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【板橋区】一般質問全文〜区長答弁追加バージョン〜

こんにちは。板橋区議会議員の大森大です。

先日行った私の一般質問の区長と教育長の答弁箇所の文字起こしをいたしましたので、それぞれの質問の後に該当する答弁を追加する形にした完全版を掲載いたします。(※本当は私が一括して質問した後で区長と教育長が一括して質問に答える形ですので、並び方を変えると返答の仕方が少しおかしく見えますが、文字起こししたままで掲載します。)

【挨拶】

日本維新の会の大森大です。通告に従いまして一般質問を行います。
私からは、児童相談所について、教育支援について、児童虐待防止教育について、子どもの支援に関する情報共有システムについて、子ども食堂について、そして都市計画についての6つのテーマで質問させていただきます。区長並びに関係理事者の皆様には明快かつ前向きなご答弁をお願い致します。

【児童相談所について】

【人材育成や業務効率化について】

はじめに、児童相談所について伺います。
児童相談所は、子どもたちの安全と福祉を守るために極めて重要な役割を果たしています。しかし、近年、児童虐待の相談対応件数の増加や複雑化する家庭環境など、児童相談所を取り巻く環境は厳しさを増しており、職員の業務負担が急激に増大していることが全国的な課題となっています。板橋区においても例外ではないと考えます。
令和5年第4回定例会の一般質問でも、私は児童相談所の職員の負担軽減策について質問いたしました。その際、福岡市の例を挙げ、業務の一部を民間委託することで職員の負担軽減を図る取り組みについて提案させていただきました。それから1年が経過し、児童相談所の業務はさらに複雑化、専門化していると推察いたします。
そこで改めて伺います。児童相談所の業務の中で、特に専門性が求められる分野や、業務量が増加傾向にある分野はどの分野でしょうか。また、それらの分野における人材育成や業務効率化にどのように取り組んでいるかお聞かせください。

【区長答弁】

それでは、大森大議員の一般質問にお答えいたします。
 最初は、児童相談所の専門性についてのご質問であります。
 児童相談所の業務は、子ども、家庭に係る深刻な問題への対応や介入権限を行使する緊急性の高い案件を扱い、調査、診断、援助の過程におきまして高い専門を要する業務であると認識しております。業務量につきましては相談件数の増加に伴いまして、子どもの安全確認をはじめ、子どもや保護者との面接の実施や家庭に係る調査等の対応が増加傾向にあると認識をしております。
 次は、人材や業務効率化についてのご質問であります。
 児童相談所における人材育成と業務の効率化は、子どもの安全や福祉に直結するとともに職員の負担軽減に係る課題であると認識しております。職員の人材育成については、特別区職員研修所が実施する法定研修や区独自に開催する研修を受講するとともに、スーパーバイザーやトレーナーによるOJTの充実に取り組んでおります。また、児童相談システムを活用した会議資料等の作成や相談受理や援助方針の会議を活用して、迅速な情報共有と相談ケースの適切な進行管理を行うことによりまして業務の効率化を図っているところでございます。

【業務委託の可能性について】

児童相談所の機能強化と質の高いサービス提供を実現するためには、より踏み込んだ外部連携の形も検討に値すると考えます。福岡市の例だけでなく、静岡市では、静岡市里親家庭支援センターに里親制度の充足活動を委託しています。私も視察に行かせていただきましたが、外部に業務を委託することでより細やかな里親支援を可能にしています。例えば、里親と里子のマッチングに関しても不調が少なく、里親の委託率が50%を超えているとのことです。やはり、このように業務の一部を外部の専門機関に委託する取り組みは、専門性の向上につながります。そしてそれと同時に、職員の負担軽減にもつながる可能性があると私は考えます。
そこで伺います。児童相談所の機能を強化し、より質の高いサービスを提供するため、静岡市里親家庭支援センターのように、業務の一部を外部の専門機関に委託することについて区の見解をお聞かせください。また、そのような委託を行う場合、どのような業務が適していると考えるか伺います。板橋区の実情に合った形での業務委託の可能性についてお聞かせください。

