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赤いきつねのCMで感じた、無知の銃口

ここ数日、麺類のCMがやたら話題になっているように見受けられます。なんかおかしな話題から、別の意味で「おかしな」ものまでありますね。
まず、マルちゃんのコレですが…

この、女性版のほうが批判されているというものですがあまりにも無理があると呆れられているという話ですね。
「また、この手の炎上話か」と溜め息しか出ないのですが、批判意見がこのCMの冒頭で女性が映画かドラマを観てるところを無視しているのでここまで雑な叩きも珍しい、というのが個人的な感想です。

いや、力の入ったCMなのにこれで止めてしまったりしたら勿体ない。
現状、東洋水産さんもスルーしているようなので心配なさそうではありますが、これも日頃意識して遠ざける必要のある、SNSの毒ですね。

こんな話題が海外で言及されること自体、日本人として嘆かわしいと思うのが普通の感覚ではないかと思うのです、ハイ。


帰ってきた、伝説の実況

続けて、私が話題にしたいのはこちらです。

ウメハラネタといえば電波実況かレッツゴージャスティンですが、ついに大手企業がパロってくる時代になりましたか。
私は再現度にも笑いましたが、チリトマトが1ラウンド取ってるところが一番面白かったですね(笑)。

これはもはや、格ゲーマーで知らない者はいないレベルの実況ですが今見ても本当に凄いですね。完全にウメハラ寄りになっていますが、それが忖度だとか不公平だとか、言われてはいません。試合の展開を解りやすく、端的に伝えながら決着へ向けてテンションが上がっていくストーリー性まであります。何より、がまの油さんの声がいい。

この実況、マンガのPVでセルフパロをやったこともありましたし、何よりこの動画では海外大会での実況でも意識されていたことがわかります、凄い認知度なんですね。


忘れられない「実況」

スポーツの世界でもそうですが、視聴者、観客の心に残る「名実況」というものは古くからありますよね。

最近、チラホラサッカー動画を観るようになって辿り着いたこの動画で鳥肌が立ちました。台本があったのかどうかはわかりませんが、試合前にテレビの前でも緊張感を得られるような、厳しくも熱い、美しい言葉だと思います。

このような格好良い実況もさることながら、自分に関わりの深い格闘ゲームにおいて面白さで他の追随を許さないものがあるのでご紹介します。

これも、このゲームのプレイヤーの間では有名なものですがあまりにも傑作です。テンションの乱高下をお楽しみください。
この実況をしているトクラ氏、私が出たバーサス東西戦においても死ぬほど面白い実況をしていた日があったのですが、残念ながらその日の動画は残っていませんでした。ヌキ春麗の無双にどんどん壊れていく実況で、当日いた人達は全員ゲラゲラ笑っていたものです。


人を楽しませるものと、それを歪める世の中

物凄く、雑な結びつけと総括になりますが…
CMなり、実況なり、人の関心を引きつけ、興味を持ってもらい、かつ楽しませる。そこに存在意義があるものです。
それは性格や価値観が一人一人違う全ての人に迎合させられるものではありません。先のCMに対するクレームはそれをまさに端的に表した事例であり、「匿名での発信」が容易なインターネット社会の膿であるともいえます。

私は、今回の赤いきつねCMへのクレーム、また類似した案件を見る度にこのお猿さんを思い出してしまうんですね。
道理などわかっていなくても、引き金は引けてしまう訳です。

脚本家志望であり、エンタメを提供する側に行かんとしている人間だけにこの問題は対岸の火事ではありません。であるがゆえに、こういう「無知の銃口」が向けられることも意識の片隅に入れておかなければいけないのだな~という思いを持ちましたね。
私自身、有名なコメディアンをメディアが持ち上げる際に使う
「誰も傷つけない笑い」
という言葉が、反吐が出る程嫌いです。
それは、そんな笑いは無い、という意味ではなく。
誰も傷つけない笑いを、そうじゃないものに変えてしまうのがまさにそのメディアだからです。テレビでこんなことを言っていた、だけの話を誇張・歪曲してどれだけの人間を傷付けているんでしょうか。
今回の件も、赤いきつねCMへの批判を「一理ある」と論じているネットニュースを見かけました。全くもって具体性のないものでしたが。
これらも全て、匿名であるがゆえに発せられる無知の銃口ではないでしょうか。

先日の映画感想文で「怒り」を遠ざけていきたいと綴った矢先に書くべき事ではないかもしれません。しかし、今の世の中で生きていくために無知の銃口と戦う姿勢は持っておかなければいけない、と感じます。
十数年前のゲーム実況が、今も人を楽しませるエンタメの力を信じながら、邁進していこうと思った次第であります。

可能な限り、笑顔で生きていきたいですね。

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