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【板橋区】一般質問の全文を公開します。

こんにちは。日本維新の会・板橋区議会議員の大森大です。

先日の本議会で私が行いました一般質問のアーカイブが公開されましたので、全文を記載いたします。

【挨拶】

日本維新の会の大森大です。通告に従いまして一般質問を行います。

私からは、児童相談所について、【こうのとりのゆりかご】について、里親制度について、児童福祉について、虐待サバイバーについての5つのテーマで質問させていただきます。区長並びに関係理事者の皆様には明快かつ前向きなご答弁をお願い致します。

【児童相談所について】

【人事異動について】

はじめに、児童相談所について5点伺います。第一に、児童相談所の職員の異動について伺います。特別区に児童相談所の設置が可能となり、板橋区でも【子ども家庭総合支援センター】が開設されました。これは、地域社会における子どもたちの福祉を支える重要な一歩です。しかしながら、多くの自治体で職員の確保に苦労しており、板橋区もそれは例外ではありません。児童相談所の職員は、子どもたちの心のケアにおいて重要な役割を担っています。子どもたちが直面する問題は複雑で、信頼関係の構築には時間が必要です。しかし、行政職員の人事異動は一定期間で行われるため、信頼関係が構築される前に異動になってしまうことも考えられます。児童相談所の職員にとって、子どもたちとの関係性は、その職務の質に直結します。ですので、児童相談所の職員は長期的な勤務が望ましいと考えられます。現在でも区の職員は希望があれば勤務期間の延長が考慮されるとのことですが、実際に区の職員が勤務期間の延長を希望し、それが実現したケースは近年どれくらいあるのでしょうか。この数値は、制度の有効性を判断する上で重要な指標となります。そして、児童相談所におきましては、職員が長期にわたって勤務することで、子どもたちに対するより良いサポートが提供できると考えられます。ですので、今後、児童相談所におきましては、勤務期間の延長を申し出た職員には、優先してこの制度を活用していただきたいと考えますが、区の見解を伺います。

【民間委託について】

児童相談所の民間委託についても伺います。児童相談所の業務は、子どもたちの安全と福祉を守るために非常に重要ですが、同時に職員に大きな負担をかけるものでもあります。特に板橋区のような人口密集地域では、児童相談所の業務量は増加の一途をたどっており、職員の負担軽減と人員確保は喫緊の課題です。他の自治体で行われている工夫を参考にすることも有効だと考えます。例えば、福岡市では、児童相談所の業務の一部を民間に委託することで、職員の負担軽減と人員確保に取り組んでいます。具体的には、夜間や休日に発生する緊急性の高い児童通告に対応するため、NPO法人の訪問員が家庭訪問を行い、児童の安全確認や必要に応じて児童の移送を行っています。この取り組みは、公募を通じて選定されたNPO法人に委託されており、児童相談所の業務負担の軽減につながっています。このような民間委託により、児童相談所の職員は、専門的な対応を必要とする事案により集中できるようになります。また、民間団体が夜間・休日に家庭訪問を行うことで、保護者の受け取り方が良くなり、その後の支援が円滑に進みやすくなるというメリットもあります。このような背景を踏まえ、板橋区でも福岡市のような民間委託の工夫を行うことで、職員の負担軽減と人員確保を図っていくことも必要ではないかと考えますが、区長の見解を伺います。

【メンタルヘルスサポートについて】

さらに、児童相談所の職員のメンタルヘルスサポートについて伺います。繰り返しになりますが、児童相談所の業務は、子どもたちの安全と福祉を守るために非常に重要です。しかし、同時に職員には大きな精神的負担が伴います。日々、複雑で困難なケースに直面し、時には心理的なストレスが極めて高まる状況に置かれることも少なくありません。このような状況は、職員のメンタルヘルスに深刻な影響を及ぼす可能性があり、長期的には業務の質にも影響を与えかねません。現在、板橋区では電話相談を通じてのメンタルヘルスサポートが主な対応となっていますが、児童相談所ではこれだけでは不十分です。職員が直面する精神的な負担に対処するためには、より専門的なメンタルヘルスサポートが必要です。例えば、定期的なカウンセリングの提供やストレス管理のためのワークショップ、または心理的なサポートを専門とするスタッフの配置などが考えられます。こうしたサポート体制の充実は、職員が心身ともに健康を保ち、児童相談所の業務を持続可能なものとするために必要不可欠です。このようにメンタルヘルスサポートを強化することが必要と考えますが、区長の見解を伺います。