【区長答弁】 

 続いて、業務の外部委託についてのご質問であります。
 児童相談所の業務は子どもの安全や健やかな成長に係る業務でありまして、区として責任を持って行うことが重要であると考えています。児童虐待相談への対応など業務の負担が増大する中で、より効率的な運営を行うために、民間と協働した支援強化が可能な業務については一部を外部の機関に委託をしております。今後もNPO法人等を含めた民間との連携、協力を図りながら、子どもたちの安全安心な生活の実現や保護者への支援に取り組んでいきたいと考えています。
 続いて、業務の外部委託の可能性についてのご質問であります。
 国の調査によりますと、全国において、児童相談所業務の一部を民間団体等へ委託している自治体が多くあることは承知をしております。一方、虐待通知を受けた後の安全確認を民間団体等に委託している自治体は少なく、個人情報に関することや訪問する際の安全確保など、十分な検討が必要と考えます。区では、一時保護児童への意見表明の支援や里親への支援に係る業務をはじめ、夜間、休日の電話相談、通告の受付に係る業務等を委託をしておりまして、今後も民間と協働した支援の強化を図っていきたいと考えています。

【教育支援について】

【スクールカウンセラーの区の現状について】

次に、教育支援について伺います。
子どもたちの健全な成長と学びを支える上で、心のケアは非常に重要な要素です。特に板橋区の実情を鑑みると、児童生徒の心の健康に対する支援の必要性がますます高まっていると考えます。令和4年度の調査結果によると、板橋区の不登校児童生徒数は小学校で445人、中学校で619人となっており、前年度と比較して増加傾向にあります。また、いじめの認知件数も小学校で4,683件、中学校で417件と、前年度から大幅に増加しています。
そこでまず、区内のスクールカウンセラーの配置状況と、児童生徒の心のケアに関する相談ニーズの現状について伺います。また、現在の配置体制で十分な対応ができているか、課題がある場合はそれはどのような内容なのでしょうか、区の現状をお聞かせください。

【教育長答弁】

 まず、教育支援についてのご質問で、スクールカウンセラーの配置状況と相談のニーズについてです。
 全区立小中学校に都費のスクールカウンセラーを配置するとともに、令和5年度からは全区立中学校に対して区費で増員配置しています。5年生及び7年生の全員に面接を実施するほか、不安や悩みを抱える児童生徒と保護者の相談を受け、専門的な知見による心のケア等の支援につなげています。現状、長期欠席の児童生徒、その保護者等からの相談が最も多く、また、特性のある子どもの対応に苦慮する保護者の相談等、多くの相談のニーズがあると聞いております。
 次に、スクールカウンセラーの現在の配置体制の課題についてです。
 小学校では週1回の相談体制のため、学校によっては相談時間を十分に確保することが難しく、スクールカウンセラーが校内での情報共有の時間を確保することも厳しい状況があります。中学校では、スクールカウンセラーの増員配置により週2回の相談体制としましたが、相談件数の多い学校では早急な対応が困難な場合があることが課題と捉えています。

【スクールカウンセラーの全校配置について】

スクールカウンセラーは、児童生徒の心の健康を守り、いじめや不登校などの問題に迅速に対応する上で重要な役割を果たします。しかし、その配置状況や活用方法には自治体によって差があるのが現状です。例えば、私も視察に行かせていただきました名古屋市では、小学校ではスクールカウンセラーを非常勤ながら週一回、全校に配置されております。そして、中学校では常勤化し、毎日配置されており、より手厚い支援体制を構築しています。これにより、児童生徒が日常的にカウンセリングを受けられる環境が整備され、問題の早期発見・早期対応につながっているとのことです。
そこで伺います。児童生徒の心の健康を守り、いじめや不登校などの問題に迅速に対応するため、板橋区でもスクールカウンセラーを常勤化し、毎日全校に配置することが効果的と考えますが、区としての見解と今後の方針についてお聞かせください。

【教育長答弁】

 次に、スクールカウンセラーの常勤についてです。スクールカウンセラーが常勤になることにより、児童生徒、保護者との面談時間がふえ、さらに多くの支援につなげることができることから効果的であると捉えています。一方で、スクールカウンセラーの人材確保等の課題があることから、持続可能な方策を検討していきます。

【児童虐待防止教育について】

【児童虐待防止の取り組みの効果について】

次に、児童虐待防止教育について伺います。
児童虐待は深刻な社会問題であり、その予防と早期発見は極めて重要です。板橋区においても、児童虐待の防止は喫緊の課題であると考えます。令和4年4月から6月の3か月間の調査結果を見ると、児童虐待相談の件数が270件に上っており、前年同期の289件と比較しても依然として高い水準にあります。心理的虐待が151件と最も多く、次いで身体的虐待が62件となっています。
こうした状況を踏まえ、現在、区で実施している児童虐待の予防や早期発見のための取り組みとその効果について伺います。要保護児童対策地域協議会の活動や、関係機関との連携、地域と協力した見守り体制の構築など、具体的な取り組みについてお聞かせください。またその取り組みによりどのような効果があったのかお聞かせください。

