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第十一話~セミナーへの期待~

このお話は、一人の女性が投資を理解しながら、ウォーレンバフェットの考えに触れ、自分なりの投資スタンスを確立していく物語(フィクション)です。

投稿11:セミナーへの期待

セミナー当日。かおるは少し緊張しながらも、高まる期待を胸に会場へと向かった。「お金が幸せをもたらさないなら、それはおそらくその使い方を間違っている」というタイトルは、まさに彼女が抱えていた疑問に答えてくれそうだった。

会場に入ると、多くの人々が席に座っており、皆それぞれに何かを求めているようだった。かおるは自分の席に着き、深呼吸をして心を落ち着かせた。

しばらくして、だいさく先生がステージに登場した。彼は穏やかな笑顔で会場を見渡し、静かに話し始めた。

「皆さん、本日はお越しいただきありがとうございます。今日のテーマは『お金が幸せをもたらさないなら、それはおそらくその使い方を間違っている』です。」
かおるはその言葉を聞いて、胸が高鳴るのを感じた。

「お金は私たちの生活において重要な役割を果たしています。しかし、ただお金を増やすことや、効率的に運用することだけが目的になっていないでしょうか?」
だいさく先生の問いかけに、かおるは思わず頷いた。まさに自分が抱えていた悩みだったからだ。

「例えば、手数料の安さや短期的な利益ばかりを追い求める投資は、本当にあなたにとって価値があるものでしょうか?お金を増やすこと自体が目的になっていませんか?」

かおるはドキッとした。彼女はこれまで、インデックス投資の手数料の安さや効率性ばかりを追求してきた。しかし、それが本当に自分の求めている投資だったのか、疑問が湧いてきた。

「株式投資の真の恩恵は、企業の利益成長から生まれます。企業が成長し、その結果として株価が上がり、投資家もその利益を享受する。しかし、短期的な売買や手数料の安さに焦点を当てた投資では、こうした企業の成長に気づくことが難しいのです。」

だいさく先生の言葉は、かおるの心に深く響いた。
「お金を使うということは、単に物を買うだけではありません。それは人とのつながりを生み出し、社会との関係を築く手段でもあります。」

その瞬間、かおるは母・節子のことを思い出した。母は高いお団子を買い続けることで、店員さんとのつながりを大切にしていた。それが彼女の幸せの源だったのだ。

「お金が幸せをもたらさないと感じるのは、おそらくその使い方が間違っているからです。お金を通じて何を得たいのか、誰とつながりたいのか、それを考えることが大切です。」

かおるは、自分がこれまで効率や手数料ばかりを追い求め、お金の本当の価値を見失っていたことに気づき始めた。

次回予告
だいさく先生のセミナーが進む中、かおるはお金と幸福の関係についてさらに深く理解していく。彼女が見つける本当の豊かさとは?


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