讒文芝居
会社に女人少えし、最早、ほぼ今回貯古齢糖は望み絶無と
溜め込んだ「鬱結弱者的心情(ルサンチマン)」
に耐え兼ねて凡百(あらゆる)演繹帰納法にて
バレンタインを「今や時代錯誤」「女性が大変さを鑑みろ」
やら既に百通りの推敲を重ね度、腐し文を
ブログ等に書いちゃえと手薬煉(てぐすね)をオーエス!オーエス!
心の裡は滂沱血涙にて、ドス黒い原動力にて、全力で引いとったとこ
「(仕事上で)何時も御世話に為ってます……」と謂う大見栄切った
大義理の駄目押しを滅茶苦茶仰りつつも、
『オシャンティー貯古齢糖菓子』と謂う此の世の秘宝を
同僚の平手友梨奈嬢似の娘さんに貰っちゃっ度途端に
……一天俄かに搔き曇り、雷鳴轟かんが衝撃が五感に迸り
古拙の微笑(アルカイック・スマイル)を静かに湛え、拈華微笑。
忽ち、凡てを水に流して即ち日光華厳乎、ナイアガラ乎の如し。
聖人張りの度量が神変に備わり
「沈黙は、金!」とし乎云わぬく為り、森羅万象四方に五体投地し、
生きとし生ける物の幸福を祈り出し度、現金喃筆者。