【区長答弁】


 次は、児童虐待防止教育に関連いたしまして、予防や早期発見のための取組についてのご質問であります。
 児童虐待の予防や未然防止のためには、要保護児童対策地域協議会を中心に関係機関等との連携によりまして早期発見、早期対応の仕組みの構築が重要と考えます。区では令和5年度は370の関係機関を年2回戸別訪問し、心配な児童家庭の情報共有を図り、必要な助言等を行っております。また、地域の見守り体制として、子育て支援に関わる訪問員がお菓子等を持って月2回家庭訪問する支援対象児童等見守り強化事業にも取り組んでいるところでございます。
 続いて、取組の効果についてのご質問です。
 関係機関への積極的なアウトリーチによりまして、児童虐待として通告につなげた事案や、心配な児童家庭の情報を早期に把握するなど、効果を上げております。支援対象児童等見守り強化事業においては、地域の訪問員が定期的に家庭訪問することによって家庭の様子を把握できることに加えまして、家庭と地域の緩やかなつながりが生まれ、子育て世代の孤立化防止にもつながっていると考えています。

【児童虐待防の啓発活動について】

そのうえで、児童虐待の防止には、子どもたち自身が「虐待とは何か」を理解し、自己を守る力を身につけることが重要であると私は考えます。多くの子どもたちは、自分の置かれている状況が虐待であると認識できず、不条理な暴力や言動であっても自分が悪いと思い込んでしまうことがあります。これは子どもの自己肯定感を低下させ、後の人生にも大きな影響を与える可能性があります。
そこで、まず子どもの発達段階に応じた自己防衛教育の現状を伺います。板橋区内の小学校や中学校で、児童虐待に関する啓発活動などはどの程度実施されているでしょうか。具体的な取り組み内容や実施頻度、対象学年についてお聞かせください。

【区長答弁】


 続いて、小中学校での啓発活動についてのご質問であります。
 区では毎年、小中学校に加え、保育園、幼稚園に在籍する全児童生徒や家庭に対しまして児童虐待防止の啓発、普及啓発のためのリーフレットを配布しております。さらに、小中学校の全児童生徒向けに漫画と啓発グッズを毎年配布し、子どもの権利や児童虐待について情報発信するとともに、子どもなんでも相談等の相談窓口の周知に取り組んでいるところでございます。

【児童虐待に関する授業について】

そして、啓発活動だけでなく、児童虐待に関する授業は行われているのでしょうか、区の現状をお聞かせください。

【教育長答弁】

次に、児童虐待防止教育についてのご質問です。
 まず、児童虐待に関する授業についてです。区立小中学校では、現在、教育課程に位置づけた児童虐待に関する授業は行っていません。一方で、学校では子どもたちがさまざまな困難やストレスへの対処法を身につけるなど、心の健康の保持に係る教育を行うことが求められています。そのため、子どもたちが信頼できる身近な大人に助けを求められるよう、SOSの出し方に関する教育と称し、区立小中学校の全ての学年で実施しています。

【児童虐待に関する授業の実施について】

子ども自身が虐待を理解し、自己肯定感を高め、不当な扱いから身を守る力を育成するため、小学校で児童虐待に関する授業をより積極的に行うべきであると私は考えます。例えば、低学年から高学年まで段階的に、年齢に応じた内容で虐待について学ぶ機会を設けることは出来ないでしょうか。低学年では「自分の体は大切」「嫌なことはNOと言っていい」といった基本的な内容から始め、高学年では具体的な虐待の形態や相談先の紹介など、より踏み込んだ内容を扱うことができるでしょう。
このような教育を通じて、子どもたちが自分の置かれている状況を適切に理解し、必要に応じて助けを求められるようになることは、虐待の早期発見・防止につながると考えます。また、子どもたちの権利意識を育むことで、将来的に虐待の連鎖を断ち切ることにもつながる可能性があります。
そこで伺います。小学校で児童虐待に関する授業をより積極的に行うことについてどのようにお考えでしょうか、そして、実施するとしたらどのような課題があるか、区の見解をお聞かせください。

【教育長答弁】

 最後に、児童虐待に関する授業の積極的な実施についてです。学校現場ではSOSの出し方に関する教育を中核として、校長講話や学級指導、相談窓口連絡先一覧の配布等々し、繰り返し指導を実施しています。学級活動や体育の授業においては不安や悩みへの対処、性的な発達への対応等の内容を取り上げる際に、適切に大人に相談することの重要性を引き続き指導してまいります。