【サテライトオフィスの設置について】

児童相談所の機能の拡充についても伺います。現在の児童相談所は、本町にあり、区の広さを考慮すると、すべての区民が容易にアクセスすることが難しい状況にあります。この問題を解決するために、児童相談所のサテライトオフィスの設置を提案します。サテライトオフィスを設けることで、区内のさまざまな地域からのアクセスが容易になり、より多くの家庭が必要なサポートを受けられるようになります。また、地域ごとの特性に合わせたサービスの提供が可能となり、より効果的な支援が実現できると考えます。サテライトオフィスの設置は、児童相談所などの相談業務やサービスをより身近なものとし、区民にとっての利便性を高める重要な一歩です。この提案に対する区長のご見解を伺います。

【民間との連携強化について】

児童相談所と他機関との連携についても伺います。児童相談所の業務において、警察との連携は特に重要な要素です。児童虐待の疑いがあるケースや家庭内の緊急事態に迅速かつ適切に対応するためには、警察との緊密な協力体制が不可欠です。このような連携は、子どもたちの安全を確保し、危機的状況に迅速に対応するための基盤となります。また、児童相談所の業務は警察との連携に留まらず、他の機関や団体との連携も同様に重要です。教育機関、医療機関、福祉機関など、子どもたちの安全と福祉に関わる多様な機関との連携を強化することで、より広範なサポートを子どもたちに提供することが可能になります。具体的には、情報共有の効率化、共同での研修やワークショップの開催、緊急時の対応に関する手順や基準の明確化などが考えられます。こうした取り組みにより、児童相談所の業務の質が向上し、子どもたちへより効果的な支援が提供できるようになるのではないでしょうか。そこで伺います。近年、板橋区では警察をはじめとする関連機関や団体との連携強化の取り組みがどのように進められているのでしょうか。また、今後の計画や方針について、区長の考えを伺います。

【こうのとりのゆりかごについて】

【こうのとりのゆりかごの理念や意義について】

次のテーマとして、【こうのとりのゆりかご(通称・赤ちゃんポスト)】について質問いたします。【こうのとりのゆりかご】は、育児放棄や虐待を防ぐための重要な施設です。これは、親が育てることが困難な赤ちゃんを匿名で安全に預けられる場所であり、赤ちゃんの命を守る最後の砦とも言えます。先日、日本で最初に【こうのとりのゆりかご】が設立された熊本県の慈恵病院に視察に伺いましたが、そこでは、【こうのとりのゆりかご】が孤立出産した方を孤立化から救い、母子の命を守るための大切な役割を果たしていることを目の当たりにしました。【こうのとりのゆりかご】の設置は、子どもの命を守るという基本的な人権の観点から、非常に重要です。また、この施設は、親が直面する深刻な問題に対する社会的な対応の一環としても機能します。区長は、この【こうのとりのゆりかご】の理念や意義について、どのように考えておられますか、区長のお考えを伺います。

【こうのとりのゆりかごの設置について】

私は熊本での視察で【こうのとりのゆりかご】がどのように運営され、社会にどのような影響を与えているかを学び、その必要性を強く感じました。これに基づき、私は区内において【こうのとりのゆりかご】の設置計画を具体的に立てることを強く要望しますが、区長の見解を伺います。また、仮に設置に前向きではない場合、その理由や計画を阻むハードルは何でしょうか、そちらもあわせて伺います。

