映画感想「シン・ウルトラマン」22/05/13(Filmarksより)

初日15:00時点、二回鑑賞。

今年一番の期待作、樋口＆庵野コンビによるウルトラマン。
幼少期からウルトラっ子で、ポロポロの怪獣図鑑をまだ持っている自分に夢を見せてくれる作品だった。

前作？にあたるシンゴジラと違いオリジナルがTVシリーズである事をどう映画の尺に落とし込むのか見ものだったが、「外星人との接触」という要素で一貫しており、２時間の「１話」になっている。
ネロンガ→ガボラ→ザラブ→メフィラスの流れは、メフィラスの暗躍＋異分子のザラブとまとめられており、価値観の違う外星人によって翻弄される国家と守ろうとする禍特対、と軸がハッキリしている。

何より、「昭和感」。
新しい作戦や武器が即登場するテンポの良さ、無能感丸出しのお偉いさん。とんだ強敵なハズなのにやけにアッサリ倒してしまう、など。
この辺が2022年の観客にどう受け止められるか未知数だが、これこそ初代ウルトラマンの醍醐味でもある。
先述した構成の上手さは初見では気付きにくく、ネット上でも不満点として散見されるがリピートする事で解消されると思う。昭和感と併せて感じとって貰いたい映画。

そして小ネタの多さはもはや拾いきれるものではない。着ぐるみ改造ネタを設定に組み込んでくるところはその仄めかし方も含め狂ったセンスを感じた。シンゴジラにもあった現代社会へのメッセージもありつつ、それを暗くならない様伝えてくるのがまさに光の巨人。

音楽の使い方もツボを押さえており、ウルトラマンの強さ、頼もしさが澱みなく描かれている。
素性がよくわからないのに、何となく神永に惹かれていってしまうのは斎藤工の演技力であろう。
ともかく新しく懐かしい、ウルトラマンの誕生しかと見届けさせていただいた。

だが、あのゼットンはもはやゼットンカラーのロボットでしかない…生物感が欲しかった(笑)
ベーターカプセル、買います。