【子どもの支援に関する情報共有システムについて】

【子どもの支援に関する情報共有システムの現状について】

次に、子どもの支援に関する情報共有システムについて伺います。
子どもたちを取り巻く環境は複雑化しており、その支援には多くの関係機関が関わっています。板橋区においても、子ども家庭総合支援センターの開設や要保護児童対策地域協議会の活動など、様々な取り組みが行われています。しかし、これらの機関間での情報共有が円滑に行われないと、支援の質や効率が低下する恐れがあります。
そこでまず、子どもの支援に関する区役所、学校、福祉、医療などの関係機関間での情報共有において、時間がかかる、または情報が分断されるなどの課題があると考えますが、区ではこれらの課題に対してどのような工夫や取り組みを行っているか伺います。現在の情報共有の方法や頻度、セキュリティ対策、関係機関間の連携体制などについて、具体的にお聞かせください。

【区長答弁】


 次は、子どもの支援に関する情報共有システムに関連いたしまして、関係機関との情報共有の取組についてのご質問であります。
 子ども家庭総合支援センターにおいては、児童福祉法に基づきまして個人情報保護の下、要保護児童の情報を関係機関と日々共有を図りながら支援をしております。情報共有は、従来からの対面や電話等に加えまして保育園、学校と毎月実施をしております出欠状況調査や、子ども家庭センター業務においてクラウドサービスを導入し、オンラインでの情報共有に取り組んでいるところでございます。

【子どもの支援に関する情報共有システムの今後の展望について】

こちらも視察に行かせていただきました京都府南丹市では、サイボウズの「Kintone(キントーン)」というクラウドサービスを活用し、子どもの支援に関する情報を一元管理し、関係者間で迅速かつ効果的に共有できるシステムを構築しています。これにより、例えば兄弟で小学校と中学校など違う学校にいる場合も、情報共有によって家族の状況などが理解しやすく様々なケースに敏速に対応できるとのことです。それだけでなく、各機関がそれぞれに報告書を書いているのを一括で管理できるので、二度手間を防止でき、書類作成の手間を軽減することにも成功しているとのことです。
そこで伺います。子どもの支援に関する情報を一元管理し、関係者間で迅速かつ効果的に共有することで支援の質の向上と業務効率化を図るため、京都府南丹市のように、クラウドサービスを用いた関係者間での情報共有システムを広げていく必要があると考えますが、今後の展望について区の見解をお聞かせください。

【区長答弁】

 続いて、今後の展望についてのご質問です。
 クラウドサービスの活用によりまして、複数の関係機関と即時かつ同時に情報共有を図ることができるとともに、各機関の職員の事務効率の向上が可能となります。秘匿性の高い個人情報を取り扱うため、システムのセキュリティーの課題など慎重かつ丁寧な対応が必要でありますが、活用範囲の拡充とともに、連携できる機関の拡大に鋭意取り組んでいきたいと考えています。

【子ども食堂について】

【子ども食堂の設置状況について】

次に、子ども食堂について伺います。
子ども食堂は、子どもたちの食の保障だけでなく、地域コミュニティの形成や子どもの見守りの場としても重要な役割を果たしています。板橋区では、区内の小学校51校区に子ども食堂を設置する目標を掲げていますが、現在もなお14校区で子ども食堂が設置されていない状況にあります。
そこで、区内の子ども食堂の設置状況について、現在の設置数と利用状況についてお聞かせください。

【区長答弁】

 次は、子ども食堂の設置状況と未設置小学校区の課題についてのご質問であります。
 子ども食堂の設置数は令和6年8月末現在67か所でございまして、設置できた小学校区は37学区域であります。また、区の補助金を活用している子ども食堂の利用状況につきましては、令和5年度において延べ1万7,000人程度でございます。

【設置が進まない校区の課題について】

また設置が進んでいない志村小学校、富士見台小学校、蓮根小学校、蓮根第二小学校、北前野小学校、緑小学校、板橋第五小学校、板橋第七小学校、中根橋小学校、上板橋第二小学校、大谷口小学校、高島第三小学校、高島第五小学校、高島第六小学校の14校区の課題について伺います。子ども食堂設置が進まない具体的な要因があればお聞かせください。

【区長答弁】


 一方、未設置学区の課題につきましては実施団体の開拓が課題と考えておりまして、社会福祉協議会と連携をして広報や相談会等を開催し、実施団体の掘り起こしと支援を行っていく考えであります。

【場所のマッチングについて】

子ども食堂の設置を促進するためには、場所の確保が重要な課題の一つとなっています。令和5年第2回定例会の一般質問で、私は子ども食堂設置促進のために「場所のマッチング」を行うべきだと提案いたしました。
そこで、昨年の一般質問で提案した場所のマッチングの進捗状況について伺います。また、マッチングを進める上での具体的な障壁があれば、その内容と対応策についてお聞かせください。

