円以上掛けるとか明らかに狂気の沙汰ですが笑、全く後悔していません。
以外、それぞれの感想を記します。

第1、①『基本刑法』読み込み講座

イケメン大塚裕史先生

大塚裕史先生の講座群の中で、最もベーシックな講座になります。価格は66,000円です。
実は、この講座は「基本刑法Ⅰ・Ⅱ」を持っていなくても受講には何ら影響ありません。この講義を受講した当時、私は「基本刑法Ⅰ・Ⅱ」を持っていませんでした笑。だけど全然問題ありませんでした。
大塚裕史先生のお手製のレジュメがありますので、授業は全てレジュメに沿って進むこととなります。

1、総論

理論が重視される総論。分かった気になっても時間が経つとまた分からなくなる総論。私は予備試験の勉強を始めてから、本講座に出会うまでの約3年半、この泥沼状態から抜け出せずにいました。しかし、この講座は違います。”そういうことだったのか..."という瞬間が幾度となく訪れ、泥沼から引き上げてくれました。以下では感動したトピック5選を挙げます。

⑴、不作為犯
『世の中に出回っているいわゆる論証本の多くは、誤っている記述が多い』と大塚裕史先生が冒頭でお話されました。いきなりの衝撃でした。

私は、なんとなく覚えている「構成要件的同価値性」「作為義務」「作為の容易性・可能性」とかいうキーワードっぽいものを繋ぎ合わせて論証していましたが、それぞれの言葉の持つ意味を深く理解していませんでした。これらの言葉の持つ役割を知った時、安定した規範・あてはめが書けるようになります。また、各論分野で学ぶ詐欺罪においては、不作為による欺罔行為を学習しますが、その理解にも役立ちます。

⑵、因果関係
危険の現実化とは何か。そもそも介在事情とか異常性とか誘引したとか、記憶の片隅にあるけど、何者なのか分かっておらず、当てはめも貧弱だった私。条件関係との違いもよく分かっていなかったせいで、不作為犯における因果関係も苦手だった私。
実は各論のとある論点の理解にもこっそり生きてくることに気づいたとき、霧が晴れました。

⑶、正当防衛
侵害の急迫性・やむを得ずにした行為の当てはめは、この講義を受ければ負けないと思います。正当防衛の当てはめ勝負の論文を書いてみたくなるくらい自信が付きます。
自招侵害もめちゃくちゃ分かりやすくて、論述する位置も迷わなくなりました。H29判例の分析も秀逸です。過剰防衛と行為の一体性もズバ抜けて分かりやすいです。

⑷、未遂犯
とにかく未遂犯が苦手だった私。実行に着手?密接性危険性って何よ?犯行計画も考慮するって何よ?そんな疑問を一気に解決してくれました。
そして何と言っても早すぎた構成要件の実現です。初めて聞いたとき、私の頭脳では付いて行くことが出来ず、置いてきぼりを喰らいました。電車や車での移動中にひたすらに繰り返し聞いていたら(10回は聞いた)、めちゃくちゃに分かりやすい解説をして下さっていることに気付きました。最も繰り返し聞いたトピックの一つです。不能犯と未遂犯の区別ももう怖くない。

⑸、共犯
総論のヤマ。とても一回聞いただけでは消化し切れない。共謀時の意思内容のズレ、共謀の射程、共同正犯の錯誤、承継的共犯、207条、共犯関係の解消、共犯と身分、とにかくてんこ盛りです。とにかく繰り返し聞きました。大塚裕史先生がどこで噛むか覚えるくらい聞きました。
共同正犯の成立要件はいろんな立て方があるみたいですが、大塚裕史先生は2要件説。今では納得して、自信を持って規範定立できます。

2、各論

総論よりは理論が少なく、処理ゲーという印象があった各論。ただ単に定義を暗記して三段論法を意識して書けば良いものと思っていました。
ところがどっこい。なぜその定義が導かれるのかツッコミを受けた時、言葉に詰まるようではあてはめに違いが出てくることに気付きました。
財産犯が中心となりますが、以下でも5選トピックを挙げます。

⑴、窃盗罪
財産犯のベースとなる窃盗罪。大して難しくない印象を抱いていましたが、とにかく奥が深いです。
窃盗罪の保護法益は所有?占有?242条って何?占有の存否(占有の事実・占有の意思)は「他人の財物を窃取した」という条文のどの要件に位置付けるのか?当てはめはどうやって書く?占有離脱物横領罪との違いは?不法領得の意思とは何ぞや?など、解決してくれる内容量が凄まじいです。

