「ダンバインの主題歌は後世に残る名曲」を再確認しました
昨日、サンライズチャンネルの配信予定告知動画が出ていて、なんとなく流していました。
「へぇ~勇者系ね~舞hime、あぁ~懐かしいな。ボトムズか~やっぱり銀河万丈さんの声良いな~」とか、BGM的に耳に入れていたところで、最後にこのイントロにビクッ、と反応してしまいました。
土曜日の配信はダンバインだそうです。やはりこのオープニング、イントロで心を鷲掴みにしてきますね。
アニソン最高傑作、まである「ダンバイン とぶ」
ダンバインは1983年の作品、実に40年前の作品です。ですが主題歌「ダンバイン とぶ」は現在でも名曲アニソンとしてよく名前が挙がる曲です。イントロからメロディ、歌詞、MIOさんの歌声まで全てが格好良いのですが、個人的にこの曲、物凄く時代を先取りしていたように感じています。
アニソンは鉄腕アトムから始まり、完全に「アニメの曲」というジャンルだった時代からタイアップの波を受けてJ-POPが使われるようになり、さらにはJ-POP寄りのアニソンが増えてきます。そして今現在は「アニソン歌手」という括りを越えて、あらゆるアーティストがその作品のテーマと自分の音楽性を両立したハイブリッド・アニソンの時代になっています。
で、合ってますよね?(あくまで主観)
ダンバインはいわばコテコテアニソン時代の作品なのですが、曲としてはまさにその「いかにもアニソン」なんですね。アニメを観ない人は基本的に聴かないジャンルの曲で、当時は「アニメは子供のもの」みたいな風潮からアニソンも「子供の音楽」と思われていた頃です。
ですが、この「ダンバイン とぶ」の歌詞…富野監督(井荻麟名義)によるものですが、戦士の悲壮感と勇壮さを書いたもので、特に二番の詞は哲学の域に入っているフレーズも出てきます。
「殺し合うのが 正義でないと 知って戦う 戦場だけど」
です。勧善懲悪のロボットアニメではまず出てこない言葉ですね。この重い曲を、ハスキーなMIOさんの声が勇ましく歌い上げ、真に迫る歌唱で胸に響いてきます。
現代は高い音楽性を持ったアーティストが作品に寄せていく形のアニソンで、「曲の上に作品」という印象を持っていますが、ダンバインは作品の上に曲だと思います、そこは昔のアニソンなのですが、イントロのインパクト、曲の内容が40年後に聴いても色褪せないクオリティであり、「子供の音楽」の枠を越えています。ゆくゆく、アニメ、アニソンの地位が上がっていく時代を見越して先出しされていた曲、と言わんばかりの名曲、それがこの「ダンバイン とぶ」なんですね。
反骨心が生んだ名作たち
考えてもみれば富野監督はその「アニメを低く見る人達」への対抗心から作品を作っており、サンライズの第一作であるザンボット3から常にリアル路線を見据えてきた作家だといえます。主題歌が当時の「アニメ曲」の枠を越えていたのも必然かもしれません。ダンバインの前後、ザブングルやエルガイムもまた主題歌は「格好良さ」が際立っていますよね。
今はアニメで育ったアニメ好きな人たちがアニメを作っているので全体的なレベルは上がっていますが「丸く」なっているとも思いますね。どこかに仮想敵を持って製作者が尖っていた時代の熱量が感じられるダンバイン、観たのは20年以上前ですが、配信を機に久しぶりに観ようかと思います。