地方議員をリコールで辞めさせることは出来るか?
先日、木下ふみこ都議が初登庁して辞職しない旨を述べました。
この対応により木下ふみこ都議の選挙区であります板橋区では、怒りを覚えた方が多数いらっしゃるようで、リコール運動を開始するためにTwitterアカウントを立ち上げる方もいらっしゃいました。
(※おそらくこの他にも活動を始めた人がいると思います)
しかし、このリコールというのはかなり高いハードルであります。
まず、地方自治法第84条にはこうあります。
『その議員に関して選挙から1年間(無投票当選を除く)又は解職投票日から1年間は解職請求をすることができない。』
ですので、当選から一年間はリコールは出来ません。
木下ふみこ都議の場合は来年の7月4日以降ということですね。
しかも、その署名の数ですが、これが地方自治法第80条第1項によると・・
『対象の議員の選挙区の有権者(選挙区が無い場合は地方自治体の全有権者)の3分の1以上(40万を超えるときは、40万を超える数の6分の1と40万の3分の1を合計した数以上、80万を超えるときは、80万を超える数の8分の1と40万の6分の1と40万の3分の1を合計した数以上)の署名を集めると、選挙管理委員会に請求できる』
とあります。
板橋区の有権者数は、最近行われた衆議院選挙の数ですと462,626名になります。
これから計算すると・・
62626÷6=10437.6
400000÷3=133333
133333+10437.6=143770.6(四捨五入すると143771)
ということになります。
そうです。143771人の署名を集めるとリコールが請求できるということです。
そして、請求が有効であれば、請求から60日以内にその選挙区(選挙区が無い場合は全域)において住民投票が行われます。(地方自治法第80条第3項及び地方自治法施行令第113条)。
これで有効投票数の過半数が賛成すれば議員を失職させることが出来ます。
住民投票まで持ち込めば、投票に行く人はそれなりに関心のある人たちでしょうから賛成多数になるだろうと思います。
しかしです‼️‼️
日頃から投票にも行かずに政治に関心もない人も大勢いる中で、一年間活動し続けて14万人以上もの署名を集めるというのはなかなかのハードルです。
あれだけのことをやった人間を辞めさせるのに、これだけの労力を有権者側が必要とするというのは、納得が出来ない部分があります。
今回の木下ふみこ都議の件は想像を絶するレベルのことが起きているように思います。これを機会に制度自体を一から見直してみるべきなんではないでしょうか?
それが出来れば木下ふみこ都議の件も最終的にはプラスになるように思います。