【児童虐待】地域ネットワークがなぜ必要なのか? 最初に誰と出会うか?
私は児童虐待問題の講演会などに数多く参加してきたので、虐待サバイバーの方々の体験談を聞いてきました。
家に居場所がなく夜の街を徘徊して、それをキッカケに人生が大きく狂ってしまった人が何人もおります。
私が聞いた例を挙げると・・
家に帰りたくないが、他の場所を確保するには金が必要で、ゲームセンターで知り合った人に引ったくりの仕方を教わり、それでお金を手に入れていたが逮捕されて、その後は教護院や少年院などの施設を転々として、前科を積み重ねてしまった人。
出会った男に騙されて売春を強要された人。
反社組織と知り合ってしまい、最終的に覚醒剤などに手を出してしまった人。
家に居場所があったのなら人生を踏み外さずに済んだ人ばかりです。
しかし、それとは逆にそれをキッカケに人生が好転した人というのもいらっしゃいます。
コンビニなどで屯っている時に、元教師の人に話しかけられて、それをキッカケに家に居場所のない時はその人の家に行くようになり、結果的に教師になる目標を見つけて、定時制の高校から大学に進学した人。
年中空腹でシンナーなどで誤魔化していたが、元々定食屋を営んでいた高齢の女性と知り合い、その人の家で料理をご馳走になるようになり、料理に興味が湧いて板前の修行を始めた人。
前半の人たちと後半の人たちの違いはなんなのか?
決定的に違うのは、家に居場所が無く街を徘徊していた時に、最初に出会った人が善人か悪人かということです。
男性も女性も若いというだけで利用価値を見出され、悪い道に誘ってくる人間は至る所に存在します。そういう人間よりも先に安全な場所を提供出来る人が出会わないと、大きく道を踏み外してしまう危険性があるのです。
地域ネットワークを構築するということは、仮に家に居場所が無かったとしても地域がその受け皿となり、悪い人間から子どもたちを守れるということです。
私が一人の子どもに対して複数の大人が関わっている社会を築きたいと考えている一つの要因がこれです。
コロナ禍により孤立化が進んでしまった現在だからこそ、今後も子どもを中心とした地域ネットワークの構築のために尽力したいと思います。