虐待問題を考え、そして劇中の技術に憧れた映画〜『ザ・セル』感想
児童虐待問題を述べる時に大多数の人が虐待されている子どもをどう救うかという話をします。それは当然なのかもしれませんが、実は被虐待児というのは大きな大きな後遺症が残るのです。それは成人になっても苦しみ続けることなのです。
秋葉原通り魔殺人事件を覚えていらっしゃるでしょうか? その犯人・加藤智大は子どもの頃に虐待を受けて、その後は低い自己肯定感などに苦しみ続けます。その鬱積したものが爆発してあの事件を起こしたのではないかと言われています。
前に逆境的体験について書きましたが、脳の発育と人格形成を行う幼少期の体験というのは後々まで影響してしまうのです。
そんなことを考えさせられる映画があります。それが『ザ・セル』です。
【あらすじと解説】
TVCFやミュージック・ビデオで活躍しているターセムの初監督作品で、サイコ殺人鬼の心の中に入り込んで事件解決をしようとする心理学者の異様な体験を描いたスリラー。「アウト・オブ・サイト」のジェニファー・ロペスが初主演している。シカゴ郊外にあるキャンベル研究所。若き心理学者キャサリンは人間の潜在意識や夢の中に入り込む技術を研究していた。そんな彼女のもとに、ガラス張りのセル(独房)に女性を閉じ込め溺死する姿を見て性的快楽を得る殺人鬼の心の中を覗いて欲しいという依頼が舞い込む……。
(yahoo映画より)
殺人鬼の精神世界に特殊な装置を使って心理学者が入り込んでいくというストーリーなのですが・・
〜〜少しネタバレがあります〜〜
殺人鬼の精神世界に入ると、そこには化け物と少年がいるのです。
この少年こそが殺人鬼の真の姿、そして幼少期の虐待の体験により化け物が作り出されて、それが殺人を犯しているのです。
これは映画なのでかなり誇張して描かれていますが、虐待による影響は目に見えない部分にも出てくるのです。
児童虐待の子どもへの影響は下記に詳しく書かれています。
私はこの劇中に出てくる装置が本当に出来ないかなと心の底から思っています。(悪用も出来るでしょうが😅)
トラウマが完全に治療出来る方法があるのなら、本当に多くの人を救え、人生を取り戻すことが出来ます。
だから、その方法が無い現状は虐待サバイバーに対する周囲の人の理解が重要なのです。