【区長答弁】

続いて、マッチングの仕組みづくりの検討状況についてのご質問であります。
 マッチングにつきましては、社会福祉協議会と共同で検討しておりまして、社会福祉協議会のホームページにて提供場所等の情報を掲載してマッチングしていくことを考えております。現状、実施に向けての障壁はないと考えておりまして、このまま検討を進め、今年度中にはマッチングの運用を開始したいと考えています。

【運営の質を高める取り組みについて】

子ども食堂の設置数を増やすことは重要な目標ですが、同時に既存の子ども食堂の質を向上させることも、子どもたちの健全な成長を支える上で欠かせません。運営の安定性、提供される食事の質、子どもたちへの対応など、様々な面での質的向上が求められます。特に、子ども食堂が単なる食事提供の場にとどまらず、学習支援や地域交流の場としての機能を果たすためには、運営者のスキルアップや地域との連携強化が必要不可欠です。
そこで、伺います。子ども食堂の量的拡大だけでなく質的向上も重要と考えるところ、区として、子ども食堂の運営の質を高めるためにどのような取り組みを行っているか、お聞かせください。

【区長答弁】

 続いて、運営の質の向上についてのご質問であります。
 区では子どもの食・居場所支援事業連絡会議を開催いたしまして、情報交換や保健所による衛生環境の講習等を実施するなど、運営の質の向上を図っております。また、今年度から東京都の補助金を活用して週に1回以上、子ども食堂を実施し、さらに区と連携する団体には補助金を増額し、安定した運営が行えるように支援をしております。新たに補助金を申請した団体につきましては、訪問をして実施体制を確認するとともに相談支援を行っておりまして、引き続き子ども食堂の質的向上に取り組んでいきたいと考えています。

【都市計画について】

【3D都市モデルの成果と課題について】

最後に、都市計画について伺います。
現在、板橋区では3D都市モデルを舟渡、新河岸、高島平の水害対策の実証実験に活用していると認識しています。この取り組みは、都市計画や防災対策に新たな視点をもたらす可能性を秘めており、非常に興味深い試みだと考えます。
そこでまず、現在実施している3D都市モデルの舟渡、新河岸、高島平における水害対策の実証実験の取り組みが、都市計画や防災対策にどのような影響を与えているか、成果と課題について伺います。成果については具体的な事例があればお聞かせください。

【区長答弁】

 次は、3D都市モデルを用いた水害対策の実証実験についてのご質問であります。
 令和4年度に実証実験として行いました3D都市モデルを用いた水害シミュレーションにおいては、町会や児童館のほか、各種イベントにおいて体験会を行っております。参加者からは、視覚的な分かりやすさへの好意的なご意見や防災意識の向上を示す意見もございました一方で、デジタルデバイドのある方などへの対応に課題があると感じました。実証実験で得ました意見や課題を参考にしながら、今後の都市計画や防災対策における3D都市モデルの活用について検討をさらに進めていきたいと考えています。

【3D都市モデルの適用範囲の拡大について】

3D都市モデルの活用は、水害対策以外にも様々な可能性を秘めています。例えば、板橋地区では他区と隣接していることから防犯カメラの効果的な設置位置の検討に、徳丸地区では過去に大雨による水害被害が多く見られたことから水害対策の強化に、そして特に都市開発が進んでいる地区では、開発後の景観や環境への影響の可視化に活用できるのではないでしょうか。3D都市モデルを作成することにより、より効果的な都市計画や住民説明の向上にもつながると考えます。
確かに、3D都市モデルの作成には高額な費用がかかることは承知しています。しかし、長期的な視点で見れば、より効果的な都市計画や防災対策につながり、結果として区民の安全や生活の質の向上に寄与すると考えます。
そこでお伺いいたします。防災対策の強化、都市開発の効率化、および市民サービスの向上を図るため、3D都市モデルの適用範囲を板橋地区、徳丸地区、そして都市開発が進んでいる地区へ拡大することについて、費用対効果も含めて、区のお考えを伺い、私からの質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。

【区長答弁】

 最後のご質問になります。3D都市モデルの適用範囲の拡大についてのご質問です。
 3D都市モデルは、現在の都市状況を仮想空間に構築したものでありまして、令和4年度の実証実験においては、参加者から視覚の面において好意的な意見がたくさんございました。今年度の実証実験においては延焼シミュレーションや避難体験アプリなど、3D都市モデルを活用する幅を広げているところでございます。今後は、まちづくりにおける事業や計画のある地域等を対象にし、必要に応じて分かりやすい3D都市モデルを適用する範囲の拡大や費用対効果について検討していきたいと考えています。