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第二十七話 ~応援する企業と暴落時の選択(1)~

このお話は、一人の女性が投資を理解しながら、ウォーレンバフェットの考えに触れ、自分なりの投資スタンスを確立していく物語(フィクション)です。

投稿27:応援する企業と暴落時の選択(1)

かおるは、だいさく先生に相談するために連絡を取った。暴落のニュースで心が揺れていたが、先生の助言がどうしても必要だった。

「だいさく先生、私が投資しているアクティブファンドが下がり続けていて、不安でどうすればいいのか分からなくなってしまいました。今、売った方がいいのか、それともこのまま持ち続けるべきか…」

かおるは、胸にある不安をそのままぶつけた。投資していた企業を応援したい気持ちはあったが、現実の株価の下落に心が折れそうだった。

だいさく先生は、かおるの話をじっくりと聞き、優しい声で答えた。

「かおるさん、確かに市場が暴落している時には、不安が大きくなりますね。特に自分が投資しているファンドや企業が下がっていると、動揺するのは自然なことです。でも、ここで大切なのは、あなたが応援している企業についてどう感じているかです。」

「応援している企業…?」
かおるはだいさく先生の言葉を反復しながら、自分の気持ちを確認する。

「そうです。あなたはジョンソン・エンド・ジョンソンやディズニーといった企業に投資して、彼らを応援しているんですよね。これらの企業は、一時的な市場の混乱や暴落に直面しているかもしれませんが、その時、あなたはどう感じますか?」

かおるは少し考え込んだ後に答えた。「そうですね…売りたいというより、むしろ頑張ってほしいって思います。私が引き上げたら、もっと厳しい状況になるんじゃないかって。」

だいさく先生は微笑みながら頷いた。「その通りです。応援している企業だからこそ、暴落時には売りたい気持ちよりも、むしろ一緒にこの困難を乗り越えようという気持ちが生まれる。それが応援する投資の強みなんです。短期的な市場の波に惑わされず、信じた企業を支えるという信念が重要です。」

かおるは、その言葉に少し安心し始めたが、まだ心の中で揺れるものがあった。

だいさく先生はさらに続けた。「かおるさん、株式市場はこれまでに何度も暴落を経験しています。リーマンショックも、コロナショックも、その時は世界中の市場がパニックに陥りました。それでも、あなたが今応援している企業は、その困難を乗り越えてきました。ジョンソン・エンド・ジョンソンもディズニーも、そういった市場の混乱を経ても、利益を増やし続けているんです。」

「そんなに…?」
かおるは驚いたように聞き返した。

「そうです。これらの企業は、短期的な困難に直面しても、長期的に見れば成長し続けています。それは、彼らが優れたビジネスモデルと経営陣を持ち、世界中の人々に愛され、必要とされているからです。だからこそ、あなたが彼らを応援することには大きな意味があります。株価の一時的な下落に惑わされる必要はありません。」

かおるはその言葉に、少しずつ気持ちが落ち着いていくのを感じた。

「そうか…私が応援している企業は、これまでも困難を乗り越えてきたんだ。私も信じて、応援を続けるべきなのかもしれない。」

「次回予告:だいさく先生が、かおるに暴落時の感情と応援する企業とのつながりについて解説。暴落時の投資家心理とは?(その2)」


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