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映画感想「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」(Filmarksより)
TV版15話をリメイク、劇場版にビルドアップしたもの。
遥か昔にTV版は履修済みだが、記憶の彼方であるがゆえにほぼ新作の感覚で観る事が出来た。
今やアムロレイと言えば神域パイロットのイメージが強いが、まだ少年パイロットな頃の姿は懐かしくも新鮮に映った。
改めて思ったのは、正義の連邦悪のジオンという構図のアニメではあるもののこれは戦争、各々の正義があるという事。
ドアンは義の人であり、島の子供達の父親である。その暮らしに触れたアムロにとって、元ジオンの人間であることやザクの乗り手である事は関係なかった。
やがて二人の共闘によって、島の生活は守られアムロは木馬に帰っていく結末。
悲しいと思うのは、ドアンを戦いから切り離す決断をしたアムロ自身はこの先も戦いに塗れた人生になるという事実。
それに重ねて、サザンクロスの兵達を容赦なく葬っていくアムロの姿とその淀みない描写は、表現規制で騒ぐ近年のクレーマーに突き刺したいと思った。意義のある作品だが、過去作の焼き直し以上の物には見えなかった。