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私が子ども食堂をやろうと思ったキッカケになった展示会〜私たちは『買われた』展〜
私は長年、様々な子ども食堂に関わってきましたが、そのキッカケになった展示会がありました。
それが『私たちは『買われた』展』であります。
2016年にこの展示会を神楽坂で観ました。
これは援助交際をして生活費を稼ぐ少女たちの手記などが展示されていました。
援助交際というと、遊ぶ金欲しさに行っている印象がありますが、多くの少女はそうではなく、本当に生活費が無いので仕方なく行っているケースや、虐待などにより自己肯定感が低く、誰かに必要とされたい、居場所がほしいなどの理由で援助交際をしています。
そして、この展示会の中で私の興味を惹く写真集がありました。
それが機能不全家族に育ち、援助交際をしながら生活している少女が、自分で食べたものをポラロイドカメラ(チェキ)で撮影したものです。
どんなものを食べていると思いますか?
私が見た限りほとんどがスナック菓子です。他はカップ麺で、たまにコンビニ弁当があるくらいです。
しかも、食べている場所(背景)もほとんどが外(路上)です。
それを見ながら私はいろんなことを想像してしまいました。
自分の身体を売って稼いだお金でスナック菓子を買い、それを路上で食べて飢えを凌いでいる。誰にも感謝をすることのない食事です。
こんな生活を続けていたら、誰だって心が荒んでくるのではないでしょうか?
「ありがとう」という言葉は言われたら嬉しいですが、「ありがとう」と誰かに言えるということもとても重要ではないでしょうか?
作ってくれた人の顔が見え、そして出来るだけ暖かい料理を、出来れば誰かと語らいながら食べる。
こういうことは些細なことかもしれないですが、私は大事なことだと思います。
幼少期から思春期にかけては特に、誰かに「ありがとう」と言う。(例えそれを口に出来なくても感謝の心を持つ)ということは、人格形成には極めて重要なことなのです。誰かに感謝しながら生きるということは心を強くしてくれます。
私は子どもが多くの大人と関わることで虐待を防止し、そして同時に多くの人に感謝の気持ちを持って育つ。そんな環境を作りたくて子ども食堂に関わってきました。
コロナ禍で子どもと実際に接することが出来ずフードパントリーしか行えないのが現状ですが、子ども食堂再開に向けて地道に活動していこうと思います。