【 里親制度について】

【里親制度の広報の取り組みについて】

里親制度についても伺います。【こうのとりのゆりかご】の視察で、孤立出産した方が赤ちゃんを安全に預ける手段の重要性を認識しましたが、それと同時に、里親制度の重要性も改めて強く感じました。【こうのとりのゆりかご】の有無にかかわらず、里親制度はすべての子どもたちに安定した家庭環境を提供するための重要な役割を果たします。現在、区におかれましては、里親や養子縁組に関する区民の認知度を高めるためのプログラムやイベントを実施していることは承知しております。これらの活動は、子どもたちが愛情ある家庭で育つことの重要性を社会全体に広めるために不可欠です。しかし、これらの取り組みの効果はどのように測定されているのでしょうか。里親制度の広報の具体的な効果測定方法や、その結果に基づく今後の計画について、区長の見解を伺います。

【里親制度の拡充について】

里親制度の拡充について、さらに伺います。里親制度の拡充には多くの課題が伴うことは明らかです。里親候補者の確保や研修、支援体制の整備など、多岐にわたる取り組みが必要であり、現状の区の取組では不十分と私は考えます。より効果的な啓発活動や、里親家庭への継続的なサポート体制の構築が必要ではないでしょうか。そもそも論として、里親制度の拡充に際して、区が想定している最大の課題や困難は何か、伺います。併せて、それらの課題にどのように対応していく予定であるか、具体的な方針や取り組みについて伺います。

【児童福祉について】

続きまして児童福祉全般について伺います。児童の福祉を高めるためには、国内外の先進的な自治体の取り組みから学ぶことも重要です。日本国内においても、児童福祉の分野で先進的なアプローチを採用している自治体は多く存在します。例えば、岐阜県岐阜市では、こどもに関わる全ての方々の悩みや不安に対し、関係機関と連携しワンストップで総合的・継続的に支援するため【エールぎふ】という窓口を設立し、また、昨年度から、児童虐待等への迅速な連携を図るため、岐阜県警及び県の児童相談所の分室を【エールぎふ】内に入居させるなど、こどもの情報が【エールぎふ】に集約されることで、様々な支援に接続され、具体的な支援や専門機関への取り次ぎまで、完結した対応を可能にしています。また、愛知県名古屋市では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを常勤化するなど 子どもたちの精神的健康のサポートに力を入れています。これらの自治体では、児童の権利の保護と 健全な成長を支援するための具体的な施策が実施されており、その成果は注目に値します。板橋区でも、これらの事例を参考にすることで、児童福祉の質をさらに向上させることが可能だと考えます。区長として、国内外の他の自治体のベストプラクティスやモデルを参考にしている、もしくは導入を検討している事例があれば、具体的に教えていただきたいのですが、区長の見解を伺います。

【虐待サバイバーについて】

【虐待サバイバーの状況把握について】

最後のテーマとして、虐待サバイバーについて伺います。虐待サバイバーとは、身体的、精神的、性的、またはネグレクトなどの虐待を受けた経験を持つ者を指します。この定義は広範にわたり、区としてもこの問題に対する明確な定義と認識を持つことが重要です。虐待の影響は、しばしば長期にわたり、個人の生活の多くの面に深刻な影響を及ぼすことがあります。このような背景を踏まえ、区内での虐待サバイバーの数やその状況を把握するためのデータ収集や調査は、現在どのように行われているのかお伺いします。

【虐待サバイバーに対する施策について】

最後に虐待サバイバーへの支援について伺います。板橋区としても、虐待サバイバーへの支援は避けて通れない重要な課題です。虐待の影響を受けた人々が社会に再び参加し、充実した生活を送るためには、地域社会全体での包括的なサポート体系の構築が不可欠であり、基礎自治体としてその役割が求められているからです。特に、社会復帰や就労の支援、心のケアは、彼らが自立し、健全な生活を送るための基盤となります。これらの支援策は、個々のサバイバーのニーズに応じたものでなければならず、区としてもその実現に向けて積極的に取り組む必要があります。今後、区内で虐待サバイバーの支援のための方針や計画を立案することは考えられていますか、区長に伺い私からの質問を終わります。