⑵、強盗罪
暴行脅迫の当てはめ(犯行を抑圧するか否か)には、ルールがあると知りました。この講義を聞いた直後には、暴行脅迫の当てはめを書いてみたくなります。
2項強盗罪の問題意識から導かれる要件の立て方が個人的にはヒットしました。
また、事後強盗罪における身分犯・結合犯の違い、240条の強盗の機会とは何かなど、大塚裕史先生の魔法が止まらなかったです。

⑶、詐欺罪
各論のハイライトは、間違いなく詐欺罪です。欺罔行為の当てはめで困ることはなくなると思います。言葉による欺罔行為・挙動による欺罔行為の違いとその当てはめ。不作為による欺罔行為の書き方。クレジットカード詐欺、誤振込引出し事案など、書き方に困っている方は、絶対オススメです。騙されたフリ作戦の理解の促進にも繋がります。

⑷、横領罪
なんとなく覚えていた「横領行為とは、不法領得の意思の発現行為を言う」という定義。こんなものを覚えていても、意味を理解して使えなければ意味がないことに気付きました。そもそも横領罪で言うところの不法領得の意思とは?所有者でなければできないような意思とは?委託信任関係とは?業務上横領罪で委託信任関係は個別の要件として必要か?
大塚裕史先生の講義を聞いていると、「うんうん、それでそれで?」と、次の言葉が待ちきれないほど刑法が面白く感じます。

⑸、文書偽造罪
財産犯以外も素晴らしいのですが、財産犯以外でどれか一つ挙げるなら文書偽造罪です。何気なく書く定義や規範ですが、それぞれをどの順序で書くのが適切か、意識したことがありませんでした。ここで習う“書く順番“に気づいたとき、他の各論犯罪を検討する際も同様の手順で検討すれば良いのだと気付き、一貫性を持った論文が書けるきっかけを頂けました。

3、まとめ

この講座を私に勧めてくれた受験仲間のうちの一人の言葉を紹介します。

総論で驚き、各論で感動する。

まさにその通りだと感じました。
私は結局、本講座が素晴らしすぎて、元々持っていなかった基本刑法Ⅰ・Ⅱを購入するに至ったことは言うまでもありません笑。基本刑法Ⅱは、予備試験の口述式試験に大いに役立ってくれました。
刑法を体系立てて学習したい方、刑法に伸び悩む方、論証を論文にどう反映したらよいか分からない方、そんな悩みをお持ちの方は(高額だけど)ダマされたと思って購入してみてください。基本刑法すら読んだことのなかった私のような方に特にオススメかと思います。マジで開眼します。

第2、②予備試験過去問解説講座

やはりイケメン大塚裕史先生

正式名称は『予備試験〈刑法〉全過去問から導く合格答案の道しるべ~理論と実践の1から100まで~』です。価格は38,500円です。

上記①『基本刑法』読み込み講座をインプット講義と位置付けるならば、こちらはいわばアウトプット講義に位置付けられます。タイトルの通り、予備試験の論文式試験を大塚裕史先生が直々に解説をしてくださいます。

ちなみに①『基本刑法』読み込み講座もそうですが、大塚裕史先生の講座は収録に参加して、ライブ講義で受講できます。生で見る大塚裕史先生は、web授業で画面越しに見るよりもスリムに見え、またとてもジェントルマンで、とてもカッコよかったです。

私は10回中9回通いました

この講座は、回によりバラつきはありますが、概ね以下のように進められます。

1、問題文を一緒に読む
2、基本的知識の確認
3、合格者の再現答案を分析
4、LECが予備校として作成した参考答案を分析
5、大塚裕史先生が作成した答案を分析

1、問題文を一緒に読む

問題文を一文一文丁寧に読みます。このとき、大塚裕史先生の分析の視点アンテナの張り方を盗むことができます。
普段は何気なく読み進めてしまう問題文ですが、大塚裕史先生の包囲網がとにかく厚いのです。問題文には一言一句意味があるということに気付かされます。この講義を受けてから、問題文を読むときは気が抜けない、本気で読まなければと思うようになりました。
また、「こういう記述があるということは、後に○○の当てはめに使えます。」などと教えて頂けますので、同じような記述が別の年度で登場すると、貧弱だったアンテナが徐々に太くなっていくことを実感できます。

