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映画感想「かがみの孤城」(Filmarksより)
予告で気になっていたので鑑賞、今年一本目。
不登校の女子中学生、安西こころがある日部屋の鏡に吸い込まれ、その先では狼の面を付けた少女の出迎えと洋風の城が待っていた。
城にはこころと同年代の少年少女達が6人集められており…。
ファンタジー物の要素がありながら、学校の問題を直球で描く社会派作品。謎を解く物語ではあるが冒険ではなく、7人のコミュニケーションを中心に話が進む。
仰々しいアクションなどがなくとも、解決と紐解きを連らせる展開に胸がすく思いだった。
7人がそれぞれ抱える事情と、その性格がとてもリアルだと感じた。こころが心に傷を負うシーンはまさに悪夢の色があり、事情をまるで理解していない担任教師の浅はかさと相まって彼女に絶対的な共感を得られた。
童話と絡めたオチも秀逸で、いじめ加害者を懲らしめるのではない解決を見た気がする。
孤城での時間に制限があるのは、現実との戦いから逃げるな、という意味で、一人がそこから逃げてしまい均衡が崩れてしまう。
だがあとの6人は誰一人それを責めず救い出そうとする。最後の「願い」は同じ傷を抱えた仲間への想い。最初の願いと比較すれば成長としてこれ以上のものはないだろう。
原作未読だが、原作を忠実に映像化した事はうかがえる。結果的にスバルやフウカは薄味描写になってしまった感はあるが、なんといってもアキ、アキ、アキである。姉御キャラでカッコよく可愛く、その背景も重いが、それがラストのあのシーンに繋がる、見事である。
この7人のこれからの人生が幸福なものになると確信できる結末、爽やかな良作。
是非、小中学校で教材としていただきたい。
2023年、良いスタートが切れた。
「たかが学校?」