一時間もの「彼女の取扱説明書」
作家集団ゼミで書いた、一時間ものです。
元々研修科の「古痕」で書いたものを膨らませて60枚にしました。理由はただ、「書いてみたかった」だけなのですが(笑)。
長編化の難しさ
よく、課題で書いた短編を長編に膨らませてコンクール入賞している方をお見受けします。短編を膨らませる、というのは習作としても有効だと言えるのですが、これが実際にやってみると難しい事がわかります。
自作にも「出会い」の課題で書いたものを二時間ものにして、最終審査まで残った「メディアミックス~」という作品があります。これはあの形になるまで色々と紆余曲折ありつつも、最初から「あすかと矢島をくっつけてやろう」という意志がありそれを貫いたのが良かったと思います。
では、この「彼女の~」はどうだったかと言いますと…
多重人格である蛍と、付き合う事になった天城のドタバタコメディ…という目論見で書き始め、一応はその形で結末まで書ききりました。ですが、ゼミでの評価はあまり良くなかったと記憶しています。
継ぎ足しストーリーでは、盛り上がらない
まず課題で書いたのが最初の10ページで、そこに付け足す格好で書いていったのですが特にプロットを考えるでもなく、思い付きで続きを書いていきました。多重人格のヒロイン、というのは面白いだろう、なんとかなるだろうという過信ですね。結果的にヤマ場が無く、なんとも平坦な話になってしまったな~という印象です。
何より、蛍と姉・雪菜のキャラは良いのですが天城が面白くない。面白くないキャラが何を起こそうと面白くはならないという実例ですね。
反省点は色々ありますが、こんな作品でも一応エンドマークを付けた事だけは偉い、と言っていいのではないでしょうか(笑)。
これも復活の見込みあり
久しぶりに読み返したのですが、もう一度挑戦したい素材だと思いました。多重人格ラブコメ、私が知らないだけで既に世に溢れているかもしれませんが、もっと愛おしい蛍や天城を創ってみたいですね。