2、基本的知識の確認

当該年度で問われている基本的知識・論点をおさらいします。①『基本刑法』読み込み講座と重なる部分が多いです。ただ、全てを覚え、また理解しているわけではなかったので、①でインプットした知識を今一度確認し、そして定着しているか復習する事ができるため、有益でした。
また、①は知識の整理に重きを置いた講座ですから、その知識を当該年度の具体的事案に引き付けて考えるとどうなるか、どのように論述すればよいかの道標を示して下さいます。いわば、抽象と具体を行き来する訓練を積む事ができます。
さらには①では扱いきれなかった論点についても解説をしてくださいますので、①で太い幹を作り上げたあとに、②で枝葉をカバーするといった構造になっていると言えると思います。

3、合格者の再現答案を分析

当該年度に合格し、A評価を獲得された受験生の再現答案を分析します。良い記述を褒めるケースもありますが、ほとんどは悪い記述を指摘して、正しい論述方法を教えて下さいます。ただ、試験現場で初見の問題を70分の極限状態で書いた答案ですし、一受験生の答案ですから、比較的目をつぶって、おおめに見て下さっている印象です。

4、LECが予備校として作成した参考答案を分析

LECが正式に公表している参考答案(以下「LEC答案」という。)を分析します。
聞くところによると、LECで元々開講していた過去問講座や過去問答練で用いてる参考答案を、本過去問講座でも利用させてもらっているとのことです。
ココが非常に面白いところで、LEC答案の作成には、大塚裕史先生は関わっていないということです。LECで司法試験・予備試験を教えていらっしゃる弁護士の先生が書かれたものなのか、はたまた、合格者を雇ってアルバイトの先生に書かせたものなのかまでは分かりませんが、このLEC答案をバッサバサと斬り捨てていくのです。これが聞いていて気分爽快のなんのって笑。

「この解答を作成した方は、共犯を分かっていない
故意の検討が何にもされていないではないか」
規範とあてはめが対応していないですよね」
「こんな評価のない事実の羅列では得点は付かない」
「余計な事を書いたばかりに無知を暴露している」
論理破綻を起こしていますね」
などなど。

上記の再現答案とは異なり、LECとして公式に公表する以上は、検討する時間も70分に限っていないでしょうし、ある程度は教科書なども参考に書かれたものと思います(私の憶測です)。そのような答案を斬り捨てる授業なので、「今日はどんなダメ出しをしてくれるのか」と、とても楽しみになります笑。

ただ、一点補足をしておくと、LEC答案は、十分に合格点が付くそうです(大塚裕史先生談)。決してLECで学習している受講生を不安に陥れようと思っているわけではございませんのでご了承ください。
すでに合格ラインに乗っているハイレベルな答案だからこそ、大塚裕史先生にとっては傷が目立って見えるのではないかと感じました。

5、大塚裕史先生が作成した答案を分析

大塚裕史先生自らが作成した予備試験の答案を分析します。当たり前ですが、この答案が凄まじいのです。規範定立までの流れ考慮要素の押さえ方問題文を漏らすことのない当てはめ涙する答案です。
上記1〜4までのフェーズを経て最後に取り上げるため、当該年度における知識の総復習にもなり、また汎用性の高い流れるような論述惚れ惚れします
果たして試験会場の現場で書けるかどうかということは別にして、一切のムダがなく、強く、そして美しい答案なのです。

6、まとめ

本講座を受講し終えた時の私のツイートです。

「予備試験の過去問なんて、これまで何回も検討してきたからなぁ〜。さすがの大塚裕史先生の講義を受けても何にも変わらないような気がする。」と思って、受講するかどうか悩んでいた当時の私を殴りたいです。
あれだけ複数回問題文を読んで、何度も答案構成をして、何度も答案を書いてきた過去問。言ってしまえば、事案はもう頭に入っている状態でした。
それなのに、大塚裕史先生の授業を受けると、まるで初見の問題であったかのように、気づかなかった問題意識や、新しい発見がありました。これには本当にビックリしました。
また、これまで様々な予備校からリリースされている参考答案を見てきました。だいたい、どの参考答案も同じような筋でした。だからこそ、「こういう筋で書けば概ね問題ないんだろう」と思っていました。しかしながら、大塚先生の答案は、どの予備校も検討していない(それは、各予備校が単に気づいていないだけか、紙面の都合かは分からないが...)罪名を真正面から議論しており、また、それを検討しなければならない根拠も説得的でありました。
もちろん、現実に合格ラインに乗るだけであれば、各予備校がリリースしている参考答案で十分でしょう。ただ、私は、合格レベル云々よりも、大塚裕史先生に惚れてしまったのです。もうこの神様に一生付いて行こうと決断させてくれた素晴らしい講座でした。

ちなみに、最終回の授業後には、「口述試験頑張ってきて下さい」と励まして頂けました。とても嬉しかったです。
「口述式試験に合格できたら、司法試験過去問解説講座にも参加しますので、またその時はよろしくお願いいたします」と言って、絶対に口述合格してやるぞと気持ちを引き締めた事を覚えています。

第3、③口述対策スピードチェック講座

なぜだか分からないけど、R4予備論文に合格していた私。そして、大塚裕史先生に惚れ込んでしまった私。このタイミングでリリースされた③口述対策スピードチェック講座を購入しないわけがありません。価格は5,000円です。

この講座の特徴は、
1、口述式試験における刑法分野の過去問演習
2、大塚裕史先生お手製の構成要件一覧
にあります。

1、口述式試験における刑法分野の過去問演習

口述式試験における刑法分野の全過去問を解いていきます(手続分野・倫理は含まれていません)。3時間の授業のうち、9割は過去問演習です(残りの1割は、以下2で触れる構成要件一覧を用います)。
過去問演習の形式は単純で、主査からの質問を分解して、一問一答形式にしたものです。形式は単純でも、内容は非常に濃いものとなっています。
例えば、各年度それぞれテーマ・主軸となる犯罪が存在しますが、各犯罪の保護法益・構成要件・定義などを確認します。その際に用いるのが、以下2で論じる構成要件一覧です。一覧をどのように使ったかは、後ほどご紹介します。

過去問で問われた範囲は、再度問われたら即答レベルでないとマズイと思っていたため、何度も何度も繰り返し聞きました。私は口述式試験直前にメンタルが崩壊し、机に向かえないほど追い込まれていました。
だけど勉強しなければならないため、朝・昼・晩に散歩をすることにして、その散歩の間はずっと本講座を流し聞きしていました。何周したか分かりません。
もちろん、歩きながらだし、教材も持ち歩かず、ただ散歩のBGMとして流していただけですが、それでいいと思ってました。なぜなら大塚裕史先生を愛しているので、耳から聞こえてくるだけでメンタルが落ち着いたからです笑。不思議と何周もすればなんとなく耳にこびり付いているので、効果はあったように思いました。
3時間という短い講義時間なので、倍速で聞けば1時間半で聞き終わります。朝・昼・晩に30分ずつ歩いていたので、直前期は、毎日全過去問を一周していたことになります。

2、大塚裕史先生お手製の構成要件一覧

各論における各犯罪の条文、保護法益、構成要件、定義などが一覧でまとめてあります。大塚裕史先生のお手製です。
この教材に書かれている事を瞬間的に言えるようになれば、各論は怖いものなしだと思い、徹底的に頭に叩き込もうと努めました。結局、最終的に、瞬間的に打ち返せる打率は5割程度だったと思いますが、コンパクトに、核心部分を突いたまとめ資料となっているため、非常に重宝しました。
暗記しようとせず、目を通すだけなら30分〜1時間程度で終わるほどのコンパクトさです。
結局私は、刑法分野で口述式試験の会場に持っていった教材は、構成要件一覧だけでした。
構成要件は本教材でインプットして、あとは基本刑法Ⅱの簡易問題でアウトプットを繰り返せば、各論は盤石でしょう。

総論のまとめ一覧は残念ながらありません。ただ、上記1で扱う過去問演習の中で、過去問で出た範囲は大塚裕史先生による解説があります。
私の場合、過去問既出論点だけは上記1で繰り返し聞く事で、理論を完璧に抑えました。未出論点については、①『基本刑法』読み込み講座、②予備試験過去問解説講座、この2講座を受講済みだったので、その中から、口述で聞かれたら嫌だと思う苦手分野を繰り返し復習しました。

3、まとめ

各予備校で口述再現集などを入手できますが、読んでいると何が正解か分からないことがたまにあります。そもそもあの極限状態の現場の記憶なんてあやふやですし、受験生の回答なので知識として違っている可能性もあります。
その意味において、大塚裕史先生が直々に口述式試験の過去問を分析して下さって、解説しておりますので、ドストライクの回答を知る事ができます。
口述式試験では、概ね実体法から質問されます。初っ端の罪名や構成要件で躓くと、主査の先生に与える印象が悪くなってしまいます。
実体法で良いスタートを切るためには、欠かせない講座かと思います。

第4、④司法試験過去問解説講座

ずっとイケメン大塚裕史先生

正式名称は「司法試験〈刑法〉全過去問から導く合格答案の道しるべ~理論と実践の1から100まで~」です。価格は57,750円です。

貧乏性なので笑、口述式試験に合格してから申し込みました。こちらもライブ講義に参加しました。
ちなみに、口述合格のご報告をしようと、大塚裕史先生のもとにご挨拶にうかがったら、開口一番「おめでとうございます。良かったね。」と一緒に喜んでくださいました。

参加できたのは口述合格後なので、15回中9回。

1、本講座の特徴

本講座は、②予備試験過去問解説講座と同じ構成になっていますので、形式面に変わりはありません。
予備試験と司法試験の違いは問題文の長さにあろうかと思いますが、②でもそうだったように問題文を一緒に読み進めることで、粗かった網の目を、より細かく・濃くしていくことが出来ます。
基本的知識の確認についても設けられていますが、②よりはコンパクトです。おそらく、基礎中の基礎はある程度知っているだろうという前提のもと、知識の核となる部分のみをおさらいするような分量にまとめられています。このコンパクトさも素晴らしく、それを見れば論証が思い出せるようなキーワードを散りばめてくれている印象です。
より重きが置かれている点としては、近年の司法試験では見解対立問題が出題されていますので、当該年度で問われている見解の対立点を深堀りしてくれます。その説の対立の本質はどこから生まれてくるのかを理解するのに非常に有益です。
回によってバラつきはありますが、再現答案の分析→LEC答案の分析→大塚裕史先生の答案の分析も変わらず行われますので、②を踏襲している形です。
私がライブ講義に参加できた後半9回はこのような形でした。前半6回はこれからweb講義で受講する予定なので、何か追加でお知らせしたいことがあれば、後ほど書き加えたいと思います。

2、まとめ

本講座を受講し終えたときの私のツイートです。

司法試験の問題は、私にとってはまだ難しく消化しきれていないのですが、後半9回をライブ講義で受講した感想としては、この解説ならいつかきっと分かる日が来ると確信したことです。この安心感を買ったようなものです。

私は②予備試験過去問解説講座のときから、大塚裕史先生に、授業が終わるたびに質問をしまくっていました。その度に、どんな質問でも、一瞬でホームランを打ち返してくれる明快な回答に心を撃ち抜かれました。これまで、大学院でも多くの学生から様々な質問をされてきたのでしょう。受講生はどこで悩んでいるのか、どこが分からないのか、面と向かって質問を受ければその根源を一瞬で見抜くことができるのだと思います。本当に素晴らしい先生に出会えたことに感謝しています。

第5、終わりに

実は大塚裕史先生の講座群の中に、もう一つだけ気になる講座があります。それは、「応用刑法」解析講座です。

結局イケメン大塚裕史先生

大塚裕史先生に直接お聞きしたところ、近年司法試験で出題されている見解対立問題に対応するためにはピッタリな講座とおっしゃっていました。受講するかどうか非常に悩んでいます。
②④ともに、ライブ講義に参加できたのは週末に行われていたからです。残念ながら「応用刑法」解析講座は平日の日中に行われます。仕事があるため絶対に無理です笑。

社会人にはツラい時間帯

残すはweb講義での受講となります。しかし、レジュメが手元に揃うのが3月下旬というスケジュールのようなので、7月の司法試験本番まであと4ヶ月を切っている状態になるため、ここから60時間の講義を聞く時間を確保するのは難しいと感じます...。
今年は「応用刑法」解析講座は見送ろうと思いますが、受講された方がいらっしゃいましたら、ぜひご感想を教えていただけますと嬉しいです。

大塚裕史先生にゾッコンな私は、どうしてもサインが欲しいと思い、玉砕覚悟でお願いしたところ、笑いながら「いいですよ」と言ってくださいました。一生の宝物です。

講座の素晴らしさを書こうと思っていたのに、途中から大塚裕史先生への愛情を語る記事になってしまった気がします笑。
少々長くなりすぎましたが、どの講座も受講して後悔はありません。刑法で伸び悩む方々にとっては、新しい景色が広がることと思います。
高額なのがネックですが、LECでは頻繁にクーポンを配布したり、タイムセールポイント5倍セールも行っています。これらを活用することも良いと思います。実際、私も16万円もの課金するために節約を頑張りました(私は自分で大塚貯金と名付けていました笑)。

本当は、この記事を書けばライバルが増えて自分が追い込まれることになるので勧めなくないのですが笑、何度かDMでお問い合わせを受けることがありましたため、記事化するに至りました。
受講するかどうか悩んでいるどこかの誰かのために、背中を押す事ができれば幸いです。

DAI

いいなと思ったら